「5年間で30人くらい」という夫の火遊びに震撼。その代償とは:30代のセックスレス・美咲さんの場合4
日本では6割の夫婦が陥るといわれるセックスレス。「夫のすべてが信じられなくなった」と語るのは、現在育休中のワーママ・美咲さん(35歳)です。妻が3人の子の育児に奔走する一方で、独身を装いマッチングアプリで疑似恋愛を楽しんでいた夫の言い分とは? 夫婦関係の今後についても聞いてみました。
5年間で30人…。嘘つき夫の本性を知ってドン引き
家族共有で使っていたタブレットにログインしたままの夫のGoogleアカウントから、マッチングアプリの利用や本音をつづったSNS、ブログ、浮気相手と撮った写真や動画の存在まで発覚し、身も心もボロボロになってしまった美咲さん。とくに、動画を見てしまった日は、ショックで吐いてしまったそう。
●普通のことが普通にできなくなっていった
「心というか、脳が完全にストップしてしまいましたね。ただ子どもたちの生活だけはなんとかしなければと思って、ファミサポや民間のシッターさんを使いながら、自分の体がどうしても動かない時間を乗りきった感じです。食欲なんてもちろんわかないし、お風呂に入ったり、歯を磨いたり、着替えたり…。そういう当たり前のことをやるのにさえ、体が重たくて。自分の人生がこのまま終わってしまうのかなって思ったりもしました」と美咲さん。
想像のはるか上をいく夫の愚行が、妻である美咲さんに与えたダメージは甚大でした。病院へは行ったのですか? と問いかけると「行きたいくらいキツかったんですけれど、近くの病院は予約が数か月先まで埋まっていて…」という状況で受診を断念せざるを得なかったそう。
●唯一、胸の内を相談できた人
ご両親や友人は夫の状況を知っているのですか? とも聞いてみました。
「親にはとても言えませんよね。夫婦間の問題をあまり外にペラペラしゃべることに抵抗がありました。ただ一人だけ、ボロボロのときに連絡をくれた仲のいいママ友に、事情を話しました。話していたら泣いてしまって『もう私は病気かも…』って弱音を吐いたら、『そんな状況になったらだれだって泣くよ。病気じゃないよ』って言われて、あぁ、そっか、私は病気じゃないんだって思ったら、なんだかすーっと気持ちがラクになっていきました」
そして、そのママ友からは、「もしかしたら、旦那さんのほうがなにかの病気なんじゃない?」って言われて、ドキっとしたといいます。
●冷静に考えると怖すぎる夫
「婚活目的の男女が使うようなマッチングアプリで、夫は平然と独身を装って登録しているんです。『あなたは相手に自分のことなんて説明していたの?』って聞いたんです。そしたら『結婚するつもりははくて、遊びだけどいいですか? って聞いたらそれでいいですって言われた』って。そんな都合いい話あるかな? って思いました」
さらに夫に体の関係を持ったのは何人なのかを問い詰めたところ、「アプリで知り合った女性30人くらいとした…」と言われて愕然。
「写真や動画も全部見たわけじゃないけれど、特定の人とおつき合いしているというより、本当に複数の人としている感じだったんです。私が鈍感なだけかもしれないけれど、ぜんぜんわからないくらい5年間も器用に嘘をつき続けてきて、信頼できる要素が今のところなにひとつありません。不信感は募るばかりだし、冷静に考えると、夫の本性が怖すぎます」
性欲がないわけじゃなかった、私に飽きていたんだ
苦しい思いをしながらも、3人の子どもたちのためになんとか立ち直ろうと必死な美咲さん。夫の衝撃の浮気発覚から約3か月が経過した現在、いちばん悩んでいることについても聞いてみました。
●夫から誘ってくることはほとんどなかった…
「もともと同じ会社に勤めていて、好きになったのは私のほうでした。結婚してからも夫から誘ってくることはほとんどなくて、週末とかに私からいかないとたぶんもっと早い段階からレスになっていたんじゃないかな」と美咲さん。
「私はずっと、夫は性欲が薄い人なのかなって勝手に解釈していたんですが、ただ私に飽きていただけだったんですよね。ちょうど末っ子も2024年の春から保育園も決まって、私も仕事復帰するし、少しずつまた夫婦の時間もつくれたらいいなっていう時期に絶望の仕打ち。けれど、子どもたちにとってはたったひとりのよきパパ。離婚は回避したいと思っています」
●フラッシュバックとの闘い
夫の不実の発覚から3か月が経った今は「一生忘れることはないでしょうね」と笑えるまでに元気になった美咲さんですが、ふとしたことでフラッシュバックしてしまうといいます。動画や音声のデータは容易に消去できても、心に残った傷は残ったまま。
「あの不倫旅行の動画の衝撃が強すぎました。この間も、テレビを見ていたらスキーシーズン到来とかいって、夫が女と行った新潟の温泉地の特集をやってたんですよ。普通の生活をしていても、ふとしたことで記憶が蘇って怒りとか悲しみがこみ上げてくるんです。そういうときに自分の感情をコントロールして生きていかねばならないことがしんどいです」
これから5年間は自由にさせてもらいます!
すべてが明るみになった夫は、心を入れ替えて、全力で家事と育児をこなしながら、猛省する(ように見える)日々を送っています。平日は定時に帰宅して、土日は子どもの遊び相手になるなど、これまでとは別人のような家庭人へと変貌をとげているそう。
「女遊びのことが全部私にバレて、いい意味でなんでも話せる仲にやっとなれたのかな。けれど、夫とは今もレスのまま。私や子どもをほったらかして、5年間やりたい放題していた事実は消せません。私もこれからの5年は、好きなようにさせてもらうつもりです」と美咲さん。
「こんな事態に陥っても、まだ夫を好きな気持ちは残っているので、内心は複雑なんです。あとから“離婚をしない”という今回の決断を後悔しないためにも、5年という自由な時間のなかで、まずは自分の心身をしっかり回復させようと思っています」