マンCの目利きは間違っていなかった? “トレブル”達成の立役者と類似率No.1の板倉滉

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 データ会社『Opta』によると、世界最高のセンターバックに最も近い選手は日本代表DF板倉滉(26歳)だという。
 
 同社は、今季の欧州5大リーグのデータを用いて、選手を9つのデータで表して選手の類似性を比較している。「ゴール」「シュート」「ボックス内のタッチ」「空中戦」「ボール奪取」「守備アクション」「ボールタッチ(ピッチ全体)」「ドリブル」「チャンスメイク」の9つのデータで選手の“鶏頭図(レーダーチャートの一種)”を作成。その『選手レーダー』の図形が似た選手が同系プレーヤーや類似プレーヤーということになる。
 
 その『選手レーダー』によると、今季マンチェスター・Cで守備の要として3冠に貢献したポルトガル代表DFルベン・ディアス(26歳)に最も似ている選手が、ボルシアMGに所属する日本代表のDF板倉滉なのだ。まずは圧倒的なボールタッチ数という共通点がある。

[写真]=Getty Images

■ルベン・ディアスと板倉滉

 
 ルベン・ディアスは、今季の欧州5大リーグで1350分以上に出場したディフェンダーのなかで90分毎の「ボールタッチ数」が最多だった。今回のグラフは、相対的評価で作成されるためルベン・ディアスの「ボールタッチ」のチャートは100点満点ということになる。これに対して板倉滉は、ディフェンダーの中でのボールタッチ数が上位5%に入っており「ボールタッチ」のチャートは95点。実際に90分毎のタッチ数を見るとルベン・ディアスが約100本なのに対して板倉滉は約80本だった。
 
 次に同じような採点になったのが「空中戦」だ。二人ともビルドアップでの貢献が大きく、今季は空中戦で競り合う機会があまり多くなかったこともあり、それぞれ90分毎の空中戦の勝利数は2回。これはディフェンダーの中では上位36%のため64点という評価だった。さらに90分毎のドリブル回数も0.5回ずつと同数になった。
 
 唯一、大きな違いが見られたのは敵陣ボックス内でのボールタッチ数だ。これに関してはルベン・ディアスの71点に対し、板倉滉は47点に留まった。それでも両者の“レーダーチャート”を見ると、形が非常に酷似しており、その類似性は「77.6%」。今季の欧州5大リーグで、最もルベン・ディアスに似ている選手が板倉滉ということになった。
 
 もしかすると、マンチェスター・Cはこういったデータも把握していたから2019年1月に当時21歳の板倉滉を川崎フロンターレから引き抜いたのかもしれない。結局、同選手はマンチェスター・Cで一度も出番を得られずに退団したが、それでも同クラブの目利きは間違っていなかったようだ。3月の代表戦で腕章を巻いた板倉滉は、今季ボルシアMGでの活躍が評価されて今夏はステップアップが噂されている。イタリアへのナポリへの移籍噂が報じられているが、いつの日かDFルベン・ディアスとの“類似ペア”を組む日が来るかもしれない!?

 
 ちなみに、ルベン・ディアスの類似ランキングで2位に入ったのはチェルシーのCBトレヴォ・チャロバー(類似率76.9%)、3位はリールのCBジョゼ・フォンテ(73.7%)、4位はマンチェスター・UのCBラファエル・ヴァラン(72.7%)となっている。

■板倉滉の後釜は?

 
 では、ボルシアMGは板倉滉を引き抜かれた場合、代わりに誰を獲得すべきなのか? 『選手レーダー』を見ると、今季の欧州5大リーグで板倉滉に最も似ている数値を残した選手はリヨンのコートジボワール代表CBシナリー・ディオマンデ(22歳)だ。昨季リーグ・アンで24試合に出場した売り出し中の若手は、9つあるデータのうち7つの採点が板倉と誤差10点以内。そのため二人の図形は酷似しており、類似率は驚異の「85.2%」となった。
 
 2番目に板倉滉に似ているのは、今季バルセロナからのローン契約でトッテナムに加入してプレミアリーグでプレーしたCBクレマン・ラングレ(28歳)。類似率は83.0%だった。3位はチェルシーのCBトレヴォ・チャロバー(類似率80.2%)、そして4位がルベン・ディアスとなっている。

■チアゴ・シウヴァと板倉滉

 
 恐らく板倉滉は、今後さらに評価を高めていくだろう。というのも、彼はブラジル代表の英雄とも類似率が高いのだ。今季チェルシーでリーグ戦26試合に出場した38歳のチアゴ・シウヴァの『選手レーダー』を見ると、やはり板倉滉に似ているのだ。CBチアゴ・シウヴァに最も似ている選手はウニオン・ベルリンに所属するポルトガル人CBディオゴ・レイテで類似率は83.5%だった。一方、板倉滉は4番目に高い76.2%という類似率を誇っている。そうなると、チアゴ・シウヴァの後釜にも板倉滉はうってつけなのだ。

■キム・ミンジェと板倉滉

 
 そんな板倉滉だからこそ、ナポリは退団濃厚の韓国代表CBキム・ミンジェ(26歳)の後釜として日本代表DFを狙っているのだろう。しかし、肝心のアジアを代表する二人のセンターバックの類似率はあまり高くない。『Opta』のデータによると、キム・ミンジェに似ているセンターバックはアーセナルのウィリアン・サリバ(類似率79.6%)、レヴァークーゼンのヨナタン・ター(78.4%)、ミランのフィカヨ・トモリ(77.2%)、ブレーメンのミロシュ・ヴェリコヴィッチ(74.5%)となっており、あくまでデータ上の話だが板倉滉は類似率でトップ4に入ってこないのだ。
 
 最後に、その他の名センターバックの類似選手を見てみよう。リヴァプールのオランダ代表CBフィルジル・ファン・ダイク(31歳)に最も似ている選手は、同国の後継者であるバイエルンのオランダ代表CBマタイス・デ・リフト(23歳)で、類似率は驚異の89.2%だった! そして2番目にファン・ダイクに似ているのはフィオレンティーナのDFニコラ・ミレンコヴィッチ(88.4%)、3位はアーセナルのガブリエウ・マガリャンイス(87.5%)、4位はライプツィヒのヴィリ・オルバン(84.8%)となっている。
 
 あくまでデータ上の話だが、今後は類似性を参考に補強を考えるクラブが出てくるかもしれない!?

(記事/Footmedia)