都心〜飯能を直結!?「新所沢街道」の壮大な計画どこまで進んだ? 悲願のまっすぐ道路 全通が遠い「最大の壁」は一体どこにあるのか
最終的には所沢入間バイパスまでつながる!?
東京西部をつらぬく道路「新所沢街道」が整備されつつあります。最近でも、2024年2月に田無エリアで延伸開通し、所沢街道につながりました。
ところで、この「新所沢街道」というのは一体どんな道路なのでしょうか。最終的にどこからどこまでつながる道路で、全通すればどう便利になるのでしょうか。また、事業はどこまで進んでいるのでしょうか。
新所沢街道は、所沢街道のすぐ南側に並行して、バイパスのような形で整備されている道路です。
【画像】超便利!? これが「新所沢街道」のルートと整備状況です(22枚)
もともとある所沢街道は、田無で大動脈「青梅街道」から分岐して、所沢市内へまっすぐむすぶ道路ですが、需要が多いのに「ほぼ生活道路」という狭さで、ネットワークとして機能しているとは言い難い状態です。
そこで、あらためて新しい「まともな道幅」で整備されるのが新所沢街道です。
現在、青梅街道から「北原」「六角地蔵尊」を経て、東久留米市内をまっすぐ北西へ抜けて、東村山市の都立多摩北部医療センターまでの約5kmが開通済みです。いずれも2車線道路です。
つい最近まで、肝心のスタート部分である、田無の六角地蔵尊交差点周辺が未開通でした。今年2月にやっとつながり、都心方面から青梅街道を経てまっすぐ東村山市内まで移動できるようになりました。
さて新所沢街道は今後、東村山市からさらに北西へ伸びていく計画です。最終的には、西武新宿線の所沢〜東村山のあたりを抜けて、所沢入間バイパスへ繋がる予定です。
所沢入間バイパスは、飯能市・入間市方面からやってきた国道463号の4車線道路です。国道463号は「大六天」交差点でポキっと左折して所沢中心街へ折れ、直進でつづく4車線道路は、久米地区の中途半端なところで終わっています。これが最後まで伸びれば、新所沢街道として直通することになるわけです。
全通すれば、都心〜青梅街道〜新所沢街道〜所沢入間バイパスが1本のルートで繋がることになります。
気になる進捗状況ですが、ほぼ全線で事業化済みで、用地取得の真っ最中。取得率は東村山市内「青葉2丁目工区」「久米川工区」で5〜6割ほど、所沢市内の延伸部では9割を越えています。用地取得済みの箇所では、工事もあちこちで始まっています。
しかし、最後の最後でまだ事業化されていないのが、東村山市と所沢市の都県境をまたぐ部分です。
ここは「東村山3・4・35号 東村山所沢線」という都市計画道路が設定されていて、都の「第四次事業化計画」に指定され「おおむね2025年度末までに優先的に整備すべき」とされています。しかし、いまだに事業化は実現していません。
都議会では2016年に「いつ事業化するのか」という質問があり、「関係自治体と連携をしながら、埼玉県境の道路ネットワークの形成を図ってまいります」としています。東京都と埼玉県は「東京都・埼玉県道路橋梁調整会議」を開いて各地の計画で定期的に調整を続けていて、ここでも何らかの調整が行われていると考えられます。
とはいえ、2022年の東村山市議会でも「どうなっているのか」といった質問があり、担当者は「引き続き市としては東京都に早期の事業化を要望してまいります」という答弁で、目立った進捗が見られない雰囲気です。
なお、新所沢街道は、都心方面にも伸びる計画があります。六角地蔵尊交差点からまっすぐ東進し、調布保谷線(伏見通り)に直結することになっています。こちらも現在事業中です。