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 男女が自身の性癖を登録してマッチングする「性癖マッチングサービス」が、ここ2年ほどで急拡大している。性癖マッチングとはどのようなものなのか、利用したことのある30代女性に話を聞いた。

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「プライベートではなかなか言い出せない自分の性癖を共有できる場だと思って、性癖マッチングサービスに登録しました。私はM気質なので、目隠しや拘束された状態での焦らしプレイや押さえつけながら強引にされるプレイを希望しました」(30代女性Nさん、以下同)

かなり希望どおりの行為ができた

 自分の性癖を設定して、自分の傾向や相手へ望むことなど指定できるのが良かったという。

「普段、なかなか人には言えないような自分の性癖について共感・共有できる人と話すだけでも楽しかったです。マッチした相手とやりとりの中で妄想するだけでも正直楽しめます(笑)。不満だったのは、中途半端なS男が“ドS”であると自称しているところ。やりとりをしているうちにメッキが剥がれてきて、単にヤりたいだけの男性が多い印象でした」

 男性からのアプローチが多く、すぐに会いたがる人も多かったので、かわすのに少し疲れてしまったとも。

「しっかりと自分の性癖に合いそうな人を選んで、やりとりを積み重ねて安心できそうだと思った男性3人と、まずは顔合わせから会いました。そのうち行為に及んだのは2人。うち1人はかなり希望どおりの行為をできましたが、もう1人は期待外れ(笑)」

 女性におすすめできるか尋ねると、

「極端な性癖でなくても、少し普段とは違う行為をしてみたいという願望がある女性は試してみる価値はあると思います。SなりMなり、女性それぞれで好みのプレイはあるはずなので、それを満たすのには良いサービスだと思います」

サービス運営の声

 今や10社以上もある性癖マッチングサービスのうちの1社で、女性満足度の高い「トメきゅん」を運営する会社にも話を聞いた。

「サービスを始めたきっかけは、Tさんという女性との出会いです。普通のマッチングアプリで出会ったんですが、仲良くなって居酒屋で話しているうちに、性におおらかな女性だということがわかって。性欲も好きなプレイもあるのに、さらけ出す場所がないという不満を聞いたんです。

 僕もマッチングアプリを使っている中で、食事の誘いも身体の関係の誘いもプレイも、全体的に男性主導だなと思っていて。Tさんに共感して、女性主導で性癖をさらけだせる場所をつくりたいという思いで、トメきゅんというサービスを作りました」(トメきゅん代表・宇賀神さん、以下同)

 どんな利用者が多いのだろうか。

「女性のなかには、夜の生活に満足していなくて、特殊な性癖を持っている人が多いです。例えば、拘束されたいとか、男性を虐めたいとか…。男性は、普通の性行為はある程度経験していて、それ以上の刺激を求めている人が多い印象です。年齢層は、男女ともにいちばん多いのが20代。男性は30代や40代も多いです」

 金銭を求める“パパ活”のきっかけになるのでは?という質問に対しては

「パパ活を目的としての利用は確認していないですし、報告も上がっていません。女性は、コンセプトに共感して性癖を発散しにきています。メッセージは運営で定期的に確認していますし、何かトラブルの報告があれば対応していますが、金銭関係に対する報告は今まで上がってきたことがありません」

 と言い切る。男性のプロフィールには、性病検査の項目もある。マッチングした相手に性病検査しているか聞きづらいという声や、ネットで拾った検査結果を改竄する人への対策だという。

「クリニックと提携し、性病検査結果をプロフィールに表示できます。こういうサービスなので、すぐに性行為ができるんじゃないかと勘違いして登録する男性もいる。男性側の質も高めてご紹介できるような仕組みにしています」

 性癖マッチングサービスは、今では10社以上もあるというのだから驚きだ。

「このサービスを立ち上げてもうすぐ2年ですが、この2年くらいで急激に増えた印象です。他のサービスと差別化のため、男性のランク制度やマッチングした後のフィードバックがされる仕組みを導入しています」

 今後の課題を聞くと、

「多様性が重要視されている中で、性に対してはまだまだ男女差があると思います。女性も自分の性欲に向き合って性行為をするという文化をサポートしたいです。ただ、こういうサービスなので、怪しい出会い系じゃないのか、パパ活じゃないのか、という悪い印象を持たれるのも事実です。そこを払拭して、一般的なマッチングアプリと同様に使ってもらえるようにがんばっていきたいです」

 マッチングアプリで出会って結婚する“アプリ婚”も珍しくなくなった今の時代。マッチングサービスはどこまで進化するのだろうか。