【大根のトリセツ】大根の皮は加熱すると超絶甘いウマい♡「皮のフリット」作ってみた!【食べるSDGs】

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管理栄養士のともゆみです。先日放送のNHKの番組『あしたが変わるトリセツショー』では大根について解説をしていました。そこでは”皮は厚く剥いた方がおいしい♡”と口説いていたのですが、皮を使った料理も紹介していました。それが「皮のフリット」と「チヂミ」。フリットは大根の皮が際立つおいしさとか。さっそく作ってみましょう♪

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大根の皮はぶ厚く剥く

大根には皮から3~5mmくらいのところに内側に向かって線が入っています。



これが「筋」です。害虫や病原菌から身を守るために「筋」には辛味成分が集中しています。この筋を取り除くことによって、内側は甘い大根、外側は辛い大根の2つに分けることができます。
番組では内側を「甘根(あまね)」外側を「辛根(からね)」と名付けていました。

甘根と辛根の甘みと旨味成分

実際に甘みと旨味成分を調べてみると、甘根と辛根では甘み(ブドウ糖)は同じくらいで、旨味(グルタミン酸)はなんと辛根の方が多いことが判明。
辛根にも十分甘くて旨味の強い成分が含まれているんですね!強い辛味でおいしさが隠れていたのか~。
辛根は食物繊維が豊富で食感もよく、辛味成分を消してしまえば、おいしく食べられるそうですよ♪

辛味成分を抑えるには?

辛み成分を作る酵素の活性は100℃でほとんど働かなくなります。ですので、100℃以上の加熱をすることにより辛味を抑えることができるんです。

100℃以上の加熱にするには、煮るよりも揚げ物や炒めものの方が温度が高くなりますね。
さっそく作ってみたいと思います。


「辛根のフリット」の材料と作り方

【材料】(2人分)
大根の皮(辛根)…2個(4cmの輪切りにした大根の皮)
揚げ油…適量

・衣
片栗粉…大さじ1
薄力粉…大さじ1
水…大さじ2




【作り方】
1.  厚めに剥いた大根の皮を2cm幅に切ります。



2.  ボウルに衣の材料を全て入れて箸などでさっくりと混ぜます。



3.  1の切った皮に2の衣をつけます。



4.  160℃の油で3~4分揚げます。



5.  皿に盛り付けて完成です。



それではいただいてみます。



すんごく甘~い♡ 辛さは全然感じられず、とにかく甘い、そして水分たっぷりで瑞々しいです。
これなら、子どももパクパクイケちゃいますね。

塩などの塩分が全く入っていないんですが、十分おいしく食べられます。おかずというよりおやつのようです。
番組では紹介されていなかったのですが、塩、抹茶塩(塩:抹茶=1:1)、カレー塩(塩:カレー粉=1:1)の3種類用意してみました。

「辛根のフリット」に3種類の塩で食べ比べてみた!



塩分を少し付けた方がおかずとして食べやすいかなと思いました。
3種類付けて食べた結果、わたしが気に入った順ですが、カレー塩→塩→抹茶塩ですかね。
カレーは家族みんな好きだし最強ですね。

もう一品作ります。

「辛根のチヂミ」の材料と作り方

【材料】(2人分)
大根の皮(辛根)…4個(4cm幅の輪切りにした大根の皮)
サラダ油…大さじ2
水…大さじ2

生地
薄力粉…大さじ3
片栗粉…大さじ2
卵…1個
水…大さじ3と1/2
鶏ガラスープの素(顆粒)…小さじ1
塩…少々



【作り方】
1.  大根の皮を縦半分に切ります。



2.  ボウルに生地の材料を入れよく混ぜ合わせます。



3.  フライパンに大根の皮と水を入れてフタをします。強火で2分半蒸し焼きにします。



4.  皮を格子状に並べて、サラダ油(大さじ1)と生地を流し入れます。



5.  中強火で4分ほどきつね色になるまで焼き、裏返してサラダ油(大さじ1)を加え、中火で4分焼いて出来上がりです。

…おっと、裏返すのが大変。崩れやすいです。30cmのフライパンが大きすぎたか、生地が薄く大根が剝がれやすいです。もう少し小さめのフライパンの方がよさそうです。なんとか裏返し、焼けました。



桜エビのトッピングを作ります。
桜エビ(15g)をフライパンに入れ、中火にかけて3分ほど乾煎りします。
ボウルに白いりゴマ(小さじ2)、青のり(小さじ1)、塩(ひとつまみ)を入れて煎った桜えびを加えて全体を混ぜます。



食べてみます。



うん、おいしいです。大根は辛さが抜けていて食べやすくなっています。チヂミの生地がふんわりしているので、大根の食感と味をより感じられます。

大根の辛味成分

大根の辛味成分はアリルイソチオシアネート。揮発性の硫黄化合物で、辛味は刻んだりすりおろすことで多く出現します。抗菌や抗カビ作用のほか、ガン予防の可能性があるとされ、注目されています。このアリルイソチオシアネートの成分を摂りたい場合は、辛味の多い外側の部分や下の方を大根おろしにするのがおすすめです。大根の辛み成分の酵素は熱に弱いため、生食するほうが効率よく摂取できます。加熱すると辛みが抜け、甘みをもつ性質があります。

皮の料理を2品作ってみましたが、本来捨ててしまう部分なのにとってもおいしくいただけました。
皮だから筋っぽいとか、食べにくさは全く感じられませんでした。

大根はぶ厚く剥いて甘根と辛根に分けて調理して2倍楽しむ。という番組の趣旨、理解出来ました。
特にフリットはびっくりするほど甘かったです。ぜひ参考にしてみてくださいね。

参考文献:
からだのための食材大全 NHK出版