(12日)
 東京市場は、円相場が不安定な動きを示している。ドル円は前日の海外市場で米消費者物価指数発表後に急落した。161円台半ばから157.50割れまで下げた後、東京朝には159円台を回復。しかし159円台半ば手前で157.70台までの急落。いったん戻すも、再び157円台へ急落と、介入と思わしき大きなドル売り円買いが入る展開となった。2度目の下げから戻して159.40近くを付けたところで158.70台までの急落と不安定な動きを見せつつも、売り一巡後は買い戻しが入る展開。ただ159円台半ばを付けきれず、午後はじりじりと売りが出て158.80台に再び軟化。ユーロ円は朝の171円台後半から173.10台まで上昇と、海外市場での急落前の173.30台に近づく動きも、172.50台を付けては戻すという動きを経て、午後はじりじりと円買いが入り172.70台に軟化。ユーロドルは1.0870ドル前後での推移。円主導の展開となっている。

 ロンドン市場は、ドル円相場が落ち着いた展開となっている。東京朝方に159円台から157円台で激しく振幅したあとは、159円台を回復。ロンドン時間に入ると159円台前半での揉み合いが続いている。昨日の海外市場では約4円幅で急速に円高が進行した。きょうの日銀当座預金見通しによる市場推計では約3.5兆円規模の円買い介入の可能性が指摘されている。また、神田財務官はインタビューで円安による国民生活の負担増に懸念し、投機は容認できずとした。ただ、いずれもにドル円相場は反応薄だった。米PPI待ちとなっている。一方、その他主要通貨ではドル安の動き。ポンドドルが1.29付近から1.29台後半へと上昇し、ユーロドルも1.08台後半から1.09手前へと買われている。ただ、米10年債利回りは一時4.23%付近と低下は一服。前日の米CPIが予想を下振れした影響とともに、きょうの米PPIを控えた様子見ムードも交錯している。

 NY市場でドル円は下向きの流れを継続し、157円台に下落。何度か買い戻しが入ったものの、まとまった売りに上値を抑えられた。この日は米生産者物価指数(PPI)が発表になり予想を上回る内容となった。為替市場も一旦ドル買い戻しの反応が見られたものの、上値を抑えられ、今度は逆に売りを強める展開が見られた。前日に日本の財務省が、予想を下回る米消費者物価指数(CPI)に便乗して為替介入を実施していたようだが、ドル円の下げ方を見ると、本日も実施していた可能性もありそうだ。