371年前にオランダの画家フェルディナント・ボルが描いた少年の肖像画。ロンドンにある美術館を訪れていた親子が、その肖像画に描かれた靴に目を惹かれた(画像は『Footwear News 2023年5月22日付「Time-Traveling Fashion: ‘Nike Shoes’ Spotted in 400-Year-Old Dutch Painting at The National Gallery」(CREDIT: FERDINAND BOL/COURTESY OF THE NATIONAL GALLERY)』のスクリーンショット)

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英ロンドンの美術館で371年前の絵画を鑑賞していた親子が、作品の中に描かれた靴にナイキのロゴに似た模様があることを発見し話題を呼んでいる。ナイキが誕生したのはこの絵画が描かれた後のことなので、もちろん本当にナイキの靴が描かれていたわけではない。ネット上でこの画像がシェアされると、「タイムトラベラーがいるのでは?」という声があがったようだ。英ニュースメディア『Metro』などが伝えている。

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驚きの発見をしたのは、英ロンドンにある美術館「ナショナル・ギャラリー(The National Gallery)」を訪れていたフィオナ・フォスケットさん(Fiona Foskett、57)と、娘のホリーさん(Holly、23)だ。最初に気付いたのはフィオナさんで、展示品を鑑賞している時に「『待って。この肖像画の少年が履いているのって、ナイキの靴じゃない?』と娘に言ったんです」と当時を振り返る。

2人が見ていた作品は、1652年にオランダの画家フェルディナント・ボル(Ferdinand Bol)が描いた、フェルディナントの妻のはとこであるフレデリック・スルイスケン(Frederick Sluysken、8)の肖像画だ。テーブルのそばでポージングする少年の姿が描かれているが、その左足にはナイキのロゴにソックリなマークの入った靴が描写されていたのだ。

ナイキは1964年に設立されており、この絵が描かれた当時に存在するはずはないため、実際にフレデリック少年がナイキの靴を履いているなどあり得ない事実だ。フィオナさんは「年齢的に、この少年が初めてナイキのスニーカーを手に入れた人物じゃないかしら? もしかしてタイムトラベラーだったりして」と冗談を交えながら想像を膨らませた。

この話題が多くのメディアに取り上げられると、「ナイキはここからアイディアを得たのかもね」「ナイキに著作権使用料を支払わないと」「実際に何が描かれているのかを調べた方が面白そう」「これってナイキの広告か何かでしょ」などジョークを飛ばす声が寄せられている。また中には「靴の隙間から白い靴下が見えているだけだよ」「留め金に光が当たっているのかも」など、冷静に解説するコメントも見られた。

残念ながら現在、この肖像画の展示は終了したようで、実際に自分の目で確かめることはできない。ナショナル・ギャラリーの広報担当者は「この絵は来館者に好評であり、非常に嬉しく思います。『現代的な部分を見つけてください』とTwitterに投稿したところ、たくさんの反応がありました」とコメントを残した。

ちなみに過去には、聖母マリアを描いた17世紀の名画が修復されたが、まるで別人のような仕上がりになり台無しになったというケースが話題を呼んでいた。

画像は『Footwear News 2023年5月22日付「Time-Traveling Fashion: ‘Nike Shoes’ Spotted in 400-Year-Old Dutch Painting at The National Gallery」(CREDIT: FERDINAND BOL/COURTESY OF THE NATIONAL GALLERY)』『The Mirror 2023年5月20日付「400-year-old painting baffles viewers who say fashion item is proof of time travel」(Image: National Gallery)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 iruy)