本来は主人に忠実でしつけやすいという四国犬/※写真は事件と関係ない四国犬(写真:tommy96815 / PIXTA)

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《お願い…四国犬は悪くないから、殺処分とかしないで》
《これで殺処分されちゃったら、四国犬が可哀想》
《殺処分とか平気で言ってるやついるけど、動物の命をなんだと思ってんの》

X(旧ツイッター)上ではこんな声が。

群馬県伊勢崎市の公園で小学生ら12人が中型犬である四国犬に噛まれ、怪我をした事件。散歩中だったトイプードルがかみ殺されたほか、飼い主が年1回義務付けられている狂犬病の予防接種を怠っていたこともわかっている。

「群馬県動物の愛護及び管理に関する条例」には、知事は<動物が人の生命、身体又は財産を侵害したとき又は侵害するおそれがあると認めるとき>、動物の飼い主に対して<殺処分>などの措置を命じることができると定められている。

これまでも、咬傷事故を起こした飼い犬が殺処分となった事例は多く、今回の事件を起こした四国犬も同様の処分となる可能性は高い。これを懸念する声がSNSで出ているのだ。

一方で、こんな意見も多かった。

《12人もの人に噛みついた以上は殺処分が妥当なんよ。噛み癖がついてるかもしれないし、また被害者が出るかもしれない》
《まずは子供を心配するべきで、犬を救え、が先なのは違和感がある》

■クマを殺処分した自治体には抗議の電話が

仮に今回の事件の犬が殺処分された場合に懸念されるのが、批判の矛先が地元自治体に向くことだ。昨年、人を襲ったり人の生活圏に入ったりしたクマを殺処分すると、地元の自治体に多くの抗議がくることが報じられ、大きな社会問題になった。この件を取材した雑誌記者は言う。

「自治体の担当者は疲弊していました。『やりたくてやっているのではない。あくまでも住民の安全を優先させているだけなのに』と。実際、電話してくる人がたくさんいるわけではない。同じ人が何度もかけてくるケースが多いようです。

今回の事件の犬がどうなるかわかりませんが、大きく報じられた事件なだけに、処分となった場合、同じような人が出てこないか心配されます」

一方で、クマと犬との大きな違いは飼い主がいること。飼い主が犬に適切なしつけをしたり、リードを着けるなどして管理をしていれば、今回の事件は防げたはずだ。

また、咬傷事故を起こした犬が、支援団体に引き取られ適切なトレーニングを受けたのち、飼い犬として天寿をまっとうするケースもある。