一ノ瀬颯

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人気作への出演が続きますます注目を集めている俳優・一ノ瀬颯が、2年ぶりにファンイベントを2024年8月24日(土)神田明神ホールにて開催。ずっと応援してくれていた人、最近知ってくれた人……自分を見てくれているすべての人に直接会える大切な時間に向け、一ノ瀬颯流の夏を着々と準備中!

一ノ瀬颯

ーー近年も人気作・話題作への出演が続いていますね。6月まで放映されていたドラマ『Believe-君にかける橋-』の南雲役では、またより広い世代に一ノ瀬さんの存在が認知されたのでは?

そうですね。すごく素敵な役をやらせてもらえて、今まで以上にいろんなところで声をかけていただいたりと、やっぱり見てくださってる人がすごく多いんだなぁと思いましたし、それだけ大きな作品に出していただけたんだなって、あらためて感じました。

ーー新作としては11月公開予定の映画『十一人の賊軍』の二枚目役が控えています。

役名のプレッシャーがすごいですけど(笑)、時代劇で、本当に現代ドラマとは随分違う現場だったなという印象ですね。ロケ地も通える距離とは言いつつかなりの山奥だったんですが、みんな毎回来るのが大変だろうと、主演の山田孝之さんが山の近くに撮影期間中一軒家を借りて準備してくださって、「みなさん自由にどうぞ」って。その行動力もすごいなぁと思いましたし、実際に何度か泊まらせてもらったんですけど、そこでいろんなお話を聞くことができました。ちょっとお酒を飲みながら、今の日本の俳優の働き方や在り方についてのお話もできて……。孝之さん自身の経験を踏まえて、後輩たちやこれからの人たちが働きやすいような環境を作っていきたくて、今、自分はいろいろ考えているということをお聞きして……それをしたからって孝之さんに何かいいことがあるわけでもないんですよ。でも純粋に、事務所とかも関係なく、広く同業者に対してそういうことをしたいというスケールの大きな考え方と優しさに触れて、同じ俳優として「見てる世界が違うな」「すごいかっこいいな」って思いました。

一ノ瀬颯

ーー『Believe-君にかける橋-』で共演されていた斎藤工さんも、映画の撮影現場で託児所を用意していたというエピソードを聞いたことがあります。今、プレイヤーの方たちの意識もすごく変化をしている。

そういう先輩方はやっぱり現場でもすごく気を遣える方々で、ホントに「どこまで見てるんだ」というくらい、あらゆる方面にめちゃめちゃ配慮してくださる。俳優としてもですけど、そうやって単純に人として素晴らしい人たちと関わらせていただく機会が最近多く、すごく勉強になっています。同世代だとやっぱり「いち早く売れたい」とか「とにかくいい役で出たい」とか、自分に矢印が向きがちというか、他人と比べてどうかっていうライバル意識みたいなところのほうが強くなりがちだったりして、もちろんそういう向上心も大事なんですけど……。僕自身、そういう先輩方にインスピレーションを受けた結果として、日本の映像業界の良さをもう一度見直してもらいたい、もっと多くの人に気付いてもらいたいなっていう気持ちが強くなったりもして……本当に学ばせてもらうことが多いです。

ーー実際、アジアの中でも日本のエンタメは少し押され気味になっているのでは……という風潮もあったり。

今、自分にできることは何だろう? って考えますよね。実際、友だちと話していると若者のテレビ離れっていうのも感じますし、だったら自分自身がもっとドラマを観てほしい、もっと日本のエンタメの良さを知ってもらいたいってことを、活動の幅を広げてアピールしていけたらという思いは強くなっています。そのひとつ……と言えるかどうかわからないですけど、先日『よるのブランチ』という番組で97年生まれの同い年のアーティスト3人とご一緒して仲良くなって、その後、彼ら3人のそれぞれの曲をみんなでちょっと踊ってTikTokに上げたんです。その反響がかなり大きくて、向こうのファンの方が僕のことを知ってドラマを観てくれたり、レギュラーで出ている『王様のブランチ』を観てくれたりということがありました。ジャンル違いの交流ができてすごく嬉しかったし、それで作品を観て「面白いじゃん」って思ってもらえたらもっと嬉しいし、そこから僕が出ていない作品にも興味を持ってもらって「日本のドラマとか映画って面白いよね」と再認識してもらえたらすごく嬉しい。そんなふうに少しずつですけど映像離れしている層も巻き込んで、日本の映像作品の良さをもっとアピールしていきたいですね。素晴らしい先輩方との交流の中、自分自身のことだけではなく「この業界全体を盛り上げていきたい」っていう視野が自ずと芽生えたかなという気はします。

一ノ瀬颯

ーー頼もしいですね。その感覚は新たなパワーになり、もっといい芝居をしようとか、もっと深く伝えられるようにっていう、ご自身の表現そのものにも反映されていくのだと思います。

この先解禁になる予定のお仕事もまた新たな面をお見せできる作品になると思うので、ぜひ楽しみにしていてほしいです。自分自身、これからはもっと大きな視点で物事を捉えたり作品自体を俯瞰することもできるようになっていかないといけないと思うので、今まで以上に多面的にアプローチできたら、結果として、自分自身に返ってくるものも大きいのかなって……今の時点では相当大それたことを言ってるのはわかってるんですけどね(照)。ただありがたいことに僕が親しくなる人はみんなすごいお芝居好きで仕事に対する熱がある人が多くて、こういう話をしても「確かにそうだよね」と言ってくれたり、逆に自分が持ってなかった方向での熱い話なども聞けたりするので、これからも一緒に頑張ろうって思えるんです。

ーーそしてその「頑張ろう」をさらに後押ししてくれるのがファンのみなさんの存在。2年ぶりとなるイベント、楽しみですね。

イベントについてはいつも「ファンの皆さんと一緒に楽しみたい」「自分自身も楽しく過ごしたい」が一番。応援してくださる方々と一緒に時間を過ごせるっていうのはすごくリラックスできる場でもあるので。普段は自分の発言ひとつとってもちょっと気を遣いすぎるかな、というところもあるくらいなんですけど、イベントに来てくださる方はみんな仲間、家族みたいな感じなので自然とフランクになれるんですよ。特に今回は初めて夏にイベントをやらせてもらうので、ちょっと夏らしさのある企画っぽいものだったりとか……まだ確定はしてないんですけど、夏らしいことをテーマにしたくて。ロケーションとか、当日流す映像なんかもそういうイメージで撮れたらいいなとも思いますし、夏っぽいグッズも出しちゃうかも。いろいろと夏のお供になるようなものとかも作れたらいいなと思ってます。

一ノ瀬颯

ーー結構アイデアマンなんですか?

そうかもしれないです。スタッフさんたちが僕のやりたいことを実現してくれようって働きかけてくださるので、そういうところにありがたさを感じながら、できる限り自分のイメージするデザインだったり、何があったらいいかなとか、来てくださるみなさんの顔を思い浮かべながら考えるのは楽しいです。元々学生の頃も文化祭とかがすごく好きで。みんなで何かを作るとか、一緒にお祭りをやるとかって、社会人になるとなかなか機会がないので、こういうイベントは青春って感じで熱中しちゃいます(笑)。

ーー例えば、具体的な内容でいうと……。

歌って踊ることも好きだし、それはファンイベントだからこそやらせてもらえるところでもあるので、おそらくやります。あとは……「手を尽くして楽しませます」って感じで(笑)。振り返ると自分は最初のファンイベントでは皆さんにマスクをつけていただいて、アクリル板越しにお話しするっていうところから始まってたんですよね。それがだんだんマスクも取れるようになってきて、一番最近だとカレンダーイベントでお会いした時には何もなしでお話しできるようになってきた。さらに今回は今までの中では一番近い距離で接することができるイベントになっているので、より一層僕を近くに感じていただける、そういうイベントになるのかなって思います。

ーーツーショット撮影もありますし。

僕もドキドキしますよ~。「近くで会ったら思ってたのと違う」みたいになったら最悪(笑)。「遠くから見てたほうがよかった」って思われないように頑張ります。でも「実際に会ったほうがいい」って言ってくれる人もいらっしゃるので、みなさんそうだといいな。

一ノ瀬颯

ーーこうしてお話ししていても演じている時やバラエティーの時とはまた違う、リラックスした空気を感じます。みなさんにもぜひこの一ノ瀬さんを感じてほしいです。

自然体な僕をお届けします! そういえば僕のファンの方々ってすごい優しい方が多くて、年々ファンの方々同士の交流も深まっているみたいなんですよ。「一緒にご飯に行ってきました」ってSNS上で会話してたりするのを見るのもすごく嬉しいです。イベントって、初めてでしかも一人で参加だとなかなか不安なこともあるかもしれないですけど、みなさん優しいですし、現場で仲良くなる可能性も大いにあると思うので、僕を共通項にしてそういった輪が広がっていったら素敵ですよね。もちろん、一人で思い切り楽しんでもらっても全然大丈夫です。ずっと応援してくださっている方も、最近僕を知ってくださった方も、ぜひ参加していただきたいです!

ーーとりあえずドレスコードは「夏」ですか? 浴衣とか……。

あー、そういうのもいいですね。なんかもう、思いっきり楽しみに来てほしい! この日のために朝から髪をセットしたり、ネイルしたり、服も買ったりと色々準備して来てくださる方がいらっしゃるのも、すごく嬉しいですし、僕自身もみなさんがどんな感じで来てもらえるのかなっていつも楽しみなんです。あ、でも肩肘張らずにいつもの感じできてくださってもいいんです。リラックスして一緒に思いっきり楽しむ心の準備だけして来てもらえればOKです。もちろん僕はめちゃめちゃ楽しみにしていますからね。特に直近のドラマだと笑ってることがほぼなかった役だったので……(笑)。イベントでは笑顔全開です。ぜひ僕のいつもの笑顔を見に来てください!

一ノ瀬颯

取材・文=横澤由香   撮影=池上夢貢