画像はイメージです。

写真拡大

●景気回復が遠い中国経済

 ロイター通信によると、中国国家統計局が15日に発表した第2四半期のGDP(国内総生産)は、前年同期比4.7%増で、政府目標の5%を下回った。第1四半期の5.3%増からも鈍化している。

【こちらも】トランプ氏襲撃事件で仮想通貨に追風!?

 中国恒大に端を発した不動産不況に回復の兆しが見えず、新規住宅の売り上げ面積と売上高は、共に前年同期比20%以上下落している。

 追い打ちをかけるように、トランプ氏襲撃事件により、トランプ前大統領が11月の大統領選で勝利する可能性が高まっており(確トラ)、中国株に連動するETFが売られるなど、早くも影響を及ぼしている。

 中国に強硬な姿勢と見られるトランプ氏が大統領に就任すれば、さらに中国は苦境に追い込まれるのだろうか?

●トランプ氏と中国

 トランプ氏は、前回の政権時には中国への関税を強化するなど、中国に対し厳しい姿勢を取ってきた。

 共和党の新しい政策綱領には、中国に対する最恵国待遇の撤廃、中国からの必需品輸入の段階的な停止、米国の自動車産業の保護を目的とした中国からの自動車輸入阻止など、中国を意識した政策が目立つ。

 これらは大統領選に向けたトランプ氏の政策綱領と見られる。

 しかしバイデン政権も、半導体やEV(電気自動車)などの中国製品の関税を引き上げる措置を講じており、中国対策の面では大差はないとの指摘もある。

●米国の動きに関係なく苦しい中国景気

 トランプ氏が大統領になろうが、バイデン氏が再選されようが、中国経済の苦境には変わりがない。

 GDPの4分の1を不動産が占めており、不動産に付随した、家具や家電、建材にも大きな影響を及ぼしている。

 元々供給過剰だった中国経済は、この10年でも改善は見られず、2020年からのコロナショックで取られたゼロコロナ政策の後遺症からも、いまだ立ち直っていない。

 株価は、上海総合が2月に低迷して以降、中国の景気刺激策や株価下支え策が好感され、一時は上昇したが、再び3000を割る苦しい状況が続いている。

 バブル崩壊期に日本が陥った経済の長期低迷と似ていると言われており、「日本化」とも揶揄されている。中国景気の回復には「確トラ」に関わらず時間がかかりそうだ。