伊藤麻希が鈴木みのると一騎打ち!誰ひとり予測不能な異次元の闘いに世界からも熱視線
東京女子プロレスで活躍する、“世界一かわいいカリスマ” 伊藤麻希。3月31日、両国国技館で開催される東京女子プロレスのビッグマッチで、鈴木みのるとまさかのシングルマッチを行うことが決定した。常に予定調和をぶち壊す、波乱万丈な彼女の人生は発売中の書籍『プロレスとアイドル』(太田出版)でもたっぷりと綴られている。著者である『週刊プロレス』元記者、小島和宏が目撃した、伊藤麻希という異色のレスラーの魅力とは?
【写真】伊藤麻希と鈴木みのる、まさかの一騎討ち
3月9日、HKT48の田中美久が福岡サンパレスホールで卒業コンサートをおこなった。指原莉乃をはじめとするレジェンドOGたちが続々と登場するドリームステージを見ながら、ふと思った。「あぁ、ここに伊藤麻希が登場する世界線もあったんだな」と。
現在、東京女子プロレスのリングで“世界一かわいいカリスマ”として活躍している伊藤麻希は、13年前、HKT48の1期生オーディションを受けている。だが、落選。しかもオーディションのステージに立つどころか、屈辱の書類審査落ち、である。そんな人生のどん底から這い上がるため、伊藤麻希は同じ博多を拠点とするアイドルグループ・LinQに加入。そこから現在に至るまで紆余曲折にして波瀾万丈な人生を送るのだが、その先にプロレスラーとしての道は待ち構えているとは、13年前の伊藤麻希は当然、これっぽっちも考えていなかった。
その道のりは先日、出版した『プロレスとアイドル』(太田出版)にて数十ページに渡って掘り下げている。それだけのボリュームがないと説明しきれないほど前代未聞の道のりだったわけだが、結果として伊藤麻希がプロレスのリングで大ブレイクしたことは彼女の人生を大きく変えただけではなく、多くのアイドルたちがプロレスにチャレンジする大きな道を拓いてくれた。現在の女子プロレスを語る上で欠かせないムーブメントの「先駆者」が伊藤麻希なのである。
3月31日、両国国技館で開催される東京女子プロレスのビッグマッチ『GRAND PRINCESS’24』ではアップアップガールズ(プロレス)の渡辺未詩がメインイベントで団体最高峰のプリンセス・オブ・プリンセス王座に挑戦、さらにSKE48の荒井優希がインターナショナル・プリンセス王者として防衛戦をおこなう(ちなみに挑戦者はグラビアアイドル出身の上福ゆき)。現役アイドル兼プロレスラーたちが興行の「顔」となるわけだが、そんな道を切り拓いてきた伊藤麻希は、たったひとり、両国国技館で異次元の闘いに挑むことになってしまった。
なってしまった、というのはそもそも伊藤麻希が描いていたプランとは真逆の方向に話が進んでいってから、である。
伊藤麻希は両国国技館用のビッグカードとして“世界一性格の悪い男”こと鈴木みのるとのドリームタッグ結成を画策していた。過去に一度、6人タッグで組んだ経験があるが、そのときの反響をさらに大きくしよう、とわざわざ鈴木みのるに直談判してまで実現させる気まんまんだった。
しかし、そんな話を持っていって、すんなりとOKを出すほど“世界一性格の悪い男”は単純ではない。鈴木みのるはあっさりとNOを突きつけ『伊藤麻希vs鈴木みのるだったら出てもいいよ』とまさかのシングル対決を逆提案。押し問答の結果、この世界一性格の悪いマッチメークを伊藤麻希が受けて立つことになってしまったのだ。
世界一かわいいカリスマvs世界一性格の悪い男。
ベルトがかかるわけでもなければ、メインイベントでもないけれど、これはまさしく「世界一の闘い」。実際、ふたりとも海外でも評価が高く、伊藤はアメリカ遠征から帰ってきたばかり。文字通り、世界標準の一騎打ち。ニッポンの国技の殿堂から世界に発信する最上級のシングルマッチだ。
当初のプラン通り、伊藤麻希&鈴木みのる組が実現していたら、間違いなく大盛りあがりの鉄板カードになっていただろう。年間最大のビッグマッチを飾るお祭りマッチとしては大アリだったと思うけれど、そんな予定調和に押しこんでしまうのはもったいない。
事実、いまのところ、伊藤麻希vs鈴木みのるがどんな試合になるのか、誰ひとりとして想像がついていないはず。おそらく伊藤麻希自身もわかっていない。これは伊藤麻希に、東京女子プロレスに、いやプロレス界全体に鈴木みのるが投げかけた大いなる謎かけだ。試合開始のゴングが鳴るまですべてはベールに包まれているし、試合終了のゴングが国技館に響き渡る瞬間まで答えは見えてこない。令和のプロレスではあまり見かけない「考える余白」がありまくりの一戦はリアルタイムで観戦してこそ、衝撃も感動も驚きも味わえるはずだ。
しかし、伊藤麻希という人は本当に面白い。
現役アイドル兼プロレスラーたちがタイトルマッチという超王道な晴れ舞台を踏む両国国技館で、元アイドルの伊藤麻希は男子も女子も、日本も世界も、ありとあらゆる枠組みを超越した試合に臨む。世界一、という冠には「世界でいちばん」だけでなく「世界で唯一」の意味もきっと内包されている。世界広しと言えども、伊藤麻希にしかできない闘いというものがある。それはこれまで東京女子プロレスのリングで幾度となく展開されてきたが、今回はそれを凌駕するような一戦になりそうな予感がプンプンする。
13年前、HKT48を書類審査で落とされた女が、プロレスラーとして両国国技館のリングで未踏の境地へと足を踏み入れる。アイドルだったら、絶対に味わえなかった世界がそこにはあるーー。
【あわせて読む】東京女子プロレス・瑞希「地下アイドルから苦節十年、小さく細い体を個性に頂点も…事態は急変!」
3月9日、HKT48の田中美久が福岡サンパレスホールで卒業コンサートをおこなった。指原莉乃をはじめとするレジェンドOGたちが続々と登場するドリームステージを見ながら、ふと思った。「あぁ、ここに伊藤麻希が登場する世界線もあったんだな」と。
現在、東京女子プロレスのリングで“世界一かわいいカリスマ”として活躍している伊藤麻希は、13年前、HKT48の1期生オーディションを受けている。だが、落選。しかもオーディションのステージに立つどころか、屈辱の書類審査落ち、である。そんな人生のどん底から這い上がるため、伊藤麻希は同じ博多を拠点とするアイドルグループ・LinQに加入。そこから現在に至るまで紆余曲折にして波瀾万丈な人生を送るのだが、その先にプロレスラーとしての道は待ち構えているとは、13年前の伊藤麻希は当然、これっぽっちも考えていなかった。
その道のりは先日、出版した『プロレスとアイドル』(太田出版)にて数十ページに渡って掘り下げている。それだけのボリュームがないと説明しきれないほど前代未聞の道のりだったわけだが、結果として伊藤麻希がプロレスのリングで大ブレイクしたことは彼女の人生を大きく変えただけではなく、多くのアイドルたちがプロレスにチャレンジする大きな道を拓いてくれた。現在の女子プロレスを語る上で欠かせないムーブメントの「先駆者」が伊藤麻希なのである。
3月31日、両国国技館で開催される東京女子プロレスのビッグマッチ『GRAND PRINCESS’24』ではアップアップガールズ(プロレス)の渡辺未詩がメインイベントで団体最高峰のプリンセス・オブ・プリンセス王座に挑戦、さらにSKE48の荒井優希がインターナショナル・プリンセス王者として防衛戦をおこなう(ちなみに挑戦者はグラビアアイドル出身の上福ゆき)。現役アイドル兼プロレスラーたちが興行の「顔」となるわけだが、そんな道を切り拓いてきた伊藤麻希は、たったひとり、両国国技館で異次元の闘いに挑むことになってしまった。
なってしまった、というのはそもそも伊藤麻希が描いていたプランとは真逆の方向に話が進んでいってから、である。
伊藤麻希は両国国技館用のビッグカードとして“世界一性格の悪い男”こと鈴木みのるとのドリームタッグ結成を画策していた。過去に一度、6人タッグで組んだ経験があるが、そのときの反響をさらに大きくしよう、とわざわざ鈴木みのるに直談判してまで実現させる気まんまんだった。
しかし、そんな話を持っていって、すんなりとOKを出すほど“世界一性格の悪い男”は単純ではない。鈴木みのるはあっさりとNOを突きつけ『伊藤麻希vs鈴木みのるだったら出てもいいよ』とまさかのシングル対決を逆提案。押し問答の結果、この世界一性格の悪いマッチメークを伊藤麻希が受けて立つことになってしまったのだ。
世界一かわいいカリスマvs世界一性格の悪い男。
ベルトがかかるわけでもなければ、メインイベントでもないけれど、これはまさしく「世界一の闘い」。実際、ふたりとも海外でも評価が高く、伊藤はアメリカ遠征から帰ってきたばかり。文字通り、世界標準の一騎打ち。ニッポンの国技の殿堂から世界に発信する最上級のシングルマッチだ。
当初のプラン通り、伊藤麻希&鈴木みのる組が実現していたら、間違いなく大盛りあがりの鉄板カードになっていただろう。年間最大のビッグマッチを飾るお祭りマッチとしては大アリだったと思うけれど、そんな予定調和に押しこんでしまうのはもったいない。
事実、いまのところ、伊藤麻希vs鈴木みのるがどんな試合になるのか、誰ひとりとして想像がついていないはず。おそらく伊藤麻希自身もわかっていない。これは伊藤麻希に、東京女子プロレスに、いやプロレス界全体に鈴木みのるが投げかけた大いなる謎かけだ。試合開始のゴングが鳴るまですべてはベールに包まれているし、試合終了のゴングが国技館に響き渡る瞬間まで答えは見えてこない。令和のプロレスではあまり見かけない「考える余白」がありまくりの一戦はリアルタイムで観戦してこそ、衝撃も感動も驚きも味わえるはずだ。
しかし、伊藤麻希という人は本当に面白い。
現役アイドル兼プロレスラーたちがタイトルマッチという超王道な晴れ舞台を踏む両国国技館で、元アイドルの伊藤麻希は男子も女子も、日本も世界も、ありとあらゆる枠組みを超越した試合に臨む。世界一、という冠には「世界でいちばん」だけでなく「世界で唯一」の意味もきっと内包されている。世界広しと言えども、伊藤麻希にしかできない闘いというものがある。それはこれまで東京女子プロレスのリングで幾度となく展開されてきたが、今回はそれを凌駕するような一戦になりそうな予感がプンプンする。
13年前、HKT48を書類審査で落とされた女が、プロレスラーとして両国国技館のリングで未踏の境地へと足を踏み入れる。アイドルだったら、絶対に味わえなかった世界がそこにはあるーー。
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