近所の半径2キロ圏内が乗り放題の新サービス!電動キックボードで行く魅惑の観光ツアーも!:ガイアの夜明け

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2月17日(金)に放送された「ガイアの夜明け」(毎週金曜夜10時)のテーマは「"便利な足"があなたの街に!」。
私たちの暮らしを変える"便利な足"、その最前線を取材。高齢で免許を返納する人が年50万人を超える中、自宅から近くの駅や施設までの短距離をどう便利に移動するか、"ラストワンマイル"を巡る競争が激しくなっていた。
さらに進化させようと、都内や地方で新たな挑戦を続ける企業の姿を「ガイア」が追った。

新交通に風穴を開ける高速バス大手が、いま挑戦するのは"ちょい乗り"と"相乗り"


JR大塚駅(東京・豊島区)。電車を降りてこれから徒歩15分の距離の自宅に戻るという60代の男性。凍える寒さの中、スマホを取り出し操作する。すると5分後、目印も何もないところに「mobi(モビ)」と書かれたワゴン車が到着。


男性は、駅前で乗ってからわずか5分で自宅近くに到着した。

「モビ」は、タクシーとは違って、半径2キロ圏内であれば月5000円で乗り放題という新たなサービス。さらに利用者の家族は、1人当たり500円で乗り放題だ。大塚駅周辺の豊島区のエリアでは朝7時〜夜10時まで運行している。
乗降場所は実におよそ140カ所。区役所前はもちろん、マンション前や人気のラーメン店の近くなど、生活に身近な場所に置かれている。バスは決められたルートを走るが、「モビ」は乗降場所間を好きな時に自由に移動できる。
「モビ」は相乗り制。AIが自動で最適なルートと乗客を送る順番を計算する。車両とドライバーはタクシーやハイヤー会社が担当する。


買い物や子どもの保育園の送迎など、利用客の用途は実にさまざま。「モビ」が豊島区エリアで走り始めて約10ヵ月、街の便利な足になっていた。

去年10月、北海道・室蘭市白鳥台でも「モビ」の運行が始まった。住民の半数以上が高齢者で、バスやタクシーは年々減少している地域だ。


室蘭市役所の稲場英憲さんは、「人口減少が非常に進んでいる町。5〜10年後を考えた時に、公共交通のあり方を考えなければならないということで、こういう新しいサービスを取り入れたい」と話す。

実は「モビ」、新しい交通サービスのため、現在は各地で実証実験を行い、本格的なニーズを確かめている段階だ。室蘭市での実証は去年12月で一旦終了。利用者の約7割から高い評価を得ており、今後は本格的な導入に向けて検討していくことになった。

「モビ」は現在、都会から地方まで全国11エリアで運行中。今後さらに広がる予定だ。

この「モビ」を仕掛けるのが、業界でも有数のバス会社「ウィラー」。約17年前に業界に参入し、それまでの高速バスにはなかった快適性とリーズナブルな料金で業績を伸ばしてきた。現在は1日400便以上を運行している。

「モビ」は、「ウィラー」と「KDDI」が合弁して進める事業。「ウィラー」の創業者・村荑茂高社長は「地域のニーズをしっかり掘り起こしながら、今までの公共交通と違い、人に合わせたサービスをつくっていく。そこが大きな違いだと思っている」と話す。


「KDDI」から出向しているエリア担当の大西和貴さんは、豊島区で直接利用者の声を聞く。携帯電話の位置情報から人の移動に関する詳細なデータを活用し、それぞれの地域に合った交通を模索。さらに利便性を高めるため、利用者から寄せられた乗降場所のリクエストにも真摯に向き合っている。


一方、人口約15万人の愛知・今治市で大きな動きがあった。元サッカー日本代表監督で「FC今治」の岡田武史会長から、「モビを活用したい」というオファーが舞い込んだのだ。一体どんな内容なのか......。



今夏スタートの新制度でさらに身近に!楽しく便利な「電動キックボード」の実力


最近、街でよく見かけるようになった電動キックボード。そのシェアサービスを展開しているのが「ループ」だ。基本料金は50円で、1分ごとに15円加算される。現在は運転免許が必要だが、ヘルメットは特例措置で任意となっている。
「ループ」が置かれているのは、都心の街角やコンビニなど、東京や大阪を中心に2600ヵ所以上。ユーザー数は数十万人にまで拡大している。


7月からは、電動キックボードに関する新しい制度が導入され、新しいルールでは、最高時速20キロ以下の車体なら運転免許なしで走行可能、ジョギング程度の時速6キロ以下であれば、歩道を走ることが可能に。一方、自賠責保険への加入はこれまで通り義務付けられ、ヘルメットの着用も任意から努力義務に強化される。


「ループ」では、新制度に備え、新たな動きが始まっていた。時速6キロ以下で歩道を走る場合、緑色のライトを点滅させることが必要なため、ライトを設置。より安全にするために、ナンバープレートのサイズも変更するなど、急ピッチで準備を進めている。


岡井大輝社長は、「しっかりとした法律の中に位置付けられたこと自体が大きな一歩。タクシー、バス、鉄道と同じ、何ならそれ以上の利便性と安全性を追求できるような公共交通にしたい」と話す。

電動キックボードを観光やアクティビティーなどに使う動きも出てきている。
沖縄を中心に、全国43ヵ所でフランチャイズ展開をする「リモ」は、電動キックボードの観光ツアーなどを手がける会社。
増子博之さん(53)は、外資系たばこメーカーの営業マンだったが、約2年前に退職。旅で訪れた沖縄・石垣島で「リモ」の電動キックボードを体験し、魅了された。そして「リモ」初となる東京エリアのフランチャイズとして加盟したのだ。


そんな増子さんが目を付けたのは、都心から電車と車で約2時間の東京・檜原村。
去年10月、増子さんは、キャンプで訪れた人たちに、電動キックボードをアピールした。「自然がある上で、周辺が整備されていて走りやすい」と睨んだのだ。ツアー料金は1時間3000円(自賠責保険込み)で募集すると、早速参加者が。山道も電動キックボードでスイスイ進む。途中、パワースポットの神社や奥多摩ならではの清流に立ち寄るなど、自然を存分に楽しむツアーとなった。


参加者からは「楽しい!」「自然の中を回るのはすごくいい。交通の便も悪いから、歩きだと大変。すごく良かった」と好評だ。その一方、こんな声も。「都会のツアーにも行ってみたい」。

11月上旬、増子さんは都心のツアーを計画するため、江東区・豊洲にやって来た。「(豊洲は)東京オリンピック以降、橋や新しい道ができている。安全に走ることができる」と話して期待をかける。さっそく、ツアーの拠点となる場所を探して、バーベキュー施設などに飛び込み営業をかけるが、次々と断られてしまう。2人の子どもを持つ一家の大黒柱・増子さんの前途は......? そんな中、ビッグチャンスが!

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