●プロットに書かれていた「美貌」の文字に危機感

東海テレビ・フジテレビ系ドラマ『嗤(わら)う淑女』(毎週土曜23:40〜 全9話)が27日にスタートする。ドラマ放送を前に、主人公・蒲生美智留役を演じる内田理央と、美智留の従妹・野々宮恭子役を演じる松井玲奈が、それぞれの役柄やドラマの注目ポイントについて語った。

内田理央 =東海テレビ提供

○出演オファーを受けた時の感想

――最初に、オファーを受けた時のお気持ちをお聞かせください。内田さん演じる美智留は、稀代の悪女かつ、はじめて会った人を動揺させるほどの美しさを持つという役どころです。

内田:オファーをいただき、とてもうれしい気持ちと同時に、プロットに書かれていた「美貌」という文字を見て、そのとき食べ過ぎて太っていたので、まずダイエットしなきゃという危機感を抱きました(笑)。

――そんな危機感が(笑)!

内田:不安もありましたが、恭子を演じるのが松井玲奈ちゃんだと聞いて、絶対に面白い作品になる! というワクワクに変わりました。ドラマに出演させていただくことが決まってから、原作を読んだのですが、すごく面白くて、どんどんページが進んで一気に読んでしまうほどで、この役を自分が演じさせていただけることがより楽しみになりましたし、今も楽しく演じさせていただいてます。

――美智留の美貌を表現するために工夫したことはありますか?

内田:ビジュアル面については、(美智留のコンサルティング会社を訪れる)相談者の皆さんが毎回、美智留の美貌にうっとりするシーンがあるので、それに見合うようになるべくキレイでいないといけないと意識しました。メイクも衣装もトレンドを押さえたものにしていただいたり、美術さんがアクセサリーをたくさん用意して、衣装に合うものを選んでくださったり、私が原作を読んだときにイメージした美智留像にかなり近づいているんじゃないかなと自分でも思うくらい、スタッフの皆さんにフォローしていただいてます。



――松井さんは、オファーを受けた時のお気持ちはいかがでしたか?

松井:理央ちゃんと以前共演させていただいたときは、お互いに顔が見えない役だったので、目と目を見て、お芝居をするのが楽しみだなと思いました。また、原作を読んで、美智留の些細な言葉の投げかけで、悩みを相談しにきたクライアントの人生がガラッと変わってしまうというところが面白いなと思ったのですが、原作の言葉の面白さがそのまま脚本にも落とし込まれているなと思いました。

理央ちゃんの演じる美智留が人を巻き込んで、どんどん物語が進んでいくのを、私は恭子として隣でじっと見守っているのですが、美智留とクライアントが話し始めるシーンは手に汗を握るものがあって、ドラマをご覧になる皆さんにも同じように楽しんでいただけるのではないかなと思います。

●松井玲奈、震えすぎで肩こりに!?

○恭子役を演じる上で監督から最初に言われたこと

――ご自身が演じる役柄と似ていると思う部分があれば、教えてください。

内田:蒲生美智留は、とても美しく聡明でミステリアスな女性で、いろんな過去を持っていたり、秘密があったり、どんな人なのかあまり分かりません。謎があって、すべてを明かしてくれないから、どんな人なんだろうって気になる。

そして、自分の言葉によって相手をコントロールすることを楽しむような性質を持っているから、似ているとはなかなか言えないのですが(笑)、私は人とのコミュニケーションがとても好きで、自分との会話で相手がどんなふうに感じているかを考えながらコミュニケーションをとるタイプなので、そこは共通点なのかなと思っていて。美智留を演じる上で、とても大切にしている部分です。

松井:恭子と似ている部分は、理央ちゃんのことがとても好きですし、憧れているところはそのものなんですけど……

内田:そんなに!?

松井:恭子は自分の中で葛藤を抱えていて、その葛藤が美智留とも関係していることなので、過去と現在の関係のなかで揺らいでいくところが、すごく難しい役どころだなというふうに感じています。監督から最初に言われたのは、恭子は視聴者の皆さんと一番近いところにいるということでした。

(美智留のことを)目の前で見ているのは常に恭子であって、ドラマを観ていただく皆さんと同じポジションにいるから、観ている人の興味を引きつけるようなお芝居をしてほしいというふうに言われたことがすごく印象的で、葛藤がありながらも、起こっていることを見守るというか、そういうところを意識しながら演じています。恭子はずっと怯えているのですが、そういう部分は似ていないと思います(笑)。



○注目してほしいポイントは?

――俳優として、お互いの「ここがすごい!」というところを挙げるなら?

内田:玲奈ちゃんのお芝居は繊細だけどリアルで、すごく考え込まれているイメージがあって。恭子を演じるときも、ト書きでは「……」や「怯えてる」としか書かれていないのに、玲奈ちゃんがお芝居することによって、すごくいろんな感情が見えるようになるところがすごいなと、現場で毎回思っています。

松井:ありがとうございます……! 恥ずかしい(笑)。理央ちゃんは今回、美智留が(ドラマの)3分の2くらい話しているのではないかなと思うくらい、セリフ量が膨大で、そのセリフを覚えて、自分のものにして口に出すのってすごく大変だろうなと思いながら見ているのですが、相手と対峙したときの緊迫感、空気の作り方がすごく上手。

理央ちゃん本人は、(膨大なセリフを)言えるかな……? という緊張感を持っているけれど、それを美智留のエネルギーとして昇華してお芝居をしていて、「全然言えないかもしれない……!」とこぼしているのに、本番になると完璧にセリフを話すところが素晴らしいなと思います。

内田:恥ずかしい(笑)!

松井:その横で私は一生懸命震えようと思っていました(笑)。

内田:玲奈ちゃんは今、肩がこってしまって、体が大変なんです……(笑)!

――震えすぎて(笑)! では最後に、注目してほしいポイントやシーンを教えてください。

内田:1話を観ていただければ、すべてが伝わるのかなと思います。キャラクター設定もすごく分かりやすくて、二人の関係性もなるほど! と思ってもらえるはずです。

松井:私は、恭子がレモンティをこぼすシーンをぜひ観ていただきたいです(笑)。怯えながら紅茶をこぼすというト書きがあって、どう演じたものか……と思ったのですが、一発でキレイに怯えながらレモンティをこぼすことができたので、これがそのシーンか! と思っていただければ、うれしいです。

内田:レモンティをこぼす天才と言われてました(笑)!