「俺があげた柔道着で金メダル取ったー」柔道男子60kg級覇者に、東京五輪金メダリストも興奮 不可解判定で物議の選手も撃破
パリ五輪・柔道男子60キロ級を制したカザフスタン代表のエルドス・スメトフ選手と、同階級での東京オリンピック金メダリスト・高藤直寿氏とのツーショット写真に注目が集まっている。
「実はオリンピックの準決勝でやったスメトフ選手の柔道着のサイズ僕と一緒なんです」
高藤氏は2024年7月28日、スメトフ選手とのツーショット写真を添え「スメトフ俺があげた柔道着で金メダル取ったーーーー」とXに喜びをつづった。
スメトフ選手は白い柔道着を身にまとい、右手人差し指には包帯を巻いていた。汗だくのまま、高藤氏と並んで笑顔を見せた。
スメトフ選手と高藤氏とは、21年の東京五輪の準決勝で戦ったライバル同士だった。過去に何度も対戦しているが、東京五輪では11分2秒にわたる死闘を制し、高藤氏が決勝へと駒を進めた。
東京五輪の21年9月には、「実はオリンピックの準決勝でやったスメトフ選手の柔道着のサイズ僕と一緒なんです」とXで明かしていた高藤選手。
当時に投稿で、高藤選手は「カザフスタンでは採寸が出来ず、以前僕があげた柔道着のサイズがぴったりだったので同じモデルで作りたいと言ってきてくれました」として、「世界には採寸がしっかり出来なくてもあれだけ強い選手がいるんです。もっと柔道が普及して、みんながストレスなく競技できる環境ができればいいなと思います」と熱い思いをつづっていた。
さらに、今大会の日本代表で銅メダルを獲得した永山竜樹選手は、高藤氏の大学の後輩という間柄。ともに、東京五輪・パリ五輪の切符をかけて争ったライバルでもあった。
「こんな胸熱ストーリーまでついてくるなんて 間違いなく今日のMVP」
パリ五輪の柔道男子60キロ級準々決勝、永山選手とフランシスコ・ガルリゴス選手(スペイン)での判定をめぐっては、不可解な判定があったとして、疑問の声が相次いでいる。「待て」がかかった後も約6秒間にわたって寝技を続行され、永山選手が失神での一本を取られてしまったためだ。
高藤氏は永山選手の試合後、Xを更新し「うーん。。。」と「まだあるから! 応援するしかない!!!」と投稿。
現地での情報について、「大会側は落ちたタイミングがわからないとの事。でも本人は待てって聞こえて体勢を変えようとしたみたい。抗議は通らず。いち早く切り替えて欲しい」と伝えていた。
釈然としない空気の中、スメトフ選手は準決勝でガルリゴス選手と対戦し、見事勝利。決め技は、くしくも永山選手が敗れたのと同じ「片手絞め」だった。
決勝戦ではフランス代表のリュカ・ムケジェ選手と対戦し、スメトフ選手は金メダルを獲得した。
高藤氏との関係も深く、また、永山選手の一件もあっただけに、スメトフ選手の金メダルには、SNSでは驚きと祝福の声が相次いでいる。
「反則締め技を締め技一本で退治して、金メダル取っただけでもすごい! となったのに、こんな胸熱ストーリーまでついてくるなんて 間違いなく今日のMVP」
「スメトフ兄貴、高藤選手と関わりがあるのね?! ますます嬉しい! ガルリゴス倒して永山選手の敵を討った上で金メダルまで取ってくれてありがとう〜〜!! 俺たちのスメトフ選手〜〜〜!!!」
「これこそが『スポーツ精神』ですよ、審判団のみなさん。国をまたいで互いにリスペクトしあえる高藤さんとスメトフ選手、卑劣な戦いをする人とは芽生えない関係、清々しいです。そして正々堂々と、決勝は完全アウェイなのに勝ちきったスメトフ選手には最大限の賛辞を!!!」