日本では6割の夫婦が陥ると言われるセックスレス。「恥ずかしいし、だれにも相談できなくて…」と語るのは大阪府にお住いの塔子さん(仮名・50歳)です。妻の更年期がきっかけでレスになり、義理の両親の介護もスタート。50代になり、夫婦生活ががらりと変わったという現在の心境を伺いました。

義母が要介護2…。同居しながらの介護生活がスタート

ほとんど毎日夫と行為をしていたのに、私の更年期がきっかけとなり、50歳でレスに。そんな矢先に、義母が倒れてしまったのです。

●老々介護状態だった義理の親

義母は脳梗塞の一歩手前みたいな状態だったのですが、幸いすぐに病院で処置をしてもらえて大事には至らず。しかし入院するときのやり取りや簡単な質問にもうまく答えられていない状態で、軽度の認知症になっていることが発覚しました。

そんな義母と一緒に暮らす義父もすでに87歳。老々介護でギリギリの状態。夫もその状況を目の当たりにし、すぐに同居することを決めました。

●待ったなしの介護。できる人がやるしかない

じつは数年前に大きな台風が来たタイミングで、義理の両親の家をリフォームしておいたこともあり、同居は比較的スムーズでした。いつかこういう日が来るかもしれないと予想はしていたものの、義母の入院中はとにかくバタバタ。介護認定を受けるのも大変。夫と手分けしながら、病院と地域包括支援センター、そして役所をぐるぐる…。

夫には兄弟もいるのですが、みんな会社員だったので、なかなか平日に動けず。結局、自営業の夫と主婦の私しかいないんですよね。こういうものは、できる者がやるしかないんだと割りきりながらがんばりました。

●「免許返納しろ」と簡単に言うけれど…

夫の兄弟たちからは、「もう高齢で危ないから義理の父の免許を返納しろ」とも言われています。要介護2の義母が、たまに調子がいいときに「あそこへいきたい、これ食べたい、あれを買いたい」と言い出すのです。「週末にしましょうね」という交渉がきかないんですよね。「今行きたい!」と言われたら、なにがなんでも出かけようとする人で。それで、義父が運転して2人で出かけていくのです。

義父も夫も短気な生活。だからこそ義父は、義母が倒れたときに「今まで世話をかけたから」と24時間必死で介護していました。夫とは「義父も足腰かなりきているけれど、運転をやめさせてしまうと、一気に悪くなりそうだよね」と言って、まだ様子を見守っているところです。

それに二人の介護度がもっと進んだら、結局しわ寄せがきてしまうのは私のところ。保険も大きいものをかけるなど、できる対策はしていますが、事故を起こす前に免許返納の話を進めなきゃなと考えています。

夫との絆が深まった1年。じゃれ合いながらの人生後半戦

生理が止まり、義理の両親の介護がスタートし、とにかく心身ともに疲労感がすごかったこの1年。夫との夫婦生活はパッタリ途絶えたままです。話し合いをするゆとりすら持てない日々でした。

●ホットフラッシュで汗が止まらないことも

「行為が痛くて辛い」と告白したときは驚いた様子だった夫ですが、「ホットフラッシュで汗が止まらないの」と言って、ふざけてくっついたりすると「うわ!」と言いながらも、私の大変さがわかってくれたみたいです。

私は「よそでしてきていいよ」と伝えたこともあるのですが、夫は「いや、僕は塔子としたい、ほかの人には興味ない」と言ってくれて。もうお互いいい歳なので、直接「好き」とか「愛してる」などは言いませんが、たまに垣間見える夫の本心を聞くと、ホッとできたりもします。

●情に厚い夫と仲よく年を重ねていきたい

若い頃は売り言葉に買い言葉で、さんざん酷い罵り合いもしていましたが、夫がややこしい人な反面、息子はまっすぐで優しい性格の子に育ちました。そして夫も年を重ね、ほかの兄弟が親の介護から逃げるなか、ひとりでしっかり向き合っていて、本当に家庭第一の情が厚い、誠実な人だなと感じることが増えました。

行為がなくなっても、変わらない夫への愛。ここ最近、私の更年期の症状も落ち着いてきました。さすがに以前のような頻度ではもうしたくないですが、再開できるようになったよと誘おうかなと思ってます。

理想は月2回くらいがいいです。夫はまだその気がある様子なので、これっきりになったらかわいそうですし、私も触れ合いがあったほうがいいと考えているからです。ただ、体の変化でちゃんとできるか分からず、ESSEで特集組んでもらえるとうれしいです。