【西武】貧打で大苦戦...若手野手陣も伸び悩み 松井稼頭央監督に「ビジョンが見えない」手厳しい声が
本塁が遠い――。西武が2024年4月21日の楽天戦(ベルーナドーム)で0−1と今シーズン3度目の完封負けを喫し、借金5位で単独最下位に沈んだ。
試合前に敢行した7人の大量入れ替えも実らず
エースの力投が実らず、ダメージが大きい敗戦だ。高橋光成が7回4安打1失点と踏ん張ったが、打線がつながらない。
1点を先制された直後の3回に1死満塁の好機を作ったが、外崎修汰が三ゴロ併殺打。4回1死一、二塁も若林楽人が放った鋭いライナーが二塁の正面に。
二塁走者・中村剛也が帰塁できず併殺打となった。9回1死三塁と同点機も中村が三飛、佐藤龍星が三ゴロと生かせなかった。
首脳陣は局面を打開しようと必死だ。
この日の試合前には7人の大量入れ替えを敢行。柘植世那、山野辺翔、若林楽人が1軍昇格し、古賀悠斗、元山飛優、山村崇嘉、栗山巧が登録抹消された。
古賀は打者のスイングしたバットが頭を直撃し、脳振とう特例措置で出場選手登録を外れ、山村は右太腿裏肉離れで戦列を離れることになったが、栗山は打撃不振で19年ぶりの再調整に。栗山は今シーズンここまで8試合出場で20打数3安打、打率.150と状態が上がっていなかった。
「ある程度我慢して起用し続ける覚悟が必要」
育成力で定評がある西武だが、若手の野手陣が伸び悩んでいる。
渡部健人、蛭間拓哉とドラフト1位で獲得した野手2人が開幕からファーム暮らし。若手成長株の長谷川信哉、西川愛也もなかなかレギュラーで一本立ちできない。
スポーツ紙記者は、「就任2年目の松井稼頭央監督のビジョンが見えてこない」と指摘する。
「足を使った機動力や小技で揺さぶるわけでもないので、相手バッテリーは脅威に感じないでしょう。若手は1軍で起用し続けなければ育たない。メンバーを日替わりでコロコロ変えるより、ある程度我慢して起用し続ける覚悟が必要だと思います」
投手陣はリーグ屈指の陣容だけに、打線強化に全力を注いで巻き返しを図りたい。(中町顕吾)