「暑い車内」”爆速“で冷やしたい! 「最速でクルマを冷やす」方法は? 「夏の車内」は”1時間“でどれほど熱くなる? クルマ×猛暑の実験結果とは
車内温度を最速で涼しくする方法は!?
最近の気温は、2024年は6月下旬でも35℃を超える猛暑日を観測するなど、梅雨明け前にも関わらず厳しい暑さが続いています。特に、締め切った状態で駐車したクルマの室内は容易に熱中症となってしまうほどの暑さです。
では車内の温度を最速で涼しくしたい場合、どういった方法があるのでしょうか。
JAF(日本自動車連盟)は「夏の駐車時、車内温度を最も早く下げる方法」についての実験を行っています。
【画像】「えっ…!」 これが 「暑い車内をキンキンに冷ます方法」です(13枚)
実験では同じクルマを5台用意し、車内温度が55℃になったタイミングで5名のモニターがそれぞれ違う方法で温度低下に挑戦するというもの。
エアコンを用いた方法では、窓を開けずに「エアコン(外気導入)」「エアコン(内気循環)」を設定した場合と、「エアコン+走行」(いずれも最低温度)の3つの方法の検証を行いました。
結果、車内の温度を最も早く下げたのは「エアコン+走行」を用いた方法でした。
エアコン走行では、窓を全開にし、クルマのエアコン(オート)を外気導入、温度設定はLo(最低)にして走行。2分後に窓を閉め、エアコンを内気循環にして3分間走行し、温度変化を測定。その結果、55℃から5分後に28.0℃まで低下したといいます。
一方「エアコン(外気導入)」は10分後に29.5℃、「エアコン(内気循環)」は10分後に27.5℃の結果となり、内気循環のほうが車内温度が低くなりました。
さらに、エアコンの内外気切り替えを使い分け、まず窓を全開にしてエアコンの外気導入モードで車内の熱気を出してから、窓を閉めて内気循環モードにして車内の空気を循環させることで、最も効率的に車内を涼しくすることができるとしています。
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ちなみに実験では助手席だけ窓を開け、運転席のドアを開閉して車内の熱気を逃がす「ドア開閉」、座席シートに冷却スプレーを10秒ほどふきかけた「冷却スプレー」の2つの方法も実施。
結果は エアコンを使わない「ドア開閉」は47.5℃、「冷却スプレー」は3分後に50.1℃に低下。エアコンを使わない方法ではなかなか気温を効率的に下げるのは難しいことがうかがえます。
1時間で約70度に…電子デバイスはあっという間に使えなくなる
炎天下で駐車した車内のなかでも、特にダッシュボードの上は直射日光があたり極めて高温となりますが、実際どのくらいの温度になるのでしょうか。
2023年7月にくるまのニュース編集部員が検証を実施しました。
場所は埼玉県内某所の駐車場、当日の天気は快晴で、最高気温は37.8℃を観測。
テスト車両にはトヨタ「クラウン(15代目)」を用いて、温度計は、スマートフォンのアプリを通じて遠隔で温度が分かる市販の機器を使用しました。
実験ではダッシュボードの上に温度計を置き、クルマのエンジンを切って温度の様子を見ていきます。
開始時刻10時半の時点でダッシュボード周辺の温度は39.7℃でしたが、わずか開始5分には45.9℃に上昇。
開始10分後にはダッシュボード周辺の温度は52.1℃となり、ダッシュボードにおいていたタブレット端末はずっと触っていられないほど熱くなり、「高温注意」のエラーメッセージが表示されます。
その後、開始15分後のダッシュボード周辺の温度は55.9℃、30分後は61.3℃、1時間後には67.9℃という結果で、わずか1時間で20℃以上も上昇しました。
次に、気温が高くなる正午スタートで2度目の実験も行いました。このとき、ダッシュボード周辺の温度は40℃と、最初の実験開始時とほぼ同等まで下げましたが、開始5分後には51.3℃となり、1回目より素早い気温上昇です。
そして、開始10分後は55.7℃、15分後は58.7℃、30分後は65.9℃、45分後は67.5℃とみるみる高くなっていき、実験終了となる開始1時間後では72.5℃と、ダッシュボード表面に触れられないほどの温度となりました。
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この時行った実験は1時間程の計測でしたが、JAF(日本自動車連盟)が行った実験では、外気温35℃で正午から4時間放置した結果、車内の最高気温は57℃、ダッシュボードの最高温度は79℃にも上り、80℃近い温度になった事を報告しています。
80℃となると一般的な電子温度計では測定すらできず、触れるだけでやけどする可能性がある温度であり、かなり危険な状態です。
暑い日に駐車する場合、人はもちろんのこと、大事なものや危険なものを放置することも思わぬトラブルを招くことになりかねませんので、十分注意が必要です。