缶詰博士の珍缶・美味缶・納得缶 第315回 胸がきゅんとなる甘酸っぱさ! 全日空が開発したイチジク缶で過去へ旅立った件
缶詰博士の黒川氏によると、缶詰の中には「食べることで旅気分が味わえる」ものがあるとか。それは例えば、外国の缶詰を食べれば、その国に行ったような気持ちになれるということですか?
「それだけじゃない! 旅というのは時間を飛び越える旅だってあるんです!」
えー、何だか面倒くさいです博士。分かりやすく説明してください。
→これまでのお話はこちら
ANAフーズ/THE CAN for WINE 香川県産いちじく 4缶4,968円(ANA公式ECサイト価格)
開発したのは全日空
子どもの頃は嫌いだったのに、いつの間にか好きになっていた食べ物ってありますね。僕にとってイチジクがそう。庭に植わっていたイチジクは甘みが少なく、口に含むとざらざらした皮の感触が気持ち悪かった。
そこで祖母が皮をむいて、砂糖煮にしてくれたのだが、それはそれで甘すぎて気持ち悪かった。そんなイチジクが今では大好きなのだから、とても不思議。
で、今回紹介するのはイチジクのシラップ漬けの缶詰であります。開発したのは何と全日空(ANA)で、「旅する食卓」というブランドで売り出されている。
THE CAN for WINE 香川県産いちじくの外箱と缶
エチケット風のデザイン
品名に「THE CAN for WINE」とあるから、ワインのお供にぴったりということか。子どもの頃はイチジクにワインなんて想像もしなかったけど、今なら素直に「いいかも!」と思える。
パッケージは高級缶(感)があり、外箱の中の缶にも美しいラベルが巻いてある。それがワインのエチケット(ラベル)に思えて、ちょいといい缶じ。
皮がむかれた実
胸の奥がきゅっとなる匂い
開缶して思わず声が出た。イチジクが大きく、かつ姿が美しい。皮はきれいにむかれていて、潰れたり割れたりしている実もない。きっとていねいに扱われているのだろうなァ。
どんな匂いがするのか鼻を寄せると……。胸の奥がきゅっとなった。かつて祖母が作ってくれた庭のイチジクの砂糖煮、あの匂いと同じなのだ。
何度もスンスンしてしまう。嫌いだったはずなのに、とても惹かれる。なぜー?!
チーズと合わせてワインのお供に
ツブツブの食感もよし
かくのごとし。半分に切った実にゴーダチーズを合わせたら、いかにも白ワインに合いそうなアテになった。ゴーダチーズには缶のシラップをかけて、味の統一を目指しております。
ひと口いただくと、またまた胸の奥に来るものがある。シラップの甘さはしっかりあるが(糖度の高いヘビーシラップを使用)、イチジクの酸味がシラップと拮抗して、トータルではすっきりした甘酸っぱさになっている。
内部のツブツブの食感もよく、最後に鼻から抜ける香りがまことに爽やか。
で、食べている間ずっと、幼時に過ごしたアパートの庭の風景が思い浮かんだのだった。この缶詰は、僕にとって過去への旅でありました。
缶詰情報
ANAフーズ/THE CAN for WINE 香川県産いちじく 4缶4,968円(ANA公式ECサイト価格) 同ECサイトなどで購入可
缶詰博士 かんづめはかせ 昭和41年福島県生まれ。公益社団法人・日本缶詰協会認定の「缶詰博士」。世界50カ国以上・数千缶を食している世界一の缶詰通。ひとりでも多くの人に缶詰の魅力を伝えたいと精力的に取材・執筆を行っている。テレビやラジオなどメディア出演多数。著書に「旬缶クッキング」(ビーナイス/春風亭昇太氏共著)、「缶詰博士が選ぶ!『レジェンド缶詰』究極の逸品36」(講談社+α新書)、「安い!早い!だけどとてつもなく旨い!缶たん料理100」(講談社)など多数。初のエッセイ本「缶詰だよ人生は」(本の泉社刊)も絶賛発売中!公式ブログ「缶詰blog」とFacebookファンページも公開中。 この著者の記事一覧はこちら
「それだけじゃない! 旅というのは時間を飛び越える旅だってあるんです!」
えー、何だか面倒くさいです博士。分かりやすく説明してください。
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ANAフーズ/THE CAN for WINE 香川県産いちじく 4缶4,968円(ANA公式ECサイト価格)
子どもの頃は嫌いだったのに、いつの間にか好きになっていた食べ物ってありますね。僕にとってイチジクがそう。庭に植わっていたイチジクは甘みが少なく、口に含むとざらざらした皮の感触が気持ち悪かった。
そこで祖母が皮をむいて、砂糖煮にしてくれたのだが、それはそれで甘すぎて気持ち悪かった。そんなイチジクが今では大好きなのだから、とても不思議。
で、今回紹介するのはイチジクのシラップ漬けの缶詰であります。開発したのは何と全日空(ANA)で、「旅する食卓」というブランドで売り出されている。
THE CAN for WINE 香川県産いちじくの外箱と缶
エチケット風のデザイン
品名に「THE CAN for WINE」とあるから、ワインのお供にぴったりということか。子どもの頃はイチジクにワインなんて想像もしなかったけど、今なら素直に「いいかも!」と思える。
パッケージは高級缶(感)があり、外箱の中の缶にも美しいラベルが巻いてある。それがワインのエチケット(ラベル)に思えて、ちょいといい缶じ。
皮がむかれた実
胸の奥がきゅっとなる匂い
開缶して思わず声が出た。イチジクが大きく、かつ姿が美しい。皮はきれいにむかれていて、潰れたり割れたりしている実もない。きっとていねいに扱われているのだろうなァ。
どんな匂いがするのか鼻を寄せると……。胸の奥がきゅっとなった。かつて祖母が作ってくれた庭のイチジクの砂糖煮、あの匂いと同じなのだ。
何度もスンスンしてしまう。嫌いだったはずなのに、とても惹かれる。なぜー?!
チーズと合わせてワインのお供に
ツブツブの食感もよし
かくのごとし。半分に切った実にゴーダチーズを合わせたら、いかにも白ワインに合いそうなアテになった。ゴーダチーズには缶のシラップをかけて、味の統一を目指しております。
ひと口いただくと、またまた胸の奥に来るものがある。シラップの甘さはしっかりあるが(糖度の高いヘビーシラップを使用)、イチジクの酸味がシラップと拮抗して、トータルではすっきりした甘酸っぱさになっている。
内部のツブツブの食感もよく、最後に鼻から抜ける香りがまことに爽やか。
で、食べている間ずっと、幼時に過ごしたアパートの庭の風景が思い浮かんだのだった。この缶詰は、僕にとって過去への旅でありました。
缶詰情報
ANAフーズ/THE CAN for WINE 香川県産いちじく 4缶4,968円(ANA公式ECサイト価格) 同ECサイトなどで購入可
缶詰博士 かんづめはかせ 昭和41年福島県生まれ。公益社団法人・日本缶詰協会認定の「缶詰博士」。世界50カ国以上・数千缶を食している世界一の缶詰通。ひとりでも多くの人に缶詰の魅力を伝えたいと精力的に取材・執筆を行っている。テレビやラジオなどメディア出演多数。著書に「旬缶クッキング」(ビーナイス/春風亭昇太氏共著)、「缶詰博士が選ぶ!『レジェンド缶詰』究極の逸品36」(講談社+α新書)、「安い!早い!だけどとてつもなく旨い!缶たん料理100」(講談社)など多数。初のエッセイ本「缶詰だよ人生は」(本の泉社刊)も絶賛発売中!公式ブログ「缶詰blog」とFacebookファンページも公開中。 この著者の記事一覧はこちら