平たいのに二次燃焼系焚き火台!THE IRON FIELD GEAR「タキビツリー」は衝撃的なほどよく燃える!
魅せるうえにしっかり燃やし尽くしてくれる二次燃焼系焚き火台は根強い人気を誇ります。でも、どれも筒状だったり深めの箱形だったりして、組んだ薪が燃える焚き火らしい“色っぽさ”は少なめ。
結局、焚き火らしい姿は平たい焚き火台に頼るしかないのか…と思っていたら、THE IRON FIELD GEARがやってくれました!
今年2月発売の「タキビツリー」(1万6500円)は、ほぼ平らなのに二重構造で二次燃焼も期待できるハイブリッド焚き火台なんです。
■薄く持ち運べるので収納に困らない
「焚き火ツリー」はスチール製の脚板2枚の上に、フラットなステンレス製本体を載せるだけ。組み立て簡単、省スペース収納の焚き火台です。
▲重量3.7kg
「タキビツリー」はステンレスとスチールで構成されています。しかも本体のステンレスは二重壁になっているのでサイズの割りにずっしり。キャリングバッグの持ち手は長めなので、肩からかければ楽に持てます。
付属のキャリングバッグは厚手のコットン製トートで、中に入っているのは本体と脚のみというシンプルさ。マチなしトート型バッグなので正確な収納サイズは計れませんが、おおよそ41×41×12cmといったところ。
▲THE IRON FIELD GEARらしい塗装済みスチール脚
脚のスリット同士を組み合わせるだけで脚になります。遠目では一本足に見えますが、デコボコが多い地面でも安定性が高い四つ脚になっているのはさすが。
▲40.8×40.8×H32cm
脚の上に本体を載せればすぐに焚き火にとりかかれます。初見でも1分もかからず組み立てられるでしょう。
■フツーに見えてフツーじゃない
「タキビツリー」は四角錐デザインで、深さは約11cm。よくある二次燃焼型ほど深くはありません。これで二次燃焼とは、どのような燃え方をするのでしょう?
▲内側に2列の穴。表面にリベットや溶接跡は一切なし
二次燃焼を促すには、壁の間に空気の通り道を作っておき、取り入れた空気を高温にして上部の穴から噴き出す必要があります。
下部の穴は薪の燃焼に必要な空気を供給する口、上部の穴が熱気を排出する二次燃焼のための穴です。
▲外(裏)側は中央付近に穴が1列
裏返せば、底のほうに空気の取り込み口が付いています。表側の下部穴とは微妙に位置がずれていて、ほどよく両方の穴に空気が運ばれるよう調整しているんですね。
板パーツをリベットで取り付けていますが、それなりに重なりをとることでしっかり密着。熱風を逃さないようになっています。
▲対角は約56cm。市販薪をそのまま載せられる
キャンプ場で手に入る薪であれば、切らずに載せられます。どっしりとしていて安定感のある脚のため、重量級の薪を載せてもぐらつきません。これは頼りがいあり。
火床が広く、浅めなので薪を高く組むのも、並列に組むのも思いのままです。
▲上段の穴より上では二次燃焼しない
燃え切れずに煙となった可燃性ガスに、熱風を吹きつけることで発生するのが二次燃焼。そのため上段の穴の付近で二次燃焼が見られますが、写真のように中央付近に高く薪を積み上げた状態では当然、煙が出ます。
もっとも排出される煙の量は普通の焚き火台よりも圧倒的に少なく感じました。
上段の穴の近くに薪を置いてしばらくすると二次燃焼の様子が見られます。筒状や箱形の二次燃焼式焚き火台のように、常時、ガスと空気が混じり合う筋状の炎が見えるわけではなく控えめ。けれども燃え尽きたときの灰の量はかなり少ないし、何の気なしに薪を加えても立ち消えることもありません。
* * *
「タキビツリー」は普通の焚き火台のように薪から出る炎を存分に眺められるうえ、煙や燃え残りが少ない二次燃焼をも促します。なによりも組んだ薪の内側に空気を効率よく取り入れる構造のため、火吹き棒を使わなくても、ただただ薪を載せただけでもよく燃えるということ。
ソロであれば火吹き棒で炎を操っている感覚を楽しめますが、ファミリーキャンプやグループキャンプで焚き火に手こずっていると気が焦るばかり。湿気を含んだ手強い薪でも安定した焚き火ができる、このサイズの焚き火台は感謝しかありません。
<取材・文/大森弘恵 写真/田口陽介>
大森弘恵|フリーランスのライター、編集者。記事のテーマはアウトドア、旅行、ときどき料理。Twitter
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