前日計量をパスした堤聖也【写真:荒川祐史】

写真拡大 (全2枚)

前日計量

 優勝賞金1000万円の「バンタム級モンスタートーナメント」決勝が26日、東京・有明アリーナで行われる。25日は神奈川・横浜市内のホテルで前日計量が行われ、日本同級王者・堤聖也(角海老宝石)、挑戦者の同級3位・穴口一輝(真正)がともにリミットを0.1キロ下回る53.4キロでパス。堤は勝てば4度目の防衛となる。戦績は28歳の堤が9勝(7KO)2分、23歳の穴口が6勝(2KO)。

 バンタム級日本一が決まる一戦へ、王者は準備万端だ。堤は「明日試合するんだ、ぐらいの感じでいい感じにリラックスできています」と冷静。相手の印象についてこう語った。

「体より顔つきの方が印象付きましたね。いい顔してんなと思いました。凄く気合が入っている。いや、本当に。『いい顔してるな』って言いそうになりましたもん」

 ボクサーとしては「足が速くて目がいい。ディフェンスもうまくて、ボクシングセンスがある。やっていて最初は面倒くさいと思いますよ。『うまいな、速いな』と思うと思います」と警戒。「それに対応して、捕まえていく感じになるんじゃないか」と描いた。

 同トーナメントは「井上尚弥4団体統一記念杯」として、昨年12月に同級4団体統一を果たした井上の愛称・モンスターが冠となっている。主催は井上が所属する大橋ジム。5月に1回戦、8月に準決勝が行われた。日本王者の堤は準決勝から登場。ベルトを守り、決勝にたどり着いた。

 決勝は今興行のセミファイナルとして行われ、メインイベントではWBC&WBO世界スーパーバンタム級2団体統一王者・井上が、WBA&IBF2団体統一王者マーロン・タパレス(フィリピン)と4団体統一戦を行う。大型興行の前座を任された堤は「セミファイナルで本当に良かった」感謝。主要4団体で世界ランク入りし、念願の世界挑戦も期待される。今回は各団体関係者、海外メディアも集まり、喜びを口にした。

「大きい会場でやれるとなって、それがセミファイナルじゃないですか。こんなに光栄なことはないですね。ありがたいです。ただ大きい会場の普通の世界戦じゃない。歴史的な試合じゃないですか。やっぱりそこのセミファイナルでやれるのは、お客さんももうピークで入っている状態からスタート。テンション上がります」

挑戦者・穴口、事前の試合プランは「もう全然、何でも言える」

 眉付近に傷があり、「(心配は)ありますよ」と相手のインファイトを警戒。「一応、切れる前提で考えていますし、かといって切れたくないと思ってボクシングはしていない。スパーリングでも。他のところが切れるかもしれないし、いつも通りいろんなことを想定しながらやっていきます」と描いた。

 この日の夜はウナギとサムゲタンでリカバリー予定。「面白い試合にはなると思うけど、あまり『どう見せたい』という感覚がちょっとわからない。やってきたことが出るから。それはもう見て楽しんでくださいという感じです」と力を込めた。

 一方、トーナメント2試合を勝ち上がってきた穴口は、王者に対し「やっぱり気持ちが強い。最後までずっと手を出してくるという印象」と吐露。事前のプランは「もう全然、何でも言える」と質問を歓迎し、「相手の土俵でも何でも『これは勝てる』という自信は持っている。どんな展開になってもいいようにやってきた。近い距離になっても、遠い距離になっても大丈夫です」と自信を見せた。

 この日は壇上で横並びになったが、「特に感じないですね。僕の方が強いなーっていうだけですね」とニヤリ。トーナメントの中で評価を上げてきた堤に敬意を払いながら、コメントした。

「もともと堤選手は自分の中でバンタム級で一番評価が高かった選手、僕自身が一番評価していた選手。言い方的には上からになってしまいますが、自分が一番強いと認めていた選手なので、特に堤選手の評価が上がろうが何しようが、僕には関係はないですね」

 賞金1000万円だが、「賞金は正直、何も考えていない。1000万円だろうが何だろうが、僕はベルトのためにやってきたので。今年1年、この12月のためにやってきた」と決意を込めた。

(THE ANSWER編集部)