新潟空港を拠点に6月30日の運航開始を目指すトキエアは4月26日、ファンコミュニティ「CLUB TOKI」を開設した。デジタル会員権としてNFT(非代替性トークン)を販売し、保有者には各種特典を提供する。

チャットサービスの「Discord」上で交流用チャンネルを開設し、メンバー同士でのコミュニケーションを促す。NFT保有者は「NFT CREW」メンバーとなり、地域創生イベントや旅行商品の意見を募るチャンネルに参加できるなど、間接的に事業運営に携われる。

さらに「NFT CREW」メンバーは、就航初便の優先購入権や、運航乗員が着用するMA-1レプリカジャケットの購入権などの特典が受けられる。客室乗務員の非常脱出訓練に乗客役として参加できる権利なども検討している。

▲通常版NFT(左)とプレミアム版NFTのイメージ

販売するNFTは通常版とプレミアム版の2種類で、いずれもトキエアの機体がモチーフ。価格は通常版が0.05イーサリアム(ETH)、限定版が0.5ETH。4月26日現在の1ETHの価格は約25万円のため、通常版は約12,500円、限定版は約125,000円となる。通常版は10,000枚限定、プレミアム版は10枚限定で、5月31日から販売する。受けられる特典はどちらもほぼ同様の内容になるという。

▲トキエア 長谷川政樹CEO

都内で開いた会見でトキエアの長谷川政樹CEOは、「日本国内、世界中にトキエアを知ってもらいたいと考えたとき、NFTに辿り着いた」と説明。NFTを活用した取り組みはボーダーレスに発信できるという強みがあり、地方自治体などが始める例も増えている。航空業界では、日本航空(JAL)が地域の関係人口創出を目指す体験型NFT「KOKYO NFT」の実証実験を2月にスタートさせた。

トキエアはコミュニティ会員を広く募り、参加型コミュニティとして集まった意見を事業運営に活かしたい考えだ。長谷川CEOは「最終目標は地域活性化や課題解決」と話し、「航空ファンは世界中にいる。わざわざトキエアに乗りに来てもらえるところまで目指したい」と展望を語った。