4月に『マネしたらやせた! 30秒だけ床バレエ』(講談社刊)を上梓した、床バレエトレーナー・竹田純さん。SNSに投稿される竹田さんのエクササイズ動画は大人気で、その総再生数はなんと1億回超え! そんなエクササイズの中から人気のあったものをまとめた本書は、ズボラさんでも楽しくやせられると話題です。

竹田純さん「他人と比べずに、比べるのは昨日の自分に!」

そこで、今回は竹田さんに床バレエやダイエットの心得など“上品やせ”メソッドについてお話を伺いました。

●ズボラさんでも楽しく続けられる!

バレエは知っているけれど、「床バレエ」という言葉にはイマイチピンと来ていないという方もいらっしゃるのでは? そこで、まずは竹田さんに床バレエについて尋ねてみました。

「床バレエは『バレエをベースにしたエクササイズ』です。バレエって、体をやわらかく動かしたり、ジャンプしたり、まわったり…少し難しいイメージがありますよね。でも床バレエは真逆! 動きのよさは取り入れつつも、床に座ったり、横になったりした状態で足や手を動かすので、関節に強い負荷をかけずに体を動かせて、しなやかなボディが手に入るメソッドなんです」(竹田純さん、以下同)

そのため、エクササイズを考案する際も、「バレエの要素を入れること」と、「骨盤を安定させて、そこから体を動かす」ということを大切にしているそうです。

「極端な減量などで見た目が変わることもありますが、私が目指すのは“上品やせ”です。床バレエは正しい体の使い方が組み込まれていて、しかも1回30秒で始めることができるので、無理せずに取り入れることができます。だから続けるのが楽しくなって、“気づいたらやせていた”という方も多い。難しいことはしていないので、気軽に始められるのも魅力ですね」

たしかにダイエットを行うにも、ハードな動きだと気持ちの面からイヤになってしまいますよね。その点、床バレエは、

(1) 頭で考える前に、とりあえず動く
(2) 30秒がツラければ減らしてもOK! ただし、ゆっくりていねいに
(3) やっているときは、下腹を意識。

の3ポイントに気をつければ問題なし!

●おすすめのエクササイズ2つ

「初めてやる方には、“股関節のゆがみを整える”エクササイズがおすすめです」

やり方は、床に座って両ひざを立てて脚を大きく開き、両手は体の後ろにつきます。そして、一度息を吸い、吐きながら右脚の内くるぶしを床に近づけるように、右脚を股関節から内側に倒す。

次に、息を吸いながら右脚を元に戻し、息を吐きながら左脚の内くるぶしを床に近づけるように、左脚を内側に倒します。この動きをゆっくりと30秒くり返せばOK。

「できれば30秒間で4セット行うのが目安。背中が丸まり、肩に力が入ってしますのはNGなので気をつけてください」

説明を受けていると、なんだか難しそうな気もしますが、実際にやってみるととっても簡単。大変さを感じないのでもっと続けたくなってきます…! せっかくなので、もう1つイチ押しのエクササイズも教えてもらいました。

「これは、太ももの外側がやせていく動きです。あぐらのポジションから片足をうしろにまわしこみ、背骨をまっすぐにしてひざ下をあげてみる。そうすると、骨盤のまわりがほぐれてきて、動きがなめらかになります。

ここで、重要なのは『1mm』でもあがればいいということ。私みたいにあげたかったら、う〜ん…20年くらい必要ですが(笑)、でも使う筋肉は同じなので1mmで十分効果がありますよ」

●ダイエットに大事なのは“ポジティブ”な気持ち

想像よりも手軽にできる床バレエのエクササイズ。竹田さんは、今まで楽しくダイエットに成功された方を多々見てきたそうです。では、ダイエットに成功される方の特徴みたいなものはあるのでしょうか?

「最終的なところは『心』になってしまうのですが、なりたい自分のイメージがはっきりとし、こうなりたいっていう願望が強い方が成功されている。『なんでダイエットするのか?』というと、自分が太ったと感じたとか、だれかに言われたとかそういう理由があると思うんです。

『太っているから仕方ない…』と、あきらめや開き直りといったマイナスな気持ちになっていると、その時点で太ります。”ネガティブ”な感情を引きずったままダイエットするとうまくいかない。だから、『自分は絶対にやせられる』、『こうなる!』といったポジティブな感情でいることが大事です」

驚きなのが、竹田さんご自身も、今よりも10kgぽっちゃりされていた時期があったということ。

「4年くらい前のことですが、デスクワークが多くなって…忙しくて体を動かすのが少し面倒くさくなっていたんですよね。とはいえ、働いているから脳は使っておなかは減る。食事量を変えずに食べてしまった結果、10kg太ってしまいました。

でも、パートナーのクリスから『ちょっと…気をつけた方がいいかもね…』みたいな感じで優しく、すごく気をつかわれて言われたんですよ(笑)。クリスは絶対に傷つくことをダイレクトには言わない。だからその気遣いが逆にグサッと来ました…」

Instagramで床バレエのエクササイズを毎日投稿しようと決めたことも重なり、ダイエットを決意。

続けて、「皆さんにエクササイズを教えるのに自分が太っていたらいけないですよね(笑)。皆さんと一緒にやせて、私も皆さんも、皆がポジティブでいられるようなエクササイズや言葉がけを意識して投稿しました」と、少し茶目っ気を交えて答えてくれました。そして、毎日少しずつエクササイズを積み重ねた結果、10kgの減量に成功したそうです。

皆さん本当によく見てくださっていて、『やせられましたね』みたいなコメントもいただきますし、反対に『ちょっと太りましたか…?』なんてコメントもあります(笑)。だから、私も太っちゃいけないなと思っています」

●比べるのは他人じゃなくて、昨日の自分に

最後に、ダイエットに奮闘する読者の皆さんに一言いただきました。

「あくまでも私の意見ですが…、誰でもついつい周りと比べてしまうと思うんですけど…比べるのは昨日の自分にした方がいいと思うんです。人と比べるからマイナスになっちゃう。でも、どうしても比べちゃうし、それは仕方ないですよね。

だから…比べるなら対象を『昨日の自分』に変えて、昨日の自分よりも“ちょっとこうなれたらいいじゃない”と前向きな気持ちを心がけてみることが大事だと思います」