富山県は観光や登山などで多くの人が訪れている地域ですが、実は移住先としても人気があります。富山県へ移住すると、どのような生活を送れるのでしょうか。今回は、富山県の特徴や生活環境とともに、具体的な移住支援について解説します。富山県へ移住する際の特におすすめのまちも紹介するので、ぜひ参考にしてください。

富山県の概要・魅力

富山県は、日本列島のちょうど中央部に位置しています。東、西、南は山岳地帯に囲まれ、北は富山湾に面しています。県庁所在地の富山市を中心とし、富山平野が広がっているところも大きな特徴です。

古くから農業が盛んで、稲作やチューリップの球根の栽培などが行われています。また、薬や和紙の製造、定置網漁業などでも有名です。自然が豊かでおいしい食べ物も豊富なので、多くの人から愛されています。

北陸新幹線の長野から金沢の区間が2015年に開業して以来、東京から約2時間で富山県内へアクセスできるようになりました。首都圏と比較すれば、富山県の物価や家賃は全体的に低めです。富山県へ移住すると、生活費を抑えつつのびのびとした暮らしを実現できるでしょう。

富山県へ移住したらどんな暮らしが実現できる?

富山県に移住した場合、どのような暮らしをすることになるのでしょうか。ここでは、仕事、住まい、子育ての3つの観点から富山県への移住後の生活について解説します。

仕事
富山県内には、地域と密に連携している企業が多数あります。移住して県内の企業に就職すれば、働きながら富山県の魅力を感じることができるでしょう。IT、金属機械、医薬品などの分野では、全国的に見てもトップクラスといえる企業がそろっています。

また、富山県は、移住先の仕事を探したいと考えている人向けのサポートも充実しています。東京、大阪、名古屋に「富山くらし・しごと支援センター」が開設されており、対面相談やオンライン相談などが可能です。

住まい
富山県は、広々としたプライベートな空間を確保しやすいのも魅力です。富山県の持ち家率は、全国2位の76.8%となっています。また、1住宅あたりの居住室数は平均6室で、全国で最も高い水準です。

さらに、富山県内で賃貸物件を借りるための家賃は、1畳あたり2,350円となっています。全国平均は3,074円であるため、かなり安い金額といえます。富山県に移住すれば、住まいにかかる費用を抑えつつ快適な居住環境を手に入れられる可能性が高いでしょう。

出典:平成 30 年住宅・土地統計調査 | 総務省

子育て
富山県は保育園の待機児童が長期にわたりゼロとなっており、子育てと仕事の両立がしやすい環境となっています。

また、文部科学省が実施している全国学力・学習状況調査の結果を見ると、富山県はトップクラスの水準です。子どもの学力を伸ばしたいと考えている家庭でも、富山県なら安心感が得られるでしょう。

出典:全国学力・学習状況調査|国立教育政策研究所

富山県の移住者支援情報

そんな富山県は、移住者支援に力を入れています。富山県へ移住するなら、支援制度をうまく活用しましょう。ここでは、富山県の移住者支援に関する情報を紹介します。

移住者支援金
東京23区から富山県内へ移住する人には、移住支援金が支給されます。東京23区に住んでいる人だけでなく、通勤している人も対象です。なお、移住支援金の対象となる求人に採用されることなども条件となっています。

支給される金額は、単身で移住する場合は60万円、家族では100万円です。また、子どもがいる家庭には、18歳未満の子ども1人につき30万円が上乗せされます。

とやまの魅力体験助成制度
富山県では、移住の準備にかかる交通費の助成も行っています。就職先を探す際の企業訪問や面接、空き家の内見、先輩移住者との交流など、移住に関連するさまざまな目的のためにかかる交通費が対象です。

居住地から富山県内までの往復交通費のうち、2分の1(1万円まで)が支給されます。また、富山くらし・しごと支援センター富山オフィスや各市町村が主催する現地案内を利用すると、宿泊費についても2分の1(1人1泊5,000円まで)が支給されます。

各市町村の移住支援制度
富山県内の各市町村でも、それぞれ独自に移住支援制度を展開しています。多くの市町村で住宅支援や子ども医療費助成、保育料の軽減などの支援制度を設けているため、移住後の暮らしをサポートしてもらえます。

なかには、出産祝い金が支給されたり、高校生まで医療費の助成を受けられたりする市町村もあるようです。自分たちに役立つ支援制度が多い市町村を探して、移住を検討するのも1つの方法だといえるでしょう。

とやま移住応援団
「とやま移住応援団」では、富山県への移住を検討している人向けに優待カードを交付しています。協力事業者のサービスを利用する際に優待カードを提示すると、特典や割引サービスを受けられます。

たとえば、レンタカーの利用や宿泊、引っ越し、中古車の購入、不動産屋さんでの賃貸物件探しなど、さまざまなジャンルで利用可能です。優待カードは定住後も使用できるため、富山県内でお得に暮らせます。

富山県への移住におすすめのまち

富山県へ移住するといっても、さまざまな市町村があります。どのエリアが自分たちに合っているのかわからないという人もいるでしょう。ここでは、富山県への移住におすすめのまちを紹介します。

砺波市
砺波市は、富山県西部に広がる砺波平野の中心に位置する市です。大型の商業施設が複数あるため、都心部からの移住を検討している人も、移住後の買い物に困ることは少ないでしょう。

砺波市では移住者を積極的に受け入れており、支援制度も充実しています。たとえば、住宅取得支援や家賃支援などがあるため、移住先の住まいを確保しやすいでしょう。

支援制度|砺波市移住定住応援サイト|砺波市

滑川市
滑川市は、富山市の北東に隣接する市です。富山湾に面しており、滑川の沖合はホタルイカの生息地としてもよく知られています。保育料や高校生までの医療費が無償化されていて、子育てしやすい環境が整っています。

滑川市への移住を検討している人は、オンラインで市への移住相談が可能です。滑川市の様子や生活面の不安など、知りたいことを気軽に聞けるようになっています。

オンライン移住相談の受付について|滑川市

富山市
富山市は、富山県の県庁所在地です。日本海側で特に都市機能が発達している中核都市の一つです。北陸自動車道や北陸新幹線なども利用できるため、多方面からスムーズにアクセスできます。コンビニやスーパー、ホームセンターなど、日常生活に必要な買い物ができる施設も充実していて便利です。

富山市でも移住者向けの手厚い支援を用意しています。たとえば、住宅取得や中古住宅のリフォームにかかる費用、家賃などを補助する制度を設けています。

富山市への移住を検討している方へのご案内|富山市

まとめ

富山県は広々とした住宅を確保しやすいうえに、移住者向けの就労支援や子育て支援も充実しています。移住体験も実施されているため、まずは富山県を訪れて、どのような場所なのか自分の目や耳で確かめてみるとよいでしょう。実際に行ってみると、それまでわからなかった魅力に気づける可能性があります。

各市町村も、それぞれ特色のある移住支援を展開しています。実際に移住する際は、利用できる制度をしっかり活用しましょう。