昨年3月「3回目のひな誕祭」では、結成当初からの念願だった東京ドーム公演を大成功におさめ、名実ともに日本のトップアイドル・グループへと成長した日向坂46の「4回目のひな誕祭」が2日間開催された。


4回目にして初の野外スタジアム公演が実現。会場は、日向坂46のグループのイメージカラーと同じく、ブルーがまぶしい横浜スタジアム。2日間で計約7万4千人を動員した。


影ナレは丹生明里と齋藤京子が担当。「おひさまのみなさん、盛り上がる準備でき…んあ」と大事な煽りに躓き、“ゲラ”発動の齋藤に代わり、「そんなもんじゃないだろーー!行けんのかあ!」と丹生がファンを煽り、日向坂46らしい生誕祭の幕開けだ。


会場に現れた2台の黄色いバス。その車内には準備万端のメンバーが。ひとりひとりスクリーンに映し出されるたび大きな歓声が起こる。球場を1周したバスからメインステージへ颯爽と登場すると、佐々木久美と加藤史帆がコールの練習をレクチャー、その曲はファンと盛り上がる『HEY!OHISAMA!』 。初っ端からトップスピードで楽しむおひさまとメンバー。


今日のテーマは「おひさまとの空の旅」。メンバーの衣装もそらいろのCA風でスカーフがちらりと見えて可愛い。『ドレミソラシド』 の間奏でテイクオフした“ひなたエアライン”は、続いて富田鈴花久しぶりのラップの煽りで『アザトカワイイ』へ。そして『ソンナコトナイヨ』と3曲を連続ドロップ。


キャプテンから「ぴっちぴちの子たちー」と呼び込まれ四期生パートへ。

藤嶌里歩が初々しく煽り、『ブルーベリー&ラズベリー』の間奏では清水理央のおねがいで球場全体がウェーブ。夜空にきらめくそらいろのサイリウムが綺麗に波打った。変わってクレーンに乗り込んだ3期生の森本茉莉、山口陽世、上村ひなの、郄橋未来虹による 『ゴーフルと君』、金村美玖センターの『Dash&Rush』では、スタンドに松田好花や濱岸ひより、河田陽菜、小坂菜緒、富田鈴花ら2期生と上村が登場、おひさまのすぐそばで熱唱し、近くに現れた”ホンモノ”に驚きつつも笑顔がこぼれた。そして1期生メンバーで『好きということは・・・』を歌唱。


3回目のMCでは、膝の怪我で今回のコンサートを欠席した山下葉留花がステージに登場。「みなさんに会いた過ぎて来ちゃいました」とあいさつした。


四期生のほんわかトークのあとは中盤へ突入。小型機を模ったフロートに乗ってアリーナを回遊しながら、おなじみの『ハッピーオーラ』。この曲もひらがなけやき時代の懐かしい『ひらがなで恋したい』、続いてファッション誌の専属モデルを務める加藤史帆、佐々木久美、佐々木美玲、高本彩花、小坂菜緒のユニット曲で話題となった楽曲『Footsteps』から、金村未玖、富田鈴花、松田好花が歌ったメロウで大人な楽曲『線香花火が消えるまで』、東村芽依の初センター曲『Cage』、4回目のひな誕祭を祝い、花ちゃんズ(富田鈴花、松田好花)が『ハッピーバースデイ』を歌い 、そのあとおひさまが日向坂46を祝う『ハッピーバースデー』で、温かい空気がスタジアムを包む。


佐々木久美が実際のアナウンス席からウグイス嬢よろしく美声を聞かせると、ノリノリで突然始球式セレモニーへ。投げるのは当然山口陽世だ。そしてキャッチャーには元横浜ベイスターズ監督のアレックス・ラミレスがサプライズ登場し、スタジアムは一瞬にして興奮の坩堝へ。投げた球は外角低めの惜しくもボールだったがみごとな投球をみせた。


「それではプレイボール!」と登場したのは、“いつでもどこでも変化球“ひなのなの、上村ひなののソロ曲『 一番好きだとみんなに言っていた 小説のタイトルを思い出せない』。そして小坂菜緒の切ない表情と声が印象的な『こんなに好きになっちゃっていいの? 』と、4回目となるひな誕祭だからこそ味わえる多種多様なパフォーマンスでおひさまを釘付けにした。


後半は、けやき坂46時代の名曲『半分の記憶』からスタート。前シングルの『月と星が踊る Midnight』から、これも日向坂46屈指の名曲『青春の馬』を四期生がパフォーマンス。1本の欅から成長した先輩たちの背中を追い、夢を叶えた彼女たちの真剣で輝かしい眼差しは、忘れがたい印象をおひさまの心に焼き付けた。「おもてなし会」でも見せた同曲だが、当時とは比べ物にならないほど成長した姿に胸が熱くなる。続けて先輩メンバーが、日向坂46となって初のアルバムに収録された『My fans』を熱唱、さらに畳み掛けるようにライブには絶対欠かせないナンバー『誰よりも高く跳べ!2020 』では、恒例久美キャプテンの煽りが。今日は溜めに溜めた雄叫びが炸裂した。『知らないうちに愛されていた』では「みんないっしょに歌ってください!」と、コロナ禍で叶わなかったおひさまと一緒に歌うことがようやく実現。「もっと歌ってください!」久美キャプテンの声に一層力がこもった。


鳴り止まぬアンコールに応え、最新シングル 『One choice』を初披露。ここで欠席していた影山優佳がフォーメーションに入り、丹生の笑顔が浜風で冷え込んできたスタジアムを一気に温もりで包んだ。 


最後は『NO WAR in the future 2020』 、そして横浜の夜空にもおひさまが作る優しい虹が掛かって『JOYFUL LOVE』。“声出し解禁”の「ひな誕祭」は大盛況で幕を閉じた。四期生も加入し、32人となった日向坂46は、5年目もさらに勢いを増して突き進む。


カメラマン:上山陽介