【引っ越し】転勤・進学…物件探しは2月? 3月? いつがベスト? コツ&注意点を不動産鑑定士に聞く
転勤や進学などを理由に、2月から3月にかけて、引っ越しを考えている人は多いと思います。この時期は、新生活のために賃貸物件の需要が高まるといわれており、物件探しで出遅れると、条件に見合った物件が見つからない可能性があります。
2月から3月末までの間に引っ越しを完了させたい場合、物件探しはいつ頃から行うのがよいのでしょうか。物件を探す際の注意点などについて、不動産鑑定士・宅地建物取引士・賃貸不動産経営管理士の竹内英二さんに聞きました。
引っ越しの「1〜2カ月前」から探すのがお勧め
Q.転勤や進学の関係で、2月から3月末までの間に引っ越しを完了させたい場合、物件探しはいつ頃から始めた方がよいのでしょうか。
竹内さん「例えば、3月下旬に引っ越しを完了させたい場合、3月上旬に探し始めても物件が見つかるケースが多いといえます。ただし、良い物件は早めに決まってしまうため、引っ越しの1〜2カ月前から物件を探すことをお勧めします。3月中に引っ越したい場合、1月から探し始めると良いでしょう。
新築物件は、工事の完了前から入居者を募集しているケースが多いですが、例えば、3月に工事が完了する物件の場合、1月下旬にはすでに満室になっているケースもあります。また、大学進学を機に引っ越す場合、合格前に仮予約できる『合格前予約物件』と呼ばれる物件があります。大学進学の関係で早めに物件を押さえたい人は、こうした物件を活用するのも良いでしょう」
Q.転勤や進学を理由に引っ越す人は、土地勘のない場所や遠方の場所に移住するケースが多いと思います。この場合、物件を効率的に見つけるにはどうしたらよいのでしょうか。
竹内さん「近年、不動産会社の営業担当者がウェブカメラで物件の内部を紹介する『オンライン内見』ができる物件が増えてきました。遠方の場所に引っ越す場合は、引っ越し前にオンライン内見で物件を探すのが効率的です。
その際はウェブカメラを通じて営業担当者への相談も可能で、周辺にどのような施設があるのかなど、引っ越し後に必要な情報を聞くことができるため、土地勘がない人でも物件を決めやすいといえます」
Q.賃貸物件サイトで物件を検索しているときに、その地域にしては比較的賃料が安い物件があります。この場合、どのような理由が考えられるのでしょうか。こうした物件を契約してもよいのでしょうか。
竹内さん「基本的に家賃が安くなっている物件は、条件が悪いケースが多いです。例えば、『築年数が古い』『バス・洗面台・トイレが1つになった3点ユニットとなっている』『エアコンが付けられない』などの条件が原因となっている可能性があります。
また、都市ガスではなくプロパンガスを採用している物件の場合、ガス代が高くなるため人気がなく、家賃がやや低く設定されているケースがあります。
気になる物件で家賃が安いと感じた場合、不動産会社に理由を聞いてみると良いでしょう。不動産会社は複数の物件を扱っているため、家賃が安い理由を教えてくれるのはもちろん、もっと条件の良い物件を勧めてくれることもあります。家賃が低い理由が自分にとって許容できるものであれば、契約しても構わないといえます」
Q.物件を探すときや物件を契約する際の注意点について、教えてください。月の下旬に物件を契約するのは損なのでしょうか。
竹内さん「契約前は、不動産会社から重要事項説明が行われます。気になることがあれば、細かいことでも必ず確認して、契約前に疑問を解消するようにしてください。重要事項説明で納得がいかなければ、契約をしないという選択肢をあらかじめ用意しておくことも適切です。
家賃は入居日(物件の引き渡し日)から発生します。1カ月に満たない場合の家賃は日割り計算されるため、入居日はいつであっても損は発生しません。ただし、月の下旬に入居日を設定すると最初に当月分の日割家賃と次月分の前払い家賃の支払いを同時に求められることがよくあります。最初に重い負担を感じますが、家賃が余計に発生しているわけではありません」