疲れたときは「肉」がよさそうだけど…?

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 いつもより疲労を感じているときは、食欲があってもなくても何を食べたらいいか迷いやすいもの。こんなとき、「お肉をガッツリ食べて元気を出そう」と考える人もいると思います。しかし実際のところ、疲れているときに「肉を食べる」ことは疲労回復につながるのでしょうか。管理栄養士の桜井このさんに、その真偽について教えていただきました。

内臓に負担がかかりやすいものは控えて

Q.疲れを感じたときに避けた方がよい食べ物・飲み物はありますか。

桜井さん「疲れているときは、内臓に負担がかかりやすいものを摂取するのはなるべく控えた方がよいでしょう。特に、無意識に摂取してしまいがちな塩分や脂肪分の多い食べ物、食物繊維が多いもの、香辛料が多く刺激が強いものなどが含まれます。

疲れを感じたときに『回復のためにお肉をガッツリ食べたい』と思う人もいるかもしれませんが、肉は消化に時間がかかるため負担となることも多く、内臓を余計に疲れさせてしまう要因になることもあります」

Q.病み上がりのときに避けた方がよいものとは。

桜井さん「病み上がりの場合は、疲れているときよりも『消化のよいもの』を意識しましょう。脂肪分の多いものや刺激物が含まれるものは、消化という面だけでなく、胃腸の粘膜にもダメージを与えてしまうため、特に避けたいところです。

また、日本人は比較的、乳製品の摂取によって体調を崩しやすい体質の人が多いです。体によさそうなヨーグルトなども、下痢や腹痛などの原因になりやすいため、注意が必要です」

Q.疲労を感じているとき、積極的に摂取したい食べ物・飲み物を教えてください。

桜井さん「胃腸に優しいもの、消化しやすいものとなると、想像しやすいかもしれませんが『おかゆ』などは代表的な食べ物ですよね。タンパク質を摂取するために、卵やバナナなどもお勧めです。

ビタミンやミネラルの摂取には野菜がよいのですが、より負担をかけないためには、サラダではなく温野菜にするとより体に優しいです。

水分補給は、水が最も負担や刺激がない飲み物といえるでしょう。スポーツドリンクも疲労回復のイメージがあるかもしれませんが、糖分が多く含まれているものも多いため、たくさん飲むのはお勧めしません」

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 疲れているときや病み上がりは、食欲がないことも多いもの。そんなときは体をいたわることができる食べ物を摂取したいですね。まずは内臓に負担をかけないものを食べて、しっかりと回復してから好きなものを食べるようにしましょう。