ロレアル プロフェッショナル

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日本ロレアルのサロン専用ブランド「ロレアル プロフェッショナル」の「イノアカラー(iNOA)」が、「髪色自由化プロジェクト」を発足した。企業ブランドをリスペクトしながらその人らしいスタイルや髪色で働くことで、多様性に寛容で、より自由な風通しの良い社会の実現を目指す。プロジェクトアンバサダーにはスキージャンプ選手の郄梨沙羅を起用した。

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 同プロジェクトを主導するロレアル プロフェッショナルのカラー剤イノアは、2019年から展開。ブランド名は「innovative No Ammonia」の頭文字でアンモニア無配合で、長持ちするツヤと奥深い透明感のある仕上がりが特徴だ。

 同社が実施した髪色規定に関する調査では、全体の73.6%が「明確な規定がある」「明確にはないが、暗黙のルールがある」と回答。特に航空会社や接客業、公務員、教員などの業種の割合が高かった。また、髪色に関する就業規則を定める理由や背景を人事担当者に聞いたところ、「清潔感を保つため」という理由がほぼ半数を占めた。加えて、髪において清潔感を与えるのに必要だと思う要素については、「髪のツヤ(パサつなくまとまっている)」が最も高い約80%となった。さらに、染める前よりも艶やかになるカラー剤があれば、髪色規定に関する意識が「変わると思う」「どちらかといえば変わると思う」という回答は合計で80%を超え、社会人として重要視されているのは髪色よりも、艶やまとまり感といった「清潔さ」であることが判明。こうしたアンケート結果や、近年ニュースやSNS上で「髪色の規定により、自分らしく、自由に働くことができない」といった声が増えたことがプロジェクト発足のきっかけになったという。ロレアル プロフェッショナル本部 岸中昭人 本部長は、「自分らしいスタイルで働くほうがモチベーションが保たれ、パフォーマンスが向上するという意見もあります。自己表現を損わずに誇りを持って仕事に取り組める社会に貢献するのが目標です」とプロジェクトの意義を述べた。

 同プロジェクトにはバラエティショップ「プラザ(PLAZA)」を展開する、スタイリングライフ・ホールディングス  プラザスタイル カンパニー(以下、プラザスタイル カンパニー)やアスノシステム、アドビ、ジョンソンデジタルジャパン、パルコ、ミクシィ(MIXI)の6社が賛同。賛同企業には、福利厚生としてイノアカラーのヘアカラー施術を提供する。プラザスタイル カンパニーのエクゼクティブプレシデントの鈴木顕氏は、「2023年4月から身だしなみ基準を見直し、ネイルデザインの緩和や規定の靴を撤廃しました。その結果、店頭の雰囲気が明るくなったという意見を消費者からいただきました」とポジティブな効果を語った。

 プロジェクトアンバサダーに就任した郄梨は、エレガントなホワイトのワンピースを身にまとい登場。昨日ヘアカラーをしたばかりだといい、施術を担当したヘアサロン サンバレー(SUNVALLEY)代表の朝日光輝氏は、仕上がりのポイントを「郄梨の地毛の色味を生かしながらツヤ感を与えた透明感のあるグラデーションカラー」とコメントした。郄梨は自由な髪色を楽しむ理由を「“魅せる”競技でもあるので、自分の個性を大切にしたいですし、髪を染めることで沈んでいた気持ちを明るくできるなど、良い意味でスイッチが切り替えられるんです」と答えた。また、「自分を大切に、個性を大事に生きる人は素敵だなと思うので私自身もそうありたいです。この素敵なプロジェクトが広まり、みんなが自由に自分を出していけるような世界であって欲しい」とプロジェクトに対する熱意を語った。

 日本ロレアル社長のジャン-ピエール・シャリトン(Jean-Pierre Charriton)氏は、「日本では新型コロナウイルスの5類移行に伴い、オフィスでもマスク着用率が減るなど、美への気運が高まりつつあります。それに伴い当社は髪色の規定に注目しました。このプロジェクトには、『Beauty for each 一人ひとりに合った美を届けること』という使命を持って取り組んでいきます。日本でも働く全ての人がその人らしいスタイルや髪色で働くことのできる、自由で風通しの良い社会になれるよう貢献したいです」と期待を寄せた。今後は賛同企業を増やすため、さまざまな企業へアプローチし、人事担当などとの意見交換も積極的に行うとした。