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 ゴールデンウィークといえば、山に海に、行楽地へ、はたまた里帰りなど、お出かけに車移動を予定している人も多いと思います。ドライブは楽しいものですが、やはり渋滞に陥ると、なかなか進まずイライラしますよね。

 そんなときは、急がば回れ。開き直って寄り道をするというのも手です。そこで今回は、関東圏の幹線道路沿いに点在する、人気のロードサイドラーメン店を4軒ご紹介します。

・ラーメン山岡家
・おおぎやラーメン
・ラーメンショップ牛久結束店
・くるまやラーメン

 ぜひ立ち寄って、絶品ラーメンを体験してみてください。

ガツンとクセになる『ラーメン山岡家』の「特製ネギ味噌ラーメン」

『ラーメン山岡家 瑞穂店』

『ラーメン山岡家』は、北海道から九州まで、全国に168店舗を展開するビッグチェーン店。にもかかわらず、セントラルキッチンはどこにもなく、各店がスープからチャーシューに至るまで、すべて店内で手作りしているのがこだわり。

ラーメンは「醤油・味噌・塩」、「特製味噌」、「辛味噌」、「プレミアム」、「つけ麺」など

 ラーメンの種類はたくさんありますが、ベースとなるのは、店舗ごとに3日間炊き続ける豚骨100%の自家製スープ。そして麺は特製の極太ストレート麺、そして秘伝のタレ、オリジナルの豚脂で構成されています。

麺の硬さ、脂の量、味の濃さが好みで選べる

 特にオススメは「特製味噌ネギラーメン」。スープの液面には豚脂の膜が張り、キラキラ輝いています。具材は大判の海苔が3枚、角切りの「コロチャーシュー」、ホウレン草、そして千切りの白ネギがたっぷり。

 スープにさまざまな食材の旨味が溶け出し、ガツンと重厚感のある旨みと、後味にじんわりと甘味が広がります。なんとも深い味わい。

『ラーメン山岡家』の「特製味噌ネギラーメン」。こってりしているのにキレがあってくどくない

“山岡家の脂はこってりしているのにキレがある”と店内の壁にも書いてありますが、まさにその通り。こってりしているのにクドさはないので、レンゲが止まりません。

 ストレートの太麺は、ワシワシとしていて噛めば噛むほど麺自体の旨味が感じられ、スープの中でクタクタになった長ネギとのコントラストが最高。もはや時間よ止まれ! と思いたくなるほどの美味しさです。

●SHOP INFO

店名:ラーメン山岡家 瑞穂店

住:東京都西多摩郡瑞穂町武蔵205-1

>>『ラーメン山岡家』のもっと詳しい記事はこちら
https://www.syokuraku-web.com/bar-restaurant/93768/

やさしい味が染みる『おおぎやラーメン』の「ネギ味噌チャーシューメン」

『おおぎや』の「ネギ噌チャーシュー麺」

 続いてご紹介するのは、群馬県を中心に、埼玉、栃木、長野、新潟にかけて計54件を展開している『おおぎやラーメン』。人気No.1メニューは、1972年の創業以来、一貫して味噌ラーメンです。とくに辛味ネギをたっぷりのせた「ネギみそラーメン」が大人気なんだとか。

「ネギみそチャーシューメン」は、チャーシュー4枚が重なるように横たわり、その横に辛味ネギ、コーン、そして下には大量のもやしが控えています。かなりのボリューム。

滋味深くまろやかな味わいのスープ

 豚ガラと鶏ガラでとったダシに、特製の味噌を合わせたスープは、脂がほとんど浮いていません。ニンニクのガツンとしたインパクトも強くなく、実に穏やかでまろやかな味わいです。スープに辛味ネギを沈めるとツンとしたシャープさが加わりますが、それでもベースがまろやかなので、さほど辛くはありません。

 自家製麺は中太。口当たりがつるつる&ムチッとしていて、まろやかなスープを過不足なく絡めとってくれます。

『おおぎや 埼玉伊那店』の外観

 また、無料でもらえる「生搾りにんにく」を投入すると、強烈なニンニク味が加わり、穏やかだったみそラーメンが、一気にガツンとパンチが効いた味わいに変化。卓上のラー油やお酢を少し回し入れたりと、自分好みにカスタマイズするのも楽しいです。

『おおぎや』のネギ味噌ラーメンは、ベースの味が濃厚すぎず、はたまた、にんにくや背脂などでキメキメの味になっていない分、自分好みに自由に味変ができるのが楽しい一杯です。

●SHOP INFO

店名:おおぎやラーメン 埼玉伊那店

住:埼玉県北足立郡伊奈町学園2-107

>>『おおぎやラーメン』のもっと詳しい記事はこちら
https://www.syokuraku-web.com/bar-restaurant/103504/

“ラーショ”ファンが愛してやまない至極の「ネギ味噌ラーメン」

『ラーメンショップ 牛久結束店』の「ネギ味噌ラーメン」

“ラーショ”といえば、ラーメン好きの方はよくご存知だと思いますが、全国に300店舗以上点在するフランチャイズチェーン「ラーメンショップ」のこと。

 ラーメンショップは1960年代頃に東京大田区で創業し、昭和のラーメンブームに乗って全国に広がっていったそう。どの店も基本的には豚骨醤油ラーメンを出していますが、お店ごとに少し味が違い、さらにフランチャイズの縛りが緩めで店ごとに自由に経営しているのが特徴。つまり同じラーショとはいえ、店によって個性が異なると言われています。

こちらはラーショ界でも最強と言われている『ラーメンショップ 牛久結束店』

 ここでは、ラーショ界の中でも特に美味しいと評判の『ラーメンショップ 牛久結束店』(茨城県牛久市)の「ネギ味噌チャーシューメン」をご紹介したいと思います。

背脂がたっぷり浮かんだスープ

 登場した「ネギ味噌チャーシューメン」、丼の周りに背脂が飛び散りまくり、大量のネギとチャーシューが麺の上にこんもり。スープにも白い脂がたっぷり浮かんでいます。

 この脂感の強いパンチ力が襲いかかってきそうですが、いざスープを飲んでみると、意外にも穏やかな味。とがった塩味もなく、実にまろやかです。脂のコクと甘みでとろりと口の中に広がって、じわりとした奥深い旨味が押し寄せます。

自家製麺は細めのストレート麺

 自家製麺のデフォルトは細めのストレート麺。オーダー時に太麺も選べます。これが背脂たっぷりのスープをしっかり絡め取り、スルスルッとなめらかなにすすり込むことができます。

 トッピングのチャーシューは豚肩ロース。1cmほどの厚さがあり、程よい食感も残しつつ柔らかい。しかもあっさりしています。

カウンター越しに中央の厨房で背脂をチャッチャする様子が見られる

 とくに秀逸なのが、白髪ネギ。ネギ特有のシャキシャキ感があり、苦味もありながら、旨味・甘みがたっぷり。この白髪ネギは、ごま油と独自の粉末調味料(クマノテと呼ぶらしい)で味付けし、ボウルの中で手揉みして味を染み込ませているんだそう。背脂の多いこってりラーメンを全く飽きさせないのは、この“ネギ”力のおかげかもしれません。

●SHOP INFO

ラーメンショップ牛久結束店[食楽web]

店名:ラーメンショップ 牛久結束店

住:茨城県牛久市結束町504-1

>>『ラーメンショップ牛久結束店』のもっと詳しい記事はこちら

https://www.syokuraku-web.com/bar-restaurant/96524/

『くるまやラーメン』は正統派のネギ味噌ラーメン!

「ねぎ味噌ラーメン」にチャーシュー3枚をトッピング

 国内の主な道路沿いに約150店舗も点在している『くるまやラーメン』、みなさんも一度は見かけたことがあるのでは? 店名の由来は、昭和45年に東京・足立区でラーメン店を始める際に、観光バスを改造して店にしたからなんだそうです。

 数ある店舗の中で、今回、取材に訪れたのは、西東京市、五日市街道沿いにある『くるまやラーメン保谷新町店』です。

カウンター席、テーブル席、さらに小上がりまである広い店内で、どこか昭和の空気感が漂っている

『くるまやラーメン』の人気メニューは、特製味噌ラーメンに辛みネギを組み合わせた「ねぎ味噌ラーメン」。さっそく食べてみましょう。

「ねぎ味噌ラーメン」

 今回は、チャーシューを3枚追加したわけですが、そのチャーシューは、まるで板のように立てかけられ、その後ろにはシャキシャキの「辛みネギ」が控えています。下にはもやしがこんもり。理想的なネギ味噌ラーメンのビジュアル!

豚骨、鶏ガラ、昆布からとったダシに、味噌と香味醤油を合わせたスープ

 まずは、何も崩すことなく、スープだけを味わってみます。豚骨、鶏ガラ、昆布からとったダシに、味噌と香味醤油を合わせたというスープは、丸みを帯びていてまろやかなコクが響きます。うーん、ウマい! うっすら透明な脂と味噌や醤油が乳化して一体となっており、そのバランスの良さもさることながら、旨味のど真ん中を突いてくるようなピタッとした美味しさなんです。

もちもちのちぢれ麺がまた旨し

 そして麺は、太めのちぢれ麺(細麺も選択可)。最初の口当たりはスープが絡んでツルツル。噛むとコシがあって、もっちりモチモチしています。

 さらにトッピングしたチャーシュー。これ、頼んで大正解でした! ぶ厚くてハードタイプのバラ肉。そのままかじるとしっかりした歯ごたえなのですが、スープに浸すと、熱で徐々に柔らかくなり、さらに口の中で噛んでいるとほろりとほどけていきます。

分厚いチャーシューにスープがしみてきて、脂身が超絶美味!

 1枚のチャーシューでも時間の経過で刻々と味と食感が変化するのが楽しい。もちろん、味も最高。脂身部分が甘くて、くどさも臭みも一切ナシ。いいお肉を使ってるんだろうな~、と思えるチャーシューなのです。

 そして忘れちゃいけないのが、主役である辛味ネギ。濃厚な味噌スープに辛みが溶け出していき、スープの味も刻々と変化していくんです。もやしやネギなど野菜が多いというのもあるんでしょうが、スープそのものにコクはあっても、脂っぽさを感じないからか、後味はスッキリしていました。

 というわけで、ロードサイドラーメンチェーン店4軒のネギ味噌ラーメンを紹介してきましたが、同じ“ネギ味噌”とはいえ、実はまったく似て非なる味。そう、それぞれ唯一無二の味わいなのです。GWの移動の道中に立ち寄るのはもちろん、なんなら、この絶品ラーメンたちを食べる目的に出かけてみるのもオススメです。

●SHOP INFO

くるまやラーメン保谷新町店

店名:くるまやラーメン保谷新町店

住: 東京都西東京市新町4丁目2

>>『くるまやラーメン』のもっと詳しい記事はこちら
https://www.syokuraku-web.com/bar-restaurant/102764/

(撮影・文◎土原亜子)