不発弾は多いとか。

激戦地バフムトの戦闘中に使用される

 ウクライナ軍が押収品である北朝鮮製のロケット弾を使用して、ロシア軍を攻撃していたことが2023年7月28日アメリカのファイナンシャルタイムズの報道により明らかになりました。


BM-21多連装砲でロケット弾を発射するウクライナ軍(画像:ウクライナ国防省)。

 報道によると、ウクライナ東部の激戦地バフムトで使用されたそうで、ロケット弾はBM-21多連装砲ロケット砲向けの122mmロケット弾だったようです。同ロケット弾は、1960年代の旧ソ連時代から運用されている古いものになります。

 このロケット弾は元々、北朝鮮からの支援としてロシア軍や民間軍事会社のワグネルに渡る予定のものだったとみられています。

 ロシアは2022年2月のウクライナ侵攻以降、一貫して北朝鮮との武器取引を否定しています。しかし、アメリカ政府は2022年12月の段階で北朝鮮からロシアに武器が輸出されていることを確認しており、同国のジョン・カービー戦略広報担当調整官はロシアを非難すると共に、「北朝鮮がさらなる軍事物資を運ぼうとしていることを懸念している」と発言していました。

 今回のロケット弾がどのようなルートでウクライナに渡ったのかは明らかになっていませんが、現場のウクライナ兵は“友好的な国”が北朝鮮船から差し押さえた押収品であるとファイナンシャルタイムズの記者に話したそうです。

 なお、押収品の北朝鮮ロケット弾は、旧式で不発弾が多いため、現場の兵士たちは「非常に頼りない」と話したそうです。