【がん専門医おすすめ】がんリスクを減らすフルーツやおやつとは?

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2人に1人ががんになる時代、がんは誰もが自分ごととして考えておくべき病気です。食生活においては、「この食品には発がん性物質が含まれているか」などが話題になることが多いですが、逆に、がんリスクを減らしてくれる食品はあるのでしょうか?がん専門医の佐藤典宏氏による著書『がんにも勝てる長生きスープ』(主婦と生活社)から、がんリスクを減らす食材について、少しだけお届けします。

フルーツをたくさん食べる人は、がんになりにくい?


日本人を対象とした研究では、フルーツをほとんど食べない人に比べて、週に1回以上食べる人は胃がんの発生率がおよそ30%低いという結果が報告されています。

フルーツに含まれる、ビタミンやミネラル、食物繊維などの栄養素は、がんリスクの低下に欠かせません。なかでも抗酸化作用や抗炎症作用を持つポリフェノールは、がんの予防や治療をサポートする効果も期待されています。現在、特定のフルーツとがんリスクの明らかな関係は証明されていませんが、動物実験などで効果が報告されているものもあるので、おすすめのものを5つ紹介します。

まずは、アサイー。


アントシアニンなどのポリフェノールが豊富で、抗酸化作用、抗炎症作用、血管新生阻害作用が確認されており、がんの抑制に効果的。アサイーのポリフェノールはココアの約4.5倍、ブルーベリーの約18倍にもなります。鉄分、食物繊維、カルシウム、ビタミンCもとることができるスーパーフードです。

続いてブラックベリーブルーベリーもアントシアニンが多く、高い抗酸化作用を誇ります。

特にブラックベリーはナチュラルキラー細胞という免疫細胞を活性化し、大腸がんの発症や進行を抑える可能性が指摘されています。ブルーベリーも高い抗酸化作用と抗炎症作用があり、乳がんのリスクを下げるという報告も。

さらに、りんごもポリフェノールが豊富で、その中のフロレチンという成分は、がん細胞が増えるのを抑えて死滅に導く作用などがあり、注目されています。

最後は、みかんなどの柑橘系のフルーツ。がんを抑制する抗酸化成分のビタミンCやカロテノイドが豊富で、乳がんのリスク低下も期待できます。

フルーツの摂取量の目安は、1日約100g、りんごなら1/2個分程度です。

気をつけたいのは、フルーツジュース。フルーツ本来の果糖だけでなく、シロップや果糖ブドウ糖液糖など高い濃度の加糖が添加されている場合があるため、高血糖を招いてがんのリスクを高める恐れがあります。フルーツをとるならジュースではなく、生のものがおすすめです。

がん専門医がすすめる「おやつ」ベスト3


フルーツの次はおやつです。せっかく食べるなら、がんに効果的なものを選びたいという人におすすめのおやつを3つ紹介します。

まずは、ナッツ


食物繊維、ビタミン、ミネラルに加え、天然のポリフェノールであるエラグ酸、オメガ3脂肪酸のαリノレン酸などの抗酸化成分が豊富。がんを予防する効果が多くの研究で報告されています。

ナッツをよく食べる地中海食の効果を調査した比較試験では、週3回以上にぎりこぶし程度の量のナッツを食べる人は、がんによる死亡リスクが40%低下し、大腸がんや乳がんの患者さんを対象とした研究でもがんの再発を減らす、または生存期間を延長する効果がわかっています。

おすすめの種類は、木になっているナッツ。ピスタチオやくるみをはじめ、アーモンド、カシューナッツ、ヘーゼルナッツ、マカダミアナッツなどがあります。ただし脂質が多くカロリーオーバーを招きやすいため、食べすぎには注意が必要。

次は、ヨーグルト

乳酸菌やビフィズス菌など、善玉菌を多く含む発酵食品で、腸内環境の改善が期待できます。

最近の研究で、腸内環境の乱れはがんを含むさまざまな病気の原因になることがわかってきました。がん患者さんの腸内細菌は、健康な人に比べて細菌の多様性が減っていることも研究で明らかになっています。

腸内環境を整えるには、乳酸菌などの善玉菌と、そのエサとなる食物繊維などの両方をとる必要があります。食べる際は、砂糖の入っていないプレーンヨーグルトに善玉菌のエサとなるオリゴ糖をかけると効果的です。

3つめは、ハイカカオチョコレート

チョコレートの原料であるカカオ豆には、抗酸化作用や抗炎症作用のあるポリフェノールが豊富で、がん予防のほか、動脈硬化、高血圧、脳卒中などの病気を予防する効果が期待できます。おすすめは、無糖でカカオの配合が高いブラックチョコレートで、血糖値の低下も期待できます。

本文は『がんにも勝てる長生きスープ』(主婦と生活社)より一部抜粋・編集しています。

画像提供:Adobe Stock

著者メッセージ


間食にぴったりのものは他にもあります。それは食物繊維やオリゴ糖を含んだ食材です。バナナやりんごには食物繊維が多いですし、きなこやはちみつにはオリゴ糖が豊富です。ヨーグルトにきなこやはちみつをかけるのもいいですね。

食物繊維とオリゴ糖は腸にいる善玉菌のエサになって腸内環境を改善してくれます。近年、腸内環境とがんの関係を示すデータが次々と報告されていて、腸内細菌の種類や量が多い人は少ない人より、がんにかかりにくく、がんになった場合でも生存率が高かったり、一部の薬が効きやすいことがわかっています。

がんの予防のためにも、治療のためにも、腸内環境が非常に重要な役目を果たしているので、食べるならぜひそういった食材を意識してみてはどうでしょうか。

書籍紹介


『がんにも勝てる長生きスープ』(主婦と生活社)



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著者紹介


佐藤 典宏(さとう のりひろ) 

がん専門医、医学博士、外科医(産業医科大学第1外科講師)。

福岡県生まれ。九州大学医学部卒。2001年から米国ジョンズ・ホプキンズ大学医学部に留学し、多くの研究論文を発表。1000例以上の外科手術を経験し、日本外科学会専門医・指導医、がん治療認定医の資格を取得。がんに関する情報を提供するため、YouTube「がん情報チャンネル・外科医 佐藤のりひろ」を開設、登録者12万人(2023年10月時点)。2023年4月、がん患者さんの悩みや質問に個別に答える「がん相談サロン」をスタート。