公開中の山粼賢人主演『キングダム 運命の炎』が大ヒット中だ。7月28〜30日の公開3日間で、観客動員数70万人、興行収入10.5億円突破のロケットスタート。翌週の映画動員ランキング(興行通信社調べ)でも1位を獲得している。

 2019年公開の第1弾は興収57.3億円、2022年の第2弾は51.6億円を記録したが、今作はシリーズ史上最高になる可能性もある。

 本作は、原泰久氏の人気漫画を実写映画化したもの。中国春秋戦国時代を舞台に、天下の大将軍になるという夢を抱く戦災孤児の少年・信(山粼)と、中華統一を目指す若き王・嬴政(えいせい/吉沢亮)の活躍を壮大なスケールで描く。

 第3弾では、信が、嬴政から秦軍の総大将を任命された王騎(大沢たかお)とともに、趙の侵略に立ち向かう「馬陽(ばよう)の戦い」が繰り広げられる。

 そんななか、ネット上で賛否が分かれたのが、前半のメインエピソードとなった「紫夏編」のシーンだった。

「原作では『9歳』だった嬴政の設定を『7年前』に改変。吉沢の思い入れが強かったため、『最初からこの場面を描くなら “僕にやらせてください” と言っていた』とリクエストしていたことを会見で明かしています。

 しかし、原作やアニメで『紫夏編』を見たファンが感動を覚えたのは、敵国の人質として感情をなくすほど虐げられていた子供が、初めて信頼できる人に出会い、鼻水をまき散らしながら人の心を取り戻していく姿。

 それを今作で、吉沢が大人の姿のまま演じたわけです。演技力には拍手が送られたものの、『子役を使ってないから年齢設定がおかしくなって、感動が半減した』との不満も少なからず聞かれます」(芸能ライター)

『キングダム』については、かねて「年齢問題」が取り沙汰されてきた。

「原作だと今作の時点で、信も政も15歳ほどです。橋本環奈演じる河了貂(かりょうてん)に至っては12歳くらいの設定ですからね。

 屈指の美少女キャラ・羌瘣(きょうかい)を演じる清野菜名は、私生活では出産も経験していますから、完全にシンクロしているとは言いがたい、との指摘もあります」(前出・芸能ライター)

 気になるのは、これだけの大ヒット作品がどこで打ち止めとなるかだ。現在、原作の単行本は69巻を重ね、どこを切り取っても面白いシーンがてんこ盛りなだけに、映画化すれば大ヒットは約束されているようなものだが……。

「すでに一部で報じられているとおり、映画『キングダム』は全4作となっている模様。1作につき、原作の単行本4〜5冊ぶんが盛り込まれていることを考えると、『馬陽の戦い』が終わる16巻までが一区切りとなりそう。

 映画『キングダム』シリーズの松橋真三プロデューサーは、7月17日に参加したトークショーで、『いろいろな条件が揃わないと、ものすごくお金がかかる作品なので難しい』と言いつつも、まだまだ続けたい意向を明かしていました。

 だとすると、キャストを刷新し、年齢問題をリセットした『新・キングダム』で再出発となる可能性もありそうです」(前出・芸能ライター)

 山粼や吉沢をはじめ、出演者のほぼ全員が「100点」と言われるほどキャラに憑依している『キングダム』シリーズ。“いろいろな条件” のハードルは高そうだ。