【FP解説】つみたてNISAに向いている人・そうでない人のタイプ
保険を売らないファイナンシャル・プランナーのナナコがお金にまつわる知恵やコツなどを紹介するチャンネル「FPナナコ【働く女性のお金の教養教室】」より、投資を始めるにあたり"つみたてNISA"に向いているタイプ5つ・向いていないタイプ3つを解説する。


この記事はYouTube配信「【2023年まで】つみたてNISA やっていい人・ダメな人」から、ライブドア社の自動書き起こしツールによって生成されています。


保険を売らないFPのナナコです。ナナコの部屋にようこそ。今日のテーマは「つみたてNISAが向いている人・そうでない人」についてです。

日本証券業協会の調査によると、2022年6月時点で証券会社でのつみたてNISAは434万口座だそう。半年で100万口座ほど増えて広がってきているというのが分かりますね。




同じ調査によると、こんな感じで20代・30代は圧倒的につみたてNISAの利用が多く、40代で半々。50代以降になると一般NISAの利用が多いようです。

こういう情報を見ると、50代の方から「もう50代だから、つみたてNISAじゃない方がいいかな?」とか。30代の方から「先が長いから、つみたてNISAの方がいいでしょうか?」というような、ご質問を受けることがあります。

今日はそんな疑問を踏まえて「こんな人はつみたてNISAがいいんじゃないかな?」逆に「こんな人はつみたてNISAじゃない方がいいんじゃないかな?」というお話をしていきたいと思います。

そもそも「『つみたてNISA』ってなんだっけ?」っていう時は、金融庁のウェブサイトを見たり、ネット証券のサイトが見やすいので、おすすめです。
私も、この動画でつみたてNISAについて解説しているので、よかったらチェックしてみてください。

つみたてNISAに向いているタイプ


では早速、つみたてNISAが向いている5つのタイプをご紹介します。




まず1つ目「年間40万円の投資額で十分な人」NISAは、小額投資非課税制度なので、いくらでもこの制度を使って投資できるというわけではありません。

「年間に40万円までの投資元本だよ」って決まっています。これに対して、今の一般NISAは年間120万円まで投資することができます。とはいえ、小額って言っても、年間40万円ってそんなに少ないですかね?

夫婦で利用すれば80万円です。自分ひとりでも月に3万3000円、二人なら6万円以上の投資が非課税でできるってことですよね。そもそも「そんな投資にばっかりお金回せないよ」とか「回す予定がないよ」っていう場合は、つみたてNISAで十分だよってことも多いですよね。




2つ目は「手間を少なめに投資したいよっていう人」です。つみたてNISAは、その名の通り基本的に「積み立て」で投資をしていくものなんですね。投資する商品を選んで、一度積み立て設定をしてしまえば、その後はそれほど手をかけるっていうことはありません。

「ほったらかしでいいよ」とまでは言いませんけれども、あまり「投資してるぜ!」っていうような感じで考えることはなくて、定期積み立て気分で資産運用をしていきたいんだよって時は、つみたてNISAの方が気持ちの面で使い勝手がいい制度だと思います。

一般NISAのように、「5年後に売るのか」「課税口座に払い出すのか」「ロールオーバーするのか」みたいな選択肢で悩むってことも少ないので、積み立てをし続けながらゆっくり投資について勉強をしていくってこともできます。




3つ目は「投資のタイミング悩んじゃうんだよねっていう人」です。先ほども言った通り、つみたてNISAは毎月など決まったタイミングで自動的に投資をしていくんですね。

「今、買い時なのかな?」とか「今、安いのかな?高いのかな?」とか、「そういうことが自分よくわからないから、なかなか投資に踏み出せないんだよね」とか、「そういう見極め自信がないんだよね」っていう人にこそ「積み立て」での投資がおすすめなんですよね。

安い時にたくさん買って、値段が高い時にたくさん買ってしまうということを防ぐことで、平均の購入単価を安くする効果が期待できたり。高いのかな?安いのかな?っていうのに振り回されずに投資を続けていくってことができます。

投資を続けにくい理由に、上がり下がりが気になって自分が冷静でいられないっていうのも大いにあると思うんですよね。それを避けるってことができるので、タイミングなど自分に自信がないっていう人は、つみたてNISAを利用して自分のゴールに向かって淡々と積み立てを続けていくっていうのもいいかもしれませんね。




4つ目「50代以降で老後資金を貯めたい人」です。つみたてNISAは、非課税期間が20年です。「もう、50代だから20年って言われても…」っておっしゃる方いらっしゃるんだけれども、20年積み立て続けなければいけないわけではありません。

5年でも10年でも自分のライフプランに合わせて積み立てて、必要に応じて取り崩せば大丈夫です。

老後資金を貯めるためには、iDeCoっていう税金の優遇された制度がありますけれども、iDeCoっていうのは10年縛りっていうのがあって、原則10年積み立ててからではないと引き出せないなどの制限があるんで、60歳が近づくにつれて「ちょっと使いにくいな」っていう感じる人も多くいるんですよね。

その点、つみたてNISAは、引き出しに制限がないので増えた分にかかる税金はなしっていう運用益非課税の特典を使いながらコツコツで老後資金を作っていくことができます。




5つ目は「制度の変更が心配だなっていう人」ですね。一般NISAは2023年に終了してその後、2024年からは「2階建ての新NISA」ができる予定でいます。

今のところ金額はそちらも120万円前後で大きく変わるってことはなさそうだけれども、非課税期間も5年の予定です。国は、なるべくシンプルな制度にしていきたいよっていう方針なので、この先制度の変更があるかもしれません。

その点、つみたてNISAは2042年までの投資可能期間っていうのがもう決まっています。一応、これも絶対に変わらないのかっていうふうには言い切れませんけれども、5年しか決まっていない一般NISAに比べると、制度変更の情報にアンテナを立てておく必要性が低かったり、途中で制度がなくなるんじゃないかっていう可能性も低いんじゃないかと思います。

長期でコツコツ投資するんだったら、つみたてNISAの方が安心して付き合っていけるかもしれませんね。

つみたてNISAに不向きなタイプ


では、ここからは「つみたてNISAじゃない方がいいかもしれないよっていうタイプ」ですね。




まず、1つ目は「生活防衛資金も溜まっていない人」ですね。これは、つみたてNISAっていうよりも値動きがあるようなリスク資産に投資をしてはいけない人に該当するかもしれません。

今、お金がない人ほど投資で一獲千金を狙おうとする傾向があるように感じますけれども、最低限の貯金もないうちは投資でお金を増やそうとしてはいけません。

それぞれの家計に合わせて生活費の3か月から6か月分ぐらいの貯金を準備して、その上で直近で使うお金は預貯金で貯められるような計画をするまでは、つみたてNISAに手を出すっていうのはやめましょう。いくら初心者でも比較的やりやすいよと言っても、準備不足で手を出したら失敗する可能性が高くなります。




2つ目は「まとまったお金を早く投資に回したい人」ですね。比較的年配の方が多いように思いますけれども、そうでなくても相続とか贈与でまとまった預貯金があったり、なんとなく貯めてきてしまったなどで、すぐに使う予定もないお金を投資に回したいんだよっていうケースもあります。

つみたてNISAだと年間の40万円が上限になっているので、例えば400万円を投資に回すのに40万円だと10年かかってしまうんですよね。それでは、増やすチャンスを失ってしまう可能性が高いのでこういうケースでは、つみたてNISAにこだわらずに一般NISAを選んだり、課税口座を利用して、早めに運用に回すということを検討してもいいかもしれませんね。

ただ、まとまったお金があるからって積み立てずに一括でバーンと投資しなきゃいけないということではありません。金額はいろいろだと思いますけれども、いきなり例えば400万円投資するのではなくて、月20万円を2年間で積み立てるなどは、もちろん全然ありですよね。

投資そのものに自分が慣れていないときは、まずは一部をつみたてNISAで始めて投資するっていう感覚をつかんでから一般NISAに行くでもいいと思います。

「怖いなー」って思いながら無理して大きなお金を一気に投資するんではなくて、自分が受け入れられるリスクを知ったり広げていくために、まずはつみたてNISAから始めるっていうのも選択肢には入れておいてください。




3つ目です「いろんな投資をしたい人」です。つみたてNISAで買える商品は、金融庁が定めた長期で資産を増やすのに向いてるっていう基準をクリアした投資信託などなんですね。

そのため、株式投資などするってことはできません。また、債権だけに投資する投資信託っていうのが含まれていませんので、自分でいろいろ調べて投資をしたり、細かい調整がしたいっていう人は利用しにくくなっています。

投資できる元本がそれほど多くないので、短期的に大きな利益を出るっていうのもそもそも難しいですね。そういう投資の仕方を希望する人は、つみたてNISAはやめておいた方がいいかもしれません。


今日は「つみたてNISAがおすすめなタイプと、そうでないタイプ」っていうのをご紹介しました。つみたてNISAも一般NISAも課税口座も、それこそ保険やその他の方法も、あくまで自分が望む今とか、未来を実現するツールのひとつなんですよね。

世の中に色んな道具があって、どの道具が適してるかっていうのは人それぞれですし、誰かの使いやすい道具が、自分にとってそうとも限らないんですよね。「運用益非課税」って言われると、それを利用しないとどうしても損をしているような気がしてしまいがちなんだけれども、あくまでそれはツールであって、それを使うってことは目的ではないはずなんですよね。

もちろん、自分に有利な制度は上手に使っていただきたいと思うんだけれども、あまり「NISA」とか「非課税」に囚われることなく、本来の目的をしっかり確認して、そのためにどんな道具を使うのがいいのかなっていうのを考えながら資産形成を進めていってください。

以上、保険を売らないFPのナナコでした。この動画が、「役に立ったなー」「面白かったなー」「また見たいなー」と思ってくださったら、高評価・チャンネル登録、そして、コメントもお待ちしております。

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