【密着】人間ドックで「膵臓がん」を早期に見つける方法とは<最新医療>
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膵臓は「暗黒の臓器」だと言われており、症状を出さずに確実に病気を進⾏させてしまう⾮常に怖い臓器だそうです。今回は実際の人間ドックに、Medical DOCを運営する株式会社GENOVA代表取締役社長の平瀬社長の同意のもと、密着取材させていただき、検査結果と照らし合わせながら、膵臓がんのリスクについても循環器内科専門医の高橋先生と消化器病専門医の宮崎先生に解説いただきます。
監修体験者プロフィール:
平瀬 智樹(株式会社GENOVA代表取締役社長)
1997年にITベンチャー企業に創業メンバーとして入社。6年間の在職の中で、同社の株式公開にも携わる。2003年にアメリカへ留学。2005年帰国後、同年7月に株式会社GENOVAを創業し「ヒトと医療をつないで健康な社会を創る」というミッションのもと、 メディカルプラットフォーム事業とスマートクリニック事業を展開する。患者さん(利用者)一人ひとりが健康に生活できる社会の実現を目指している。
監修医師:
高橋 通(医師)
1994年から国立国際医療研究センターや東京大学医学部附属病院の救急医療現場での循環器専門医としての臨床経験を経て、2015年から現職、東京国際クリニック院長を務める。SBIメディック(会員制健康管理支援サービス)カウンセリングドクターを兼任し、日々、人間ドック受診者や外来患者の健康管理・指導を行っている。これまで急性心筋梗塞や急性心不全など生死に直結する救急医療や末期がん患者の在宅医療にも携わり、患者に寄り添う医療を施すことをモットーに培われてきた間隔を大切にしながら、いのちを守る人間ドックや先制医療を推進している。また、テレビや雑誌など数多くのメディアを通じて「健康管理」に関する情報発信を続けている。
監修医師:
宮崎 郁子(医師)
東京医科大学医学部医学科卒業後、東京医科大学病院消化器内科に勤務、研鑽を積む。牧野記念病院を経て、東京国際クリニックの副院長に就任。日本消化器病学会専門医、日本内科学会 総合内科専門医、日本消化器内視鏡学会専門医、日本医師会 認定産業医の資格を有する。
検査前インタビュー
高橋先生
膵臓について何か気になることはありますか?
平瀬
膵臓は暗黒の臓器と言われていて、気づかず見過ごしてしまう可能性があるのでとても怖いですよね。もし膵臓がんになってしまった場合、治せるのかどうか不安もありますので、今回の検査でその辺りを詳しく知りたいと思います。
高橋先生
膵臓や膵管をしっかり検査していきたいと思います。
平瀬
よろしくお願いします。
検査直後インタビュー
宮崎先生
MRCP検査はMRIを用いて胆のうや胆管を映し出せるので、膵臓がんや胆のうがんなどの発見に有効です。膵臓がんは増えていますので、MRCP検査で細部まで確認することが大切ですね。
平瀬
細かく検査で調べてくれると安心できますね。
宮崎先生
胆管も胆のうも画像で見たところ大きな異常はありません。
平瀬
良かったです。
宮崎先生
膵臓に問題がある場合、主膵管が太く映りますが、今回は正常範囲内ですね。1年に1回はMRCP検査を受けておくと良いと思います。
平瀬
今回はじめて膵臓の検査を受けました。
宮崎先生
MRCP検査は通常の人間ドックには組み込まれていることが少ない検査なので、一度検査を受けていただければ1年は安心かなと思いますよ。
平瀬
従来の膵臓の検査はどういった検査でしたか?
宮崎先生
今まではエコー検査で見つかるケースが多かったですね。お腹にゼリーを塗って超音波を当てる検査です。ただ、エコー検査の場合、膵臓の前に胃があるので胃の空気を拾ってしまい膵臓全体が見にくいという欠点がありました。
平瀬
なるほど。
宮崎先生
MRCP検査は主膵管がはっきりみえるので、がんを発見しやすくなりました。早期発見にすごく寄与する検査だと思います。
平瀬
胆管がんについてもお聞きしたいです。
宮崎先生
胆管がんも若くしてなる方が多いがんですね。MRCP検査では胆管や胆のうまで映りますので、がんの早期発見ができるかと言われています。
後日検査結果
高橋先生
早速MRIの画像を見ていきたいと思います。
平瀬
今回この結果が少し楽しみで気になっていました。
高橋先生
膵臓の場所に白い塊があると膵臓の嚢胞や膵臓がんの可能性が出てきますが、全く見られなかったです。
平瀬
安心しました。
高橋先生
特に飲酒量の多い方や一度も検査を受けたことがない方は、40歳を過ぎたらMRCP検査を受けていただきたいですね。被爆もしないので安心です。また、膵臓がんや胆管がんの家族歴がある方はリスクが高くなるので、40歳を迎える前に一度検査を受けていただきたいです。
平瀬
後回しにせずに検査をした方が良いですね。
高橋先生
最近、本当に膵臓がんで亡くなる方が増えてきています。会社の同僚が亡くなったり、著名人が亡くなったりしています。MRIを使って早い段階で見つけてあげることが大切です。
平瀬
今まで膵臓の検査は受けたことがなかったので、今回受けることができて良かったです。
高橋先生
エコー検査では見えない部分が多いので、MRCP検査のように異常があった場合早く見つけることができますよね。
平瀬
そうですね。膵臓がんは、自覚症状があまりないと聞いたことがありますが、どの程度になったら気づくのですか?
高橋先生
症状が出た時にはもう遅いです。気持ち悪かったり、食欲がないことが続いたり、体重が減ってきたりする状況だと進行している可能性が高いです。
平瀬
怖いですね。何か数値で確認することはできますか?
高橋先生
数値に現れるのは、糖尿病のHbA1cが急に悪くなった場合です。この場合、発症していることが考えられるので要注意ですね。糖尿病で治療中の方は検査をおすすめします。
平瀬
HbA1cの数値は要チェックですね。
高橋先生
膵臓がんの予防のためには、膵臓に過度な負担をかけないよう暴飲暴食や飲酒量を減らすなどの工夫が必要です。糖尿病の方は血糖コントロールが大事ですね。
平瀬
私も気をつけたいと思います。
高橋先生
食後の血糖値が急上昇と急降下を起こす血糖値スパイクにも要注意です。糖質を一気に取ると血糖値が一気に上がり、膵臓からインスリンが分泌されます。お昼に丼ものを食べている方は膵臓を酷使している可能性があるので、食べる量を調整していただきたいです。
平瀬
膵臓はずっと気になっていましたが、実際の画像データで見ることができて安心しました。人間ドックはこれからも毎年受けて、健康状態をしっかりと管理していきたいと思います。定期的な検査を続けることで、早期発見と早期治療が可能になるので、健康を維持するためにも大切だなと感じました。
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