麻布十番にある、老舗のイタリアン『ピアット スズキ』

現地の味を再現しながらも、日々丁寧に“自分流”の料理を届けている、シェフの鈴木弥平さん。

常連に人気の特等席であるカウンターで、自分の料理と真摯に向き合うシェフの姿と、その味を楽しんで。


格付けリストも認めたシェフの技巧

キッチンを望めるカウンターは開店当初、イタリアンでは珍しかった。「ここが店の顔となり、知名度を上げてくれた」とシェフ。今も常連に人気の特等席


開店21年を経た今も丁寧に誠実に調理するシェフの鈴木弥平さんの姿に感動を覚える。



師は『クチーナ ヒラタ』の故・平田 勝さん。渡伊経験もあり、2002年に独立した


仔牛の「ミラノ風カツレツ」なら、分厚く切り出した骨付きロースに油を回しかけ、ときには休ませながらじっくりと30分かけ黄金色に仕上げる。



断面の美しいピンクの焼き上がりも見事。シンプルな味付けだが、バターやセージも香って芳醇。肉を叩いて薄くするレシピが最近の主流だが、『ピアット スズキ』ではクラシックなミラノ風にこだわり、分厚い骨付き肉のまま仕上げる。「ミラノ風カツレツ」5,280円


「独立国だったミラノの栄華を象徴する料理だからゴールドは絶対。現代の低温調理に通じる手法も素晴らしく、休ませながら焼く今の技も応用して僕なりに往時を再現した」

イタリアンの本質とは?を追求してきた鈴木さんは、現地の技をただ踏襲するのではなく、なぜそうするのかを一度、咀嚼してから要素を見極め、自分流の料理に仕上げる。



素材の旨みを存分に吸ったスパゲッティーニが最高。丁寧に調理することで身もぷっくらと仕上がった「小ハマグリと青唐辛子」2,640円


「けど、お店としてはまだ成人したばかりなんですよね」

そう言って笑うが、毎日を丁寧に、誠実に積み重ねて高みを目指してきた、その道のりに名店の凄みは宿っている。


■店舗概要
店名:ピアット スズキ
住所:港区麻布十番1-7-7 ハセベヤビル 4F
TEL:03-5414-2116
営業時間:18:00〜(L.O.22:00)
定休日:日曜、祝日の月曜
席数:カウンター5席、テーブル15席


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