なぜ「洗車機NG?」 ミニバンは? 輸入車は? 「損害賠償請求されるケースも」 洗えない“クルマの条件”は? 洗車機メーカーに聞いてみた!
特殊なかたちのクルマは洗車機NG?
ガソリンスタンドなどには誰もが使える洗車機が設置されています。
しかし、クルマによっては利用を断られることもあるので注意が必要です。
【画像】「えっ…!」 これが「洗車出来ない車」です(29枚)(29枚)
まず、当然ながら、洗車機に入りきらないサイズのクルマは利用できません。
たとえばトヨタ「ハイエース」のロングボディタイプや、トヨタ「センチュリー」、メルセデス・ベンツ「Sクラス」などは洗車機に収まりきりません。また、アタッチメントなどでノーマル車より大きい場合もサイズオーバーになる可能性があります。
また、洗車機を正常に作動させてクルマを守るために、クルマのかたちに制限が設けられています。
洗車機はセンサーによって車両の形状を認識し、ブラシ圧力をコントロールしながら洗浄します。そのため、形状を正しく検知できないと不要にブラシ圧が高まったり、反対に弱すぎたりして満足に洗浄できなくなります。
さらに、そうした場合、クルマの装備品を破損させる危険もあります。
こうしたことから、センサーが誤動作を起こすような形状のクルマも対象外です。
具体的な条件は、洗車機の注意看板などで確認できます。
例えば、洗車機メーカー、エムケー精工のドライブスルー洗車機では、利用できないクルマとして次のように記載されています。
車両サイズは、全長5.2m、ドアミラーも含めた全幅2.3m、全高2.31mを超えると利用できません。なお、これらのサイズには装備品も含まれます。
合わせて、オーバーフェンダーがボディから10cm以上張り出していたり、バンパーもしくはボディの地上高が50cm以上だったりしてもサイズオーバーです。
また、リア装備品やエアロパーツ、バイザー類が一般的な形状よりはみ出している場合は利用できません。ドアミラーについても、取り付け位置が低かったり、横に飛び出したりしている場合は同様です。
加えて、ルーフからはみ出したキャリアや、人気のルーフボックスも利用NGです。
そのほか、グラスルーフ車やカーボンルーフ車、レザールーフ車、オープンカーも明記されています。
アクセサリーやステッカー、図柄入りナンバープレートについては、洗車機の利用によって破損する恐れがあるとされています。
こうした形状面での条件のほか、クルマの機能から洗車が難しくなるケースもあります。
電動スライドドアの場合、ドアセンサーが洗車ブラシに反応して、洗車中に車内が水浸しになるトラブルなどが発生しているようです。
そのため、多くの自動車メーカーやガソリンスタンドでは、洗車機の利用前に機能をオフに設定するよう呼びかけています。
他にも洗車機NGのクルマあった? 損害賠償を請求されるケースも
このように、特殊な形状のクルマは洗車機には適していないようです。
そのため、とくに輸入車の中にはボディ形状が特殊なこともあり、洗車機では洗えないケースが多いといわれています。
たとえば、ロータスやフェラーリ、ロールス・ロイス、ベントレー、ランボルギーニ、アストンマーチン、ポルシェなどの名が挙げられています。
しかし、実際には、こうした対応はガソリンスタンドなど洗車機の運営者により異なるようです。
先出のエムケー精工では、メーカーとして輸入車を「洗えないクルマ」とはしていないといいます。
同社担当者は、輸入車について次のように話します。
「洗車機の洗車で車にキズをつけることは無いと判断しておりますが、輸入車においては特殊な形状のクルマがあることや、万が一の際の対応に苦心するケースがあります。
そのため、弊社では輸入車を『洗車できない車』に入れるか入れないかはお客様(洗車機の運営者様)の判断に委ねております」
それでは、輸入車に限らず、対象外のクルマを洗車機で洗うと、どうなるのでしょうか。
その際のリスクについて、前出の担当者は次のように話します。
「注意看板の指示に従わないで洗車した場合に車が破損するまたは洗車機側が破損してしまうと、損害賠償が発生します」
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エムケー精工のドライブスルー洗車機では、禁止事項として、洗車できるかどうかわからない場合は洗車機を使用しないこと、と注意看板に記載しています。
洗車機を利用する際に不安が残る場合は、ガソリンスタンド従業員に相談するとよいでしょう。