韓国フィギュア界の“貴公子”チャ・ジュンファン 子役出身という異色の経歴、モデルとの二足のわらじで磨いた表現力

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現地時間10月27日(金)より、フィギュアスケート・グランプリシリーズ第2戦カナダ大会が開幕する。

注目は、躍進目覚ましい韓国のエース、チャ・ジュンファン(22)。

今年の世界選手権で韓国男子として初めて表彰台に立ち、新たな歴史をつくったスターだ。

写真:日刊スポーツ/アフロ

昨シーズンは国別対抗戦でも韓国の銀メダル獲得に大きく貢献し、韓国国内はもちろん、日本でも飛躍的に知名度を上げた。

羽生結弦やキム・ヨナを育てたブライアン・オーサーコーチに師事し、現在は地元・ソウルを拠点に練習している。

そんな彼の大きな魅力は、見るものを引き込む圧倒的な表現力。

昨シーズンはショートの『マイケル・ジャクソン メドレー』で新たな境地を見せ、フリーでは大ヒット映画シリーズ『007』の曲に乗せ、主役のジェームズ・ボンドを見事に演じ切った。

幼いころから子役として活躍し、多くのCMやドラマに出演していた経験が表現力のルーツになっているという。

チャ・ジュンファン:「子役をやるためにいろいろな習いごとをしていて、そのひとつがフィギュアスケートだったんです。スケート以外の習いごとも俳優になるためのものだったので、そういう経験がフィギュアの役に立っているのではないかと思います」

当時出演していたCMのなかでも特に有名なのが、チョコパイのCM。愛らしい表情が印象的で、韓国では“チョコパイ少年”という愛称で親しまれていた。

提供:韓国広告情報センター

世界トップレベルのスケーターとして成長した今も、モデルとしての活動は続けている。

取材の日、練習を終えたチャ・ジュンファンが向かったのはCMの撮影。特別に現場での密着が許された。

まずは写真撮影。現役モデルらしく次々とポージングを決めていく。

そして、スケート靴を履いてリンクでの撮影に移る。細かくカットを割りながら何度も何度も撮り直し、少しずつ映像をつくり上げていく。

撮影は夜遅くまで続き、終了したのは日付も変わった0時過ぎ。しかし、翌朝8時30分には爽やかな笑顔で練習場にやって来た。

チャ・ジュンファン:「スケートしかない生活をずっとやってきたので、むしろスケートとは関係ない仕事をすることが僕にとってはリフレッシュになります。そういう時間も役に立っていると思うので、もっといろいろな経験をしてみたいです」

二足のわらじで磨いた表現力でどんな演技を見せてくれるのか、今シーズンの活躍が楽しみだ。

チャ・ジュンファン:「自分のやるべきことをやり切る。これが一番の目標です。メダルを獲りたいとかではなくて、準備したものを全部出し切ってお見せできるよう頑張りたいです」