Photo:PIXTA

写真拡大

JR東日本は5月9日からデジタル金融サービス「JRE BANK(JREバンク)」を開始する。利用者はインターネットで専用口座を開設すれば、振り込みや預金、住宅ローンなどのサービスに加え、利用状況に応じ、鉄道利用に関するさまざまな特典が受けられる。JR東日本はなぜ今、銀行サービスに乗り出したのか。また、利用者は具体的にどのような特典を得られるのか、詳しく解説する。(鉄道ジャーナリスト 枝久保達也)

鉄道料金の優待割引券など
利用者への太っ腹な特典

 JR東日本はグループブランドのデジタル金融サービスとして、5月9日に「JRE BANK」を開設する。目玉は鉄道利用などでたまるJRE POINTとのひもづけ、一定以上の資産残高などの条件を満たすと受けられる、JR東日本グループのさまざまな特典だ。

 例えば、主要駅構内に設置されたATM「VIEW ALTTE」の引き出し手数料が無制限に無料、提携ATMの利用や他行振込手数料が預金額に応じて一定回数無料になる。また、振り込みや口座振替など、利用に応じてJR東日本グループ共通ポイントのJRE POINTを獲得できる。

 ここまでは自社サービスとして「当たり前」の内容だが、ユニークなのは鉄道利用に対するさまざまな特典だ。具体的にはJRE BANK口座をビューカードの引き落とし口座に設定し、50万円以上の預金をすると、同社線の片道運賃・片道料金が4割引となる優待割引券が年2枚、給与口座に指定すれば年6枚もらえる(300万円以上の預金で最大年10枚)。

 発表と同時にSNSで大きな話題となったように、これはなかなか破格の特典だ。同社の株主優待券は割引クーポンと同じ4割引きだが、1100株(4月18日時点で約320万円)で年10枚。最低の100株(同約29万円)では、年1枚しかもらえない。

 また、JRE POINT(東京・上野・大宮駅発の場合6000ポイント)で、JR東日本の新幹線停車駅47駅からランダムに選ばれる4駅の「どこか」に行ける「どこかにビューーン!」を2000ポイント割引で利用できるクーポンを、50万円以上の預金で年4枚から最大12枚もらえる。

 同じ優待は、獲得・使用ポイントに応じて特典が得られる「JRE POINTステージ」のプレミアムステージで年2回もらえるが、ビューカードのクレジット払いだけで到達するには100万円以上の利用が必要だ。

 さらに普通列車のグリーン車を無料で利用できるSuicaグリーン券を最大年4枚もらえるなど、これまでの優待サービスと比較しても格段に太っ腹な印象だ。

続きはこちら(ダイヤモンド・オンラインへの会員登録が必要な場合があります)