「れいわ新選組」代表の山本太郎氏

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能登半島地震の被災地をレンタカーで訪れ、炊き出しカレーを食べたことなどを報告して物議を醸していた「れいわ新選組」代表の山本太郎参院議員が2024年1月17日、国会内で記者会見を開き、批判に反論した。

「凍える寒さの中、カレーをいただく」

山本氏は5日、自身に対する「この混乱状態も含めて国会議員に知ってもらいたい」などの声を受け、被災者らの話を直接聞くため被災地の能登町に赴いたと報告していた。

現地入りの際は「始発でレンタカーに空きがある駅まで移動」し、「話をしながら彼らの晩ごはんの炊き出しに誘われ 凍える寒さの中、カレーをいただく」とも明かしていた。

山本氏の報告当時、物資や患者の輸送ルートを確保する必要があることから、岸田文雄首相をはじめ、石川県や馳浩知事らが不要不急の一般車での被災地への乗り入れを控えるよう呼びかけていた。こうした中での被災地入りに、SNSでは応援の声もある一方で批判も多く寄せられた。

山本氏は17日の記者会見で、こうした批判に猛反論した。

山本太郎のカレーごときでこれだけ炎上する」

炊き出しカレーを食べたという投稿で「SNSを中心に物議を醸していることについて、受け止めをお聞きしたい」とする記者の質問に、山本氏は「何かしら議論が生まれることに関してはそれはそれでいいと思ってます。ただし私が食べさせていただいたカレーは、夜9時ぐらいとかそんな時間帯ですから。つまり全体の配食が終わって、NPOの方々もみんな食べ終わられた後の、本当に残りの物だったんですね」と説明した。

自分の食糧は持ち込んでいたとしつつ、「『美味しいものを作ったからこれ最後に食べてってよ』というようなことに関して、断る理由はありません」「非常に混乱した中で、物資も乏しい中で作ってくださったカレーは、普段食べるカレーの何万倍も美味しいものでもありました」と話した。

食事中にコミュニケーションも生まれることで「情報を手に入れるということの上でも非常に重要な部分を占めると思います」としている。さらに、自分以外の自治体職員などが「炎上」するおそれがあることに懸念を示した。

山本太郎のカレーごときでこれだけ炎上する話なんだから、この先おそらく自治体職員が炊き出しを食べたとか、応援の職員たちが何かしら食べたことに対して、炎上する余地はある。本来は感謝の意味でSNSにあげたいという意思があったとしても、現場の空気としては『内緒で』となってしまいますよ。叩かれるべきことではない。私は別に叩かれてもいいんです。でも実際に支援をされている方々や、応援に入られている方々にも気遣いしながら活動しないといけないストレスを与えるべきではない」

「何を訳の分からないことを勝手に自分たちで言ってんだってことなんですよ」

一部の議員から「迷惑系議員」と称されるなど、被災地入りを非難する意見が挙がっていたことについて問われると、山本氏は「本当に馬鹿らしいなと思いますね」と一言。「国会議員という仕事は何なんだってことですよ。議員という仕事は何なんだと考えた時にそんな言葉が出てくるはずないんですよ、本当は」と怒りをあらわにした。

「与党と野党が総理大臣を囲んで、各党代表が集まって会議を持ったことがありましたよね」とし、「災害に対して与党も野党もないのに、野党である私たち(れいわ新選組)はその場に入れてないんですよ」と指摘した。

複数報道によると5日、自民党、公明党、立憲民主党、日本維新の会、共産党、国民民主党の与野党6党党首会談が行われ、能登半島地震の被災地入りを当面自粛することを申し合わせている。

山本氏はこの会談を激しく批判した。

「総理大臣はじめ国会議員は『被災地に入らない』と勝手に決めてるんですね。その勝手に決めてる時間帯、何してるかと言ったら私は被災地に向かってるんですよ。勝手に『入るな』と決めてるところに私たちはいませんから。何を訳の分からないことを勝手に自分たちで言ってんだってことなんですよ」

「『先を越された』ということに関して悪魔化する」

自身の行動への見方について「国会議員という仕事をYouTube配信者と同じような並びで比較する言説というか、社会的風潮みたいなものは、かなりおかしな社会的状況だと思います」と疑問視。批判に対しては「『山本太郎的なやつらが国会議員に大勢いたら、被災地が混むじゃないか』みたいな、また訳の分からないことを言う人がいるんですけど、そんな状況が生まれるんだったら、これまでの被災地が国会議員であふれてるはずですよ」と反論した。

さらに「山本太郎1人が行くことによって『みんな行きたいのを我慢しているんだ』なんて...『行きたいんだったらさっさと行けよ』なんですよ」と切り捨て、「ただし行政職員の案内とか大名行列のような形で行くのではなくて、自己完結する。実際に日頃から活動されている方々とつながりを作った上で、最小限で移動できる形で実現するべき」と続けた。

その上で「『先を越された』ということに関して悪魔化することで、自分たちがやらなかったことをなしにしようという世界であるのも永田町。だからそれに対して私に何かコメントがあるかと言ったら、全くないです。私は自分がやるべきことをやっただけ」と話していた。