12日の債券市場で、先物中心限月6月限は3日続伸した。前日の欧米債高が支えとなったほか、日銀が実施した4本の定例の国債買い入れオペは無難な結果と受け止められ、債券需給に対する前向きな見方が広がった。午後に上げ幅を拡大する場面があったが、日経平均株価が水準を切り上げるなかにあって、先物は伸び悩んだ。

 イングランド銀行(英中央銀行)は11日、市場の予想通り0.25%の利上げを決定した。ただベイリー総裁が米系通信社のインタビューで、利上げ打ち止めについて言及した。同日に公表された米国の経済指標が景気減速の兆候を示すなか、米債務上限問題を巡る警戒感もあり、欧米の長期債相場に上昇(金利に低下)圧力が掛かった。

 12日に日銀が実施した国債買い入れオペは、「残存期間5年超10年以下」のオファー額が、前回の6750億円から6250億円に減額されたものの、円債相場の反応は限られた。「同1年超3年以下」と「同10年超25年以下」、「同25年超」は、オファー額が据え置かれた。

 買い入れオペの結果判明後、先物は一時149円21銭まで上昇したが、その後は上げ幅を縮小した。日経平均株価が前日比で300円近く上昇するなか、買い上がりにくさが意識されたようだ。

 先物6月限は前営業日比10銭高の148円96銭で取引を終えた。現物債市場で、新発10年債利回りは一時、同0.025%低い0.360%まで低下する場面があった。その後は高値警戒感も加わって、長期金利の低下は一服。午後3時過ぎ時点では、同横ばいの0.385%で推移している。


出所:MINKABU PRESS