(9日)
 東京市場は、円安の動き。株高が背景。日経平均は前場にザラバの最高値を更新、午後に入っても上昇が止まらず前日終値比900円を超える上昇となった。前日の米株高を受けて、米株先物もプラス圏推移、アジア株も総じて高い。ドル円は朝の160.80付近から昼前には161.13近辺まで上昇。午後も161円前後で推移した。ユーロ円も昼過ぎに174.45近辺まで上昇。前日海外市場での高値174.60近辺を控えて高止まり。ユーロドルは1.08台前半での推移。23時のパウエル米FRB議長による上院議会証言待ちに。

 ロンドン市場は、方向性に欠ける取引。このあとのNY時間にパウエルFRB議長の半期議会証言を控えており、模様眺め。ドル円は160円台後半から161円台前半での上下動。ユーロドルは1.08台前半で、ポンドドルは1.28台前半から1.28台割れ水準で売買が交錯。いずれも前日NYクローズ水準を挟んだ取引に終始している。ロンドン序盤はやや円高の動きにユーロ円は174円割れ目前まで軟化、ポンド円も205円台後半に安値を広げたが、その後は174円台前半、206円台前半に買い戻されている。欧州株は軟調に推移も、米株先物・時間外取引はプラス圏での推移。米10年債利回りは4.27%台から4.29%台へと小幅に上昇している。全般に小動きだ。

 NY市場では、ドル買いが優勢。パウエルFRB議長の議会証言が行われたが 議長は「もっと良いデータがあればインフレへの信頼高まる」と述べ、更にデータを確認したい姿勢を強調。「緩和が早過ぎたり、多過ぎたりすると、インフレの進展に悪影響を及ぼす可能性がある」とも述べていた。ハト派に傾斜した印象なくドル買いにつながった。ドル円は一時161円台半ばまで上昇。ユーロドルはやや売り優勢の展開となったが1.08ドル台は維持した。フランスの選挙が終了し、右派政権の誕生が回避されたことから、市場には安心感が広がっている。しかし、フランスの政治的な不透明感がユーロの上値を抑える可能性があるとの指摘も。ポンドドルは1.27台に下落。先週に繁盛したスターマー政権について、市場からは英財政リスクがポンド安につながるとの見方があった。

(10日)
 東京市場で、ドル円は161円台で底堅く推移。朝方の161.20台から昼前には161.59近辺まで上昇。その後も高値圏で揉み合い、押し目は161.40台までにとどまっている。ユーロ円は174.77近辺に高値を伸ばしたが、175円付近の売りに上昇を阻まれた。ユーロドルは1.08台前半と、前日並み水準で揉み合った。この日も日経平均は最高値を更新、株高を受けた円売りの動きとなった。昨日のパウエル米FRB議長の上院銀行委員会での発言を受けたドル高の影響も残った。NZドルが軟調。NZ中銀は政策金利を予想通り据え置いた。声明や議事要旨では今年後半に物価がターゲット範囲(1~3%)に戻るとの見通しを示し、物価圧力の動向によって緩和の程度が後退と、利下げの可能性を示唆したことがNZドル売りにつながった。対ドルは0.61台割れ、対円は99円付近から98.10台まで下落。

 ロンドン市場は、円売りが優勢。欧州株や米株先物・時間外取引などが堅調に推移、特に仏CAC指数は全面高商状となっている。欧州債の下落も一服しており、フランスをめぐる政治相場は一巡した感もある。また、あすには米消費者物価指数が発表されるが、市場予想は前年比+3.1%と前回の+3.3%からの伸び鈍化が見込まれており、インフレ状況の進展が利下げ期待につながる面も指摘される。ドル円はロンドン序盤に161.61近辺まで高値を伸ばし、その後も高止まりしている。クロス円も総じて堅調。ユーロ円は174.90付近まで買われ、175円の大台に迫っている。ポンド円は206円台半ばでの揉み合いを経て、206.99近辺と207円付近に高値を更新。米債利回りは低下しており、ポンドドルは素直に買われ1.28台に乗せている。一方、ユーロドルは1.08台前半の狭いレンジで揉み合っている。全般的にはこの時間帯の材料は少なく、明日の米消費者物価指数発表待ちのムードが広がっている。