東京ドーム

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熾烈なCS争いを続ける巨人に大きな痛手だ。岡本和真、梶谷隆幸が2023年8月29日、ともに体調不良で特例2023の対象選手として登録抹消となった。同日の広島戦(京セラドーム)では4番に抜擢された坂本勇人が7回に左翼線適時二塁打を放ったが、4−5と逆転負け。3位のDeNAが阪神に逆転勝ちしたため、1.5ゲーム差に広がった。

「バッテリーも大胆に攻められる」

不動の4番として打線を牽引してきた岡本は、替えの利かない存在だ。8月は球団の右打者で月間最多の12本塁打を放つなど絶好調。シーズンを通しても全試合4番で出場し、打率.298、34本塁打、83打点をマークしている。本塁打は2位の村上宗隆(ヤクルト)の24本に10本差をつけて独走していた。

坂本、中田翔、丸佳浩と実績十分の選手たちがそろうが、他球団のスコアラーは「岡本ほどの威圧感はない。今月は絶好調で少しでも甘く入ればスタンドに運ばれる怖さがあった。打線に岡本がいるのといないのでは全然違う。破壊力が半減するでしょう。バッテリーも大胆に攻められる」と指摘する。

岡本の代役として29日の広島戦は坂本が起用されたが、本来は4番タイプではない。日本ハムで長年4番を務め、昨季は打撃不振の岡本に代わって夏場から4番を務めた中田はコンディションが万全でないのか、スイングに鋭さがなく調子が下降線をたどっている。丸、高卒3年目で成長著しい秋広優人を抜擢する可能性もある。原辰徳監督は打線を組む際に頭を悩ませるだろう。チームの窮地でどんな一手を打つか。(中町顕吾)