麻布十番商店街から少し離れた地下にて、長きにわたり存在感を放ってきた焼き鳥店『瀬尾』

内観はほの暗くスタイリッシュで、デート向きのカウンタースタイル。ワインとのマリアージュも愉しめる、港区の焼き鳥業界をリードしてきた名店だ!


港区の焼き鳥を世に知らしめた先駆者

旨みが強い手羽先(右)と濃厚な脂を楽しむぼんじり(中)は塩。コク深いレバー(左)はタレで。「タレは修業先で師匠から分けてもらった宝物です。継ぎ足し継ぎ足しをしながら大切に育ててます」と瀬尾さん。料理はすべてコース(9,350円)より


麻布十番は今や焼き鳥の激戦区だが、『瀬尾』が開店した20年前は「数軒しかなかった」と店主。

商店街から少し離れた地下に潜み、仄暗い店内にダークブラウンのカウンターというデートに向く設えも先駆的で、当初からワインとのマリアージュを提唱してきた。



「飲み頃まで寝かせるため那須にワイン倉庫があります。ウチのタレはピノノワールに合う」と赤ワインのリストが充実。瀬尾さんはブルゴーニュにも足を運ぶほど研究熱心。「ドメーヌ・デ・ランブレイ モレ・サン・ドニ 2017」25,000円


さまざまな点で街と時代をリードしてきた名店である。

しかし、瀬尾さんはこの20年を評して「通ってくださるお客様のおかげ」と気負わない。



店主の瀬尾博之さんは、勝どき『鳥善』で10年修行し、2003年に独立


仕事っぷりも見事で、鶏は修業時代から「串焼きに向く旨みがある」と惚れ込む「甲府・信玄どり」で、紀州備長炭を巧みに操り、部位ごとに的確に焼き上げる。

香ばしく、ほどよい噛み応えがあってジューシーな美味しさはさすが。

コース内で緩急をつけるのは季節の肴だが、昨今は地鶏料理にも挑戦。



『三重・熊野地鶏』のメスを使う「地鶏の炭火焼き」は3年ほど前から提供を開始


艶やかな上に“実”がある。美食の街で支持されるのは当然である。


■店舗概要
店名:瀬尾
住所:港区麻布十番1-4-2 カーサツルオカ B1F
TEL:03-5574-8881
営業時間:17:00〜(L.O.22:00)
定休日:日曜
席数:カウンター13席、個室1室(6人1室)


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