CLミラノダービーでインテルが勝利 左クロスから中央を鮮やかに抜けたゴールシーンはなぜつくれたか
Question
ディマルコが左からクロスを入れたあと、インテルは中央をどのように崩したか?
UEFAチャンピオンズリーグ(CL)準決勝第1戦ミラン対インテル。2004−05シーズン準々決勝以来となったCLでのミラノダービーが行なわれ、アウェーのインテルが2−0で先勝した。
注目のカードとなった一戦は、前半早々に動いた。前半8分、インテルの最初のCKからエディン・ジェコが押し込んで先制点を奪取。すると直後の11分、今度はカウンターからヘンリク・ムヒタリアンが決めて2−0。インテルが一気に突き放した。
後半に入ると、ホームのミランがボールを保持するようになったが、インテルの統制の取れた守備を前に、チャンスをほとんど作ることができなかった。早々と2点を先行したインテルがそのまま2−0で逃げきり、第1戦をものにした。
今回は、インテルの2点目のシーンを取り上げる。
前半11分、ミランのGKからのロングボールのこぼれ球をインテルが拾い、フェデリコ・ディマルコが左サイドを抜け出した。ペナルティーエリア手前まで運ぶと、グラウンダーでマイナス気味にクロスを入れた。
左サイドからクロスが入ったあと、インテルはどのようにゴールを決めたか
そのボールに中央のラウタロ・マルティネスが反応し、後方からはムヒタリアンも走り込んでいる。
次の場面で、インテルはどのようにしてゴールしたか、というのがQuestionである。
Answer
ラウタロ・マルティネスがスルーし、走り込んだムヒタリアンが中央を突破してシュート
インテルがカウンターからミランの守備を見事に破ったシーンである。まずはL・マルティネスとジェコの動きに注目したい。
L・マルティネスがボールを触ると見せてスルー。あとから走り込んだムヒタリアンが受けて突破し、ゴールを決めた
ディマルコがルックアップするタイミングで、最前線のジェコはフィカヨ・トモリを引き連れながらニアサイドにダイアゴナルラン。
その動きを見ていたL・マルティネスはやや手前に残り、ジェコが作った中央のスペースが使える位置にポジションを取っていた。
そして、ディマルコからクロスが入る次のシーンでの選択が秀逸だった。ややマイナス気味になったクロスに対して、L・マルティネスは戻りながら反応。この時、後方から走り込むムヒタリアンを確認した。
すると、L・マルティネスはギリギリまでボールを呼び込んで、スルー。ムヒタリアンがワンタッチで前へ運び、シモン・ケアーを置き去りした。中央はトモリがジェコに釣り出されていたため、大きく空いていた。
中央のスペースに勢いを持って進入したムヒタリアンは、GKマイク・メニャンとの1対1を冷静に決めて、2−0となった。
ジェコのスペースメイク、ムヒタリアンの走り込みとフィニッシュワークはもちろんだが、ややマイナス気味のクロスになった時、自分よりいい形でムヒタリアンが入ってきたとわかった瞬間に、ケアーを引きつけながらスルーの選択をしたL・マルティネスの判断力も見事だった。
第1戦を完封勝利で飾ったインテル。次週の第2戦で宿敵を下し、13シーズンぶりの決勝進出となるか、注目である。