厳選!2歳馬情報局(2023年版)
第12回:コンテネレッツア

 日本が誇る一族の血を引く若駒がデビューに向けての準備段階にありながら、大きな注目を集めている。

 美浦トレセンの宮田敬介厩舎に所属するコンテネレッツア(牝2歳/父エピファネイア)である。


コンテネレッツアの4代母ダイナカール

 同馬は、4代母のオークス馬ダイナカールからなる名門の血筋を引く良血馬。曾祖母はGIオークス(東京・芝2400m)、GI天皇賞・秋(東京・芝2000m)を制した"女傑"エアグルーヴで、祖母はGIエリザベス女王杯(京都・芝2200m)で連覇を遂げているアドマイヤグルーヴだ。

 そして、母はアドマイヤセプター。重賞勝ちこそないものの、2歳時から重賞戦線で奮闘し、4歳時にオープン入りして以降も、重賞で何度か上位争いを演じている。また、彼女の弟には、GI皐月賞(中山・芝2000m)、GI日本ダービー(東京・芝2400m)を制覇した二冠馬ドゥラメンテがいる。

 まさに日本競馬の"ロイヤルファミリー"とも言える一族出身のコンテネレッツア。そのうえ、トレセン入厩後の評判がすこぶる高いため、注目度が日に日に増している。関東競馬専門紙のトラックマンがその様子を伝える。

「コンテネレッツアは、先日ゲート試験に合格。その後、戸崎圭太騎手が騎乗して軽く調教を行なったのですが、騎乗後の戸崎騎手が『めちゃくちゃいい馬ですね!』と大絶賛したようです。

 加えて、管理する宮田調教師もかなり期待しているようで、『クラシックに行きたいと思う逸材』とコメント。トレセン内での評価が急上昇しました」

 良血のうえ、秘めた能力は明らか。陣営は今後、この馬の精神面に気を配りながらデビューへ向けて準備を進めていくという。トラックマンが続ける。

「宮田調教師によると、『この血統はカーッとなってテンションが上がりやすく、力を発揮できなくなる馬が多い。その点に最大限の注意を払って(準備を)進めていきたい』とのこと。そういった前提もあって、急かしてデビューさせることなく、一度放牧に出してさらなる成長を促すようです。

 ともあれ、『ここまでは、精神面もかなりいい形で調整できている』と宮田調教師。素質の高さを感じているからこそ、慎重に進めていくのでしょう」

 コンテネレッツアは放牧後、秋頃にはトレセンに戻ってくる予定だという。陣営期待の良血馬は、はたしてどんな走りを見せるのか。初陣の時を、楽しみに待ちたい。