今知りたい、卵子凍結の”リアル” 第1回 「卵子凍結」ってなに!? - 妊娠できる可能性や費用はどれくらい?
皆さんは「卵子凍結」についてどのくらい知っていますか? 指原莉乃さんら有名人の公表や東京都が助成金制度を始めたことでも注目を集めていますね。
そこで、卵子凍結について正しく知ってもらうため、情報メディア「卵子凍結UPDATES」の担当者が5回にわたって卵子凍結のリアルをご紹介します。
「卵子凍結」ってなに? - 費用や妊娠できる可能性についても紹介
■卵子凍結とは
将来の妊娠に備えて卵子を採取し、凍結保管することを卵子凍結と言います。
身体が年をとるように、卵子も年をとります。老化した卵子は数が減り、質が落ちることで妊娠のために必要な力である妊孕(にんよう)性が低下することが知られています。
1年間避妊をしないで性交渉を行った場合の年代別の妊娠率(M.Sara Rosenthal.The Fertility Sourcebook.Third Editionより)
1年間避妊をしないで性交渉を行った場合の年代別の妊娠率を示したデータによると、年を重ねるごとに妊娠率が低下することが分かります。
女性の社会進出が推進され、今は自分のキャリアを優先させたい、ライフプランが多様化する中で妊娠する可能性を残しておきたい、という女性の選択肢の一つとして卵子凍結が注目されているのです。
■費用はどれくらい?
卵子凍結にはどれくらいの費用がかかるのか、疑問に思っている方も多いと思います。
卵子凍結は自費診療なので、医療機関によって多少ばらつきはありますが、一般的に採卵までにかかる費用として40〜50万円といわれています。そして採卵後、凍結した卵子を保管する費用が別途、年間で5〜10万円程度と考えておくと良いでしょう。
東京都では助成金制度の活用で、最大30万円の補助を受けられます。また、東京都以外の自治体での導入も今後拡大することが期待されています。
さらに、女性の活躍を推進する企業を中心に福利厚生への導入も進んできています。自身が対象か確認してみましょう。
■妊娠できる可能性は?
本当に妊娠できるのか、不安に感じている方も多いのではないでしょうか?
卵子凍結の成績は次のように示されています。
卵子凍結の成績
子どもを授かるまでにはいくつかのステップがあり、結果的に卵子1個あたりの出生率は4.5%〜12.0%とされています。
卵子を凍結すれば必ず子どもを授かれるというわけではない、ということは覚えておく必要があります。
■メリット
卵子凍結の主なメリットは次のとおりです。
●卵子の質を維持できる
●妊娠、出産に対する気持ちの余裕ができる
実際に若いドナー卵子を用いることで、年齢による妊娠率の低下が認められないと証明された海外のデータもあり、卵子の質の低下が妊娠・出産に与える影響は大きいことが分かります。
胚移植あたりの生産率(アメリカ疾病予防管理センター(CDC)発表の2003 ART Success Rates in USAから引用)
■デメリット
卵子凍結のデメリットは次のとおりです。
●必ず子どもを授かれるわけではない
●身体への負担
●高齢出産による母体への合併症のリスク
排卵誘発のために飲み薬や注射を使うため、薬剤による副作用が起こる可能性があります。そして採卵時には出血や感染症のリスクも伴い、身体への負担は懸念材料となり得ます。
高齢出産により起こる可能性がある母体へのリスクについて考慮し、日本生殖医学会では、凍結した卵子を使用する際の年齢について、45歳以上は推奨できないとしています(※1)。
卵子凍結をしても、出産できる年齢には制限があるということを覚えておきましょう。
■まとめ
関心が高まっている卵子凍結ですが、自分自身にとって本当に必要なのか、正しい情報を集めた上で決断することが大切です。
卵子凍結についての相談や質問ができるセミナーを無料で開催している医療機関や企業も増えているので、興味がある方は参加してみるのも良いでしょう。
次回はどんな女性が卵子凍結に興味を持っているかご紹介します!
(※1)一般社団法人日本生殖医学会、社会的適応による未受精卵子あるいは卵巣組織の凍結・保存のガイドライン(2013)
卵子凍結UPDATES 平井 優 らんしとうけつあっぷでーつ ひらいゆう セルソースのマーケティング部所属。神奈川生まれの神奈川育ち。幼少期から読書と文章を書くことが好きでライターの道へ。美容、健康、金融など様々な領域での執筆経験あり。現在はオウンドメディア「卵子凍結UPDATES」にて取材記事やコラムを執筆し、卵子凍結や女性特有の身体の不調や悩みについて、啓発活動をしている。海と山が好き。 この著者の記事一覧はこちら
そこで、卵子凍結について正しく知ってもらうため、情報メディア「卵子凍結UPDATES」の担当者が5回にわたって卵子凍結のリアルをご紹介します。
「卵子凍結」ってなに? - 費用や妊娠できる可能性についても紹介
■卵子凍結とは
将来の妊娠に備えて卵子を採取し、凍結保管することを卵子凍結と言います。
1年間避妊をしないで性交渉を行った場合の年代別の妊娠率(M.Sara Rosenthal.The Fertility Sourcebook.Third Editionより)
1年間避妊をしないで性交渉を行った場合の年代別の妊娠率を示したデータによると、年を重ねるごとに妊娠率が低下することが分かります。
女性の社会進出が推進され、今は自分のキャリアを優先させたい、ライフプランが多様化する中で妊娠する可能性を残しておきたい、という女性の選択肢の一つとして卵子凍結が注目されているのです。
■費用はどれくらい?
卵子凍結にはどれくらいの費用がかかるのか、疑問に思っている方も多いと思います。
卵子凍結は自費診療なので、医療機関によって多少ばらつきはありますが、一般的に採卵までにかかる費用として40〜50万円といわれています。そして採卵後、凍結した卵子を保管する費用が別途、年間で5〜10万円程度と考えておくと良いでしょう。
東京都では助成金制度の活用で、最大30万円の補助を受けられます。また、東京都以外の自治体での導入も今後拡大することが期待されています。
さらに、女性の活躍を推進する企業を中心に福利厚生への導入も進んできています。自身が対象か確認してみましょう。
■妊娠できる可能性は?
本当に妊娠できるのか、不安に感じている方も多いのではないでしょうか?
卵子凍結の成績は次のように示されています。
卵子凍結の成績
子どもを授かるまでにはいくつかのステップがあり、結果的に卵子1個あたりの出生率は4.5%〜12.0%とされています。
卵子を凍結すれば必ず子どもを授かれるというわけではない、ということは覚えておく必要があります。
■メリット
卵子凍結の主なメリットは次のとおりです。
●卵子の質を維持できる
●妊娠、出産に対する気持ちの余裕ができる
実際に若いドナー卵子を用いることで、年齢による妊娠率の低下が認められないと証明された海外のデータもあり、卵子の質の低下が妊娠・出産に与える影響は大きいことが分かります。
胚移植あたりの生産率(アメリカ疾病予防管理センター(CDC)発表の2003 ART Success Rates in USAから引用)
■デメリット
卵子凍結のデメリットは次のとおりです。
●必ず子どもを授かれるわけではない
●身体への負担
●高齢出産による母体への合併症のリスク
排卵誘発のために飲み薬や注射を使うため、薬剤による副作用が起こる可能性があります。そして採卵時には出血や感染症のリスクも伴い、身体への負担は懸念材料となり得ます。
高齢出産により起こる可能性がある母体へのリスクについて考慮し、日本生殖医学会では、凍結した卵子を使用する際の年齢について、45歳以上は推奨できないとしています(※1)。
卵子凍結をしても、出産できる年齢には制限があるということを覚えておきましょう。
■まとめ
関心が高まっている卵子凍結ですが、自分自身にとって本当に必要なのか、正しい情報を集めた上で決断することが大切です。
卵子凍結についての相談や質問ができるセミナーを無料で開催している医療機関や企業も増えているので、興味がある方は参加してみるのも良いでしょう。
次回はどんな女性が卵子凍結に興味を持っているかご紹介します!
(※1)一般社団法人日本生殖医学会、社会的適応による未受精卵子あるいは卵巣組織の凍結・保存のガイドライン(2013)
卵子凍結UPDATES 平井 優 らんしとうけつあっぷでーつ ひらいゆう セルソースのマーケティング部所属。神奈川生まれの神奈川育ち。幼少期から読書と文章を書くことが好きでライターの道へ。美容、健康、金融など様々な領域での執筆経験あり。現在はオウンドメディア「卵子凍結UPDATES」にて取材記事やコラムを執筆し、卵子凍結や女性特有の身体の不調や悩みについて、啓発活動をしている。海と山が好き。 この著者の記事一覧はこちら