イーロン・マスク氏が設立したAI企業「xAI」が、60億ドル(約9400億円)の資金調達に成功したことを発表しました。同時に、xAIは汎用人工知能(AGI)の開発に向けて人材を募っています。

Series B funding round

https://x.ai/blog/series-b

Musk Plans xAI Supercomputer, Dubbed ‘Gigafactory of Compute’ - The Information

https://www.theinformation.com/articles/musk-plans-xai-supercomputer-dubbed-gigafactory-of-compute

xAIは生成AI「Grok」を開発しており、X(旧Twitter)ではGrokを用いたAIチャット機能が利用可能となっています。また、xAIは2024年3月にGrokをオープンソース化したほか、2024年4月には「GPT-4V」や「Gemini Pro 1.5」に匹敵する性能を備えたマルチモーダルAI「Grok-1.5」を発表するなど、AIの研究開発を急速に進めています。

イーロン・マスクのAI企業が画像を理解可能なマルチモーダルAI「Grok-1.5」を発表、「GPT-4V」や「Gemini Pro 1.5」に匹敵する性能 - GIGAZINE



xAIは新たに、60億ドル(約9400億円)の資金調達に成功したことを発表しました。xAIは主要な投資家として「Valor Equity Partners」「Vy Capital」「Andreessen Horowitz」「Sequoia Capital」「Fidelity Management & Research Company」「Prince Alwaleed Bin Talal and Kingdom Holding」を挙げています。

xAIは資金調達の発表に際して「複数の技術アップデートと製品をまもなく発表予定」と述べています。また、海外メディアのThe Informationによると、マスク氏は投資家に対して「2025年までにNVIDIAのAIプロセッサ『H100』を10万台配備する予定」と語っていたとのこと。

なお、xAIに所属するAI研究者のIgor Babuschkin氏は「AGIを構築して宇宙の真理を知りたいならxAIで働こう」と述べ、xAIの目的がAGIの構築であることを強調しています。





また、マスク氏もBabuschkin氏のポストを引用しつつ「『政治的な正しさに屈せず真実を最大限に追求して宇宙の真理を理解する』という私たちの理念を信じるならば、xAIで働こう」と述べています。





一方で、畳み込みニューラルネットワークの発明者として知られるAI研究者のヤン・ルカン氏は、xAIで働くには「自分が取り組んでいる問題について『来年には解決可能』と言いふらす」「自分が取り組んでいることについて『多くの人を殺すことにつながるため中止または一時停止せよ』と言ってくる」「『真実を最大限に追求』と言いながら自身のソーシャルプラットフォームで陰謀論をまき散らす」といった特徴をもった上司、つまりマスク氏に耐えられる素質が必要だと指摘し、マスク氏の姿勢を非難しています。