グリップの中に何入れる?ミグラトレイルのペグハンマーとクサビでキャンプの“もしも”に備えよう

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「ペグハンマーの多機能化なんて、ペグ抜きが付くくらいでしょ」なんて侮ってはいけません。

この春、ミグラトレイルが発表した「バリアント」シリーズの「バリアントクサビ」(5500円)、「バリアントハンマー」(6600円)はグリップ内が空洞になっていて、いざというときに役立つ小物が仕込まれている。困ったときにホントに役立つマルチツール的なギアに仕上がっています。

▲左「バリアントクサビ」、右「バリアントハンマー」。立てておけるので設営中でもサッと手に取れる

ミグラトレイルは長年、オートバイのパーツ開発を行っているダートフリークのアウトドアブランド。そのためでしょうか。ハンマーの全長は約190mmと短めで収納しやすいサイズになっています。

アルミ合金の持ち手にはシリコングリップを装着。ストラップがなくてもすっぽ抜けしづらいし、どこかタイヤを思わせるゴツゴツしたパターンは手への衝撃をうまく吸収してくれます。

ちなみに、グリップエンドにはロープを通す穴が付いているので、不安な人はロープを通してストラップを自作してもいいんです。

■短いけれど打ち込みやすいハンマー

ショートな見た目でも重量は630g。見た目にそぐわないズッシリ感に「お!」と声を上げてしまいます。逆にこの重みがキャンパー心に響きます。

重量の正体はクロームモリブデン鋼に電着塗装ブラックを採用しているボディ部分。軽いグリップと重いボディが絶妙なバランスを実現し、ほどよい重みでペグを打ち込めます。ちなみに使っているうちに少しずつヤレるであろう塗装面にワクワクを禁じえません!

▲打撃面はステンレス。反対側にはペグ抜きを装備

直径はφ30mm。他社ペグハンマーとほぼ同じ面積でペグを打ち損じにくくなっています。うれしいことに打撃面は交換可能で、付属の六角レンチを使って自分で取り替えられます。このあたりの「なんでも自分でやってみよう」という姿勢がダートフリークっぽいですね。

■グリップ付きの薪割りクサビ

一方、「バリアントクサビ」は薪割り用クサビにグリップを取り付けた、目から鱗のギア。通常、薪割り用クサビにはグリップがなく、クサビが入るまで手で支える必要があります。この「バリアントクサビ」はグリップでしっかり支えられるので、安心感が違います。グリップを含めた全長は148mm。クサビ自体の長さは一般的な薪割り用クサビとほぼ同じ長さです。

▲ヘッドの幅31mm、長さ62mmで、一般的な薪割り用クサビとほぼ同じサイズ

ステンレス製ヘッドは薪に食い込みやすいよう角度がついており、叩いた衝撃でヘッドが取れないように、ヘッドの中心を通すようにしてグリップと接続されています。

■グリップに「アレ」が内蔵されてます

「バリアントハンマー」のグリップには設営時にペグが曲がった・足りないときのためにストレートタイプのペグが4本、「バリアントクサビ」にはファイヤースターターとストライカーがセットされています。グリップはグリップであり、中に何かが入っているなんて想像していませんから、これはうれしい驚き。

ちゃんと計算されているので、ペグやファイヤースターターががちゃがちゃしてうるさいなんてことはないし、使用時のバランスもいい感じです。とはいえ、空洞があればなんとかカスタムしたくなるのも世の常。

ペグは予備もいっぱい持っていくという人にとって、「バリアントハンマー」のペグは不要です。ペグの代わりに、リペアシートや針金あたりを入れて備えていくというのもよさそう。あえて設営にまつわる道具ではなく、火ふき棒やマッチを入れてもいいかも。

ちなみに「バリアントクサビ」のほうはキャップにファイヤースターターがくっついているので内容を差し替えるのは無理ですが、ファイヤースターターの周囲に空きスペースがあるので、ここに細く裂いた樹皮を仕込むことができました。

キャンプに欠かせないハンマーやクサビをマルチツールに変える「バリアント」シリーズ。細長くて軽く、困ったときに役立つモノを探すのがちょっと楽しくなりますよ!

>> ミグラトレイル「バリアントハンマー」

<取材・文/大森弘恵 写真/逢坂聡 撮影協力/ミグラトレイル>

大森弘恵|フリーランスのライター、編集者。記事のテーマはアウトドア、旅行、ときどき料理。X

 

 

 

 

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