どんな意味がある!? 車の「ナンバー」図柄入りでも変わらない? 数字やひらがなに込められた難解な「ルール」とは

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すべてのナンバープレートには「4つ」の情報が記されている

 ナンバープレートの表示内容には「地名」「分類番号」「ひらがな」「一連指定番号」の4つの情報が表示されています。

 それぞれどういった意味があるのでしょうか。

大きく分けて「4つ」の情報が記されている「ナンバープレート」[画像はイメージです]

【画像】超カラフル! 全国の図柄入りご当地ナンバーを画像で見る(33枚)

 まず上段左側にある地名は、自動車を使用する本拠地を元に決められています。「京都」「千葉」のように、都道府県名で表示されることも多いですが、「品川」「堺」のように、市や地区名で表示される場合もあります。

 続く上段右側の分類番号は、地名の隣に表示されている数字のことで、その数字を見ることで自動車の種類や使われる用途を知ることができます。

 表示されている分類番号の数字のうち、一番左の数字を見てクルマの種類を識別します。例えば分類番号が400の車は4ナンバーとなり、小型貨物自動車であることが分かります。

 分類番号による車の種類と用途は、以下のようになります。

・1ナンバー:普通貨物自動車(大型トラックなど)

・2ナンバー:普通乗合自動車(バスなど)

・3ナンバー:普通乗用自動車(小型乗用車の規格を超えた乗用自動車)

・4ナンバー:小型貨物自動車(貨物用途の軽自動車、軽トラックなど)

・5ナンバー:小型乗用自動車及び乗合自動車(一般的なサイズの車など)

・6ナンバー:小型貨物自動車(4ナンバーと同様)

・7ナンバー:小型乗用自動車及び乗合自動車(5ナンバーと同様)

・8ナンバー:特種用途自動車(パトカーや消防車など)

・9ナンバー:大型特殊自動車(フォークリフト・クレーン車など)

・0ナンバー:建設機械用大型特殊自動車(ショベルカー・ブルドーザーなど)

 下段左側のひらがなは、主に事業用車両と自家用車を区別するために用いられています。

 46個のひらがなのうち、「お・し・へ・ん」は使用されていません。「れ」と「わ」はレンタカーに使用されるなど、特別な用途によってひらがなが割り当てられている場合もあります。

 最後に、下段の一連指定番号は、一番大きく表示された4桁の数字のことで、個人の識別、特定のために役立てられます。

 さらにナンバープレートは、上記の表示内容以外にも、色によって車両のタイプを分類できるようになっています。色の種類は「白・黄色・緑・黒」の四種類です。

 白いナンバープレートは普通自動車、黄色いナンバープレートは軽自動車に取り付けられます。緑のナンバープレートは人や物を運ぶ運送車両用、黒のナンバープレートは運送車両のうち、軽自動車に分類される車両に取り付けられます。

「識別」だけじゃない!? ナンバープレートに加わった新たな「役割」とは

 ナンバープレートは、クルマが国内を走るようになった明治時代からありましたが、第二次世界大戦後に制定された「道路運送車両法」により、現在に通じるナンバーの登録制度が確立されたのは、1951年のことです。

 当初は地名、分類番号などが一列に表示された形式で、東京のナンバーのみ地名表示がされていないものでした。

新たな全国版図柄入りナンバープレートのイメージ(画像:国土交通省)

 1955年には「ひらがな」が表示されるようになり、表示は1列から2列に変更されます。

 1961年に一度表示が取りやめになった分類番号が復活し、今のナンバープレートと同じ表示内容となりました。

 その後地名の表示や、分類番号の桁数などに細かな変更が加えられながら、2006年にご当地ナンバーが導入され、今に至っています。

 ナンバープレートは1999年の分類番号3桁化に伴い、一連指定番号を自分で選択できる希望ナンバー制度が導入されました。

 一連指定番号を自分の希望で選択できるようになりましたが、「7777」や「5555」などの人気が高いナンバーは抽選式となっています。

 一方、ご当地ナンバーは、地域復興や観光振興という新たな観点から導入されました。

 以前はナンバーの地名表示は、対象の自動車を管轄する事務所の所在地によって決められていましたが、現在では「伊豆」「倉敷」など、募集によって生まれたご当地ナンバーが存在しています。

 さらに図柄入りのオリジナルデザインナンバープレートも全国で誕生し、そのバリエーションが大幅に拡がっているところです。

 こうしたナンバープレートは、正式な自動車登録を受け、自賠責保険の加入や、適切な車庫の証明がされていないクルマには交付されないものです。

 つまりナンバープレート本来の機能は、自分が乗っているクルマが、法令に基づいて、登録を行っているという証明をするためのものといえます。

 さらに社会的な機能として、ひき逃げなどの犯罪行為を行った車両の特定や、国の許可なく事業を行う車両(白タクなど)の識別などがあります。

 そして、ご当地ナンバーによるクルマへの愛着や、図柄を入れたナンバーで地域の魅力を発信するなどの新たな役割も加わるようになったのです。

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 普段何気なく目にしているナンバープレートですが、表示内容によって車両の種類や用途などが判別できるようになっていて、表示されている文字や数字には全て意味があります。

 また時代の変化により、希望ナンバー制度の導入やご当地ナンバーの登場など、人々が愛着を感じる対象としても存在するようになりました。

 ナンバープレートに表示されている数字の意味が分かると、街を走るクルマに対する見方も今までと少し変わるかもしれません。