苦情の内容を明かした知多バスのX(すでに削除)

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名鉄グループのバス会社・知多バス(愛知県半田市)が2024年5月29日、バスの利用客によるクレーム電話の実態をXで明かし、反響が広がっている。

「バスが5分経っても来ないけどどうなってるの」

「パワハラ」や「セクハラ」、「モラハラ」など、言葉や暴力、圧力などによって相手を不快にさせたり、不利益を与えたりするハラスメント行為は大きな問題になっている。

昨今問題視されるもののひとつに、顧客が企業に対し、過剰な要求をしたり理不尽なクレームをつけたりして不当な要求を通そうとする「カスタマーハラスメント」がある。

知多バスは29日、一部の乗客による行為について、実際のやりとりを明かした。

ある雨の日、乗客から知多バスに「バスが5分経っても来ないけどどうなってるの」と怒りの電話がかかってきたという。

スタッフがこれに「お待たせして申し訳ありません。現在、雨が降っており渋滞が発生して遅れております。もう少しお待ちいただけますか」とすると、乗客は「え ちょっと、電車に乗り遅れたらどうするの!! せめて遅れるのは2,3分にしてちょうだい」と激怒。スタッフの返答を待たず電話を乱暴に切った。

Xの書き込みではは、乗客による心無い行動に呆れるような絵文字を添えている。

知多バスに限らず、路線バスでは天候の影響や道路の渋滞などが原因で遅れることは珍しくない。投稿を見たらからは、「・余裕を持って出かける ・急ぎで無ければ出かけない この選択肢がないのがおかしい... 苦情を言う人は自分で苦情の原因を作っていますね」「昔より『寛容』や『思いやり』といった、『心の余裕』の無い人が多くなった気がします」など、共感の声が寄せられた。

30日朝には「良くも悪くも、皆様へお騒がせしましたので投稿を削除しました」

多くのコメントが寄せられたことについて、知多バスは「今朝の投稿に多くの皆様より叱咤激励をいただきました。ありがとうございます」と感謝をつづった。

「これほどの反響をいただくとは夢にも思っていませんでした。公式からこういった発信はどうかと思いましたが、リアルをお伝えし、バスは遅れるものと認識いただければ幸いに思います」

続く投稿では「乗務員は『安全第一』で運行をしております」とした上で、バスの運行上、遅れが発生することはやむを得ないとした。

「『早発』は法律で禁止されています。定時運行は心がけてはおりますが、天候、道路状況などで遅れますことは、ご理解いただければと思います。私どものような地方のバス会社でもこのような事が多くございます。全国のバス会社様も同様かと思います」と全国のバス利用者に呼びかけている。

なお、知多バスは30日朝、「今回、公式として良くも悪くも、皆様へお騒がせしましたので投稿を削除しました。申し訳ありません」として一連の投稿を削除している。