「疲れてしまいました」マフィン食中毒、返金めぐり購入者困惑 当事者2人が明かす店の対応「何から何まで無知だった」
アートイベント「デザインフェスタ」で腐った状態で販売されたとして問題となっていたマフィンについて、2023年11月20日までに自主回収と返金対応の窓口となっていたSNSアカウントが削除された。その後、出店者は公式サイトで「食品事故対策室」を開設したとして、窓口となるメールアドレスと電話番号を公開したが、X(旧ツイッター)では混乱の声が相次いだ。
SNS削除後、対応はスムーズに進んでいるのか。J-CASTニュースは購入者に話を聞いた。
「二転三転する発言や行動に振り回され、疲れてしまいました」
出店者の公式サイトはテキストのみのシンプルなもので、経緯の説明と謝罪、閉業したことの報告、「廃棄のお願い」「ご返金について」「保健所へのご連絡のお願い」「お問合せ先」とする案内などが掲載されている。自主回収については、厚生労働省のウェブサイト上にあるリコールの詳細情報によると、11月20日で終了しているという。
J-CASTニュースは23日、デザインフェスタでマフィンを購入したというXユーザーの「菜月」さんに話を聞いた。菜月さんはマフィン4種類をそれぞれ1 点ずつとマシュマロチョコクッキー1点を購入したといい、「マフィンは1個330円でしたが、4個で1000円のため4個買う方が多かったです。クッキーは400円でした」と説明した。健康被害については、「私自身はマフィンを食べる前に、Xのポストを見たため、健康被害はありません」とした。
菜月さんは11月15日に出店者にXのダイレクトメッセージ(DM)で返金を求めて連絡。製造場所が同じであればマフィン以外の商品についても返金を希望したが、返金はマフィンのみである旨返事が来たという。その後、菜月さんは出店者と何度かやり取りし、購入日時や商品名、金額などレジ照合のための情報を伝えた。11月20日に出店者から「一件ずつレジ照合させていただきながら、ご返金させて頂いておりますので今しばらくお待ちいただけますようお願い致します」と返信が来た。しかし同日、「当店食品事故対策室」を設けた旨、メールアドレスへの連絡をお願いする旨を記載したメッセージが届いた。
菜月さんは20日、メールアドレスに連絡。21日に、順次対応していることや「当店食品事故対策室」に窓口を一本化したことが記載された返信が来た。それに対し菜月さんは、Xでのやり取りを添付して送ったが、その返信として22日夜、レジのデータ照合と返金のための情報を送るよう求める内容が送られてきたという。
「メール対応になってからは、購入したマフィン、デザインフェスタのチケットの半券と本人確認の書類の写真を求められました。私は電子チケットのため、購入した際のメール画面を送りましたが、本人確認の書類は怖いので送りませんでした。回答フォームにも、市区町村までの住所と電話番号を記入する場所がありましたが、住所は市まで、電話番号は記入していません。XでのDMではレジの照合が出来次第順次返金すると伝えられましたが、メールになってからはこちらのメール内容をちゃんと確認せずに全員に同じ文章を送っているようなので、(送った内容で)返金を認められたかは分かりません」
その後、菜月さんは24日に振り込みの確認ができたとJ-CASTニュースに報告した。
「内容が重複していることと、週明けになっても返信も振り込みもないようなら消費者センターに相談することを伝えたら、返金が完了したとメールが来ました。変わらずマフィン代のみでしたが」
今回の件について菜月さんは、「食中毒を出してしまったことよりも、その後の対応の杜撰さと不誠実さの方が問題に思えます。二転三転する発言や行動に振り回され、疲れてしまいました」とコメントした。
「全員に納得のいく対応をして頂きたい」
J-CASTニュースは、マフィンを購入して食べてしまい、その後健康被害が生じたというXユーザーの「ななみ」さんにも11月22日に話を聞いた。デザインフェスタでは「スイートポテトマフィンとチョコチップマフィン、クッキーが4袋にマシュマロクッキー2つ」を購入した。
最初はXのDMで出店者とやり取りした。「マフィンと一緒に買ったクッキーの写真、デザフェスのオンラインチケット、購入した際に貰った袋、買ったものの名前と金額、買った時の時刻、食べてでた症状を送りました」とし、「あちらの回答としては順次対応しますのでお待ちください、のような事だけ言われました」という。
回答があったのは20日だが、その後、同日夜に「当店食品事故対策室」を設けた旨、メールアドレスへの連絡をお願いする旨を記載したメッセージが届いた。
メールで連絡した後は、「メールが一通送られてきました。謝罪文と今後の対応などが書かれていましたが、個人への回答は無かったです」という。その後、22日夜に返信があり、レジのデータ照合と返金のための情報を返信するよう求められた。
ななみさんは健康被害にも遭ったというが、「治療費どころか心配するようなことも言われておりません。軽症だったため証明も出来ないのでしょうがないと思ってます」とし、今回の件に対し次のように感想をコメントした。
「騙してやろうとか逃げてやろうとかの悪意は、私は感じられませんでしたが、曖昧な返答ばかりで不安になりました。手作りしたものを売っている人の対応には思えません。衛生面から今回の騒動の対応、何から何まで無知だったことが一番の原因かなと思います。ただ、買った人だけにメールを送ったのは今後しっかり対応していく予定なのかなと思いました。全てのアカウントを消してメール1本に絞るのであれば被害者の方々全員に納得のいく対応をして頂きたいです」